「次WBOにやりたいやつがいて、王者がアマチュア上がりで戦績も俺と同じくらいで、同じ年のイケイケのやつがいるらしいんで。そいつと喧嘩ボクシング出来たら」(重岡優大)。


ストロー級屈指の強豪パンヤ・プラダブスリからWBCタイトルを奪った優大が、次に戦いたい相手として即答したWBO王者オスカー・コラーゾ(ボクシング・ビートなど一部では「オスカル・コラソ」ですが、ここでは耳障り優先でオスカー・コラーゾと表記します)とは何者なのか?



最軽量のストロー級(105ポンド=47.61kg)は、プロボクサーの競技人口で世界265人(10月9日現在:BoxRecから)。この数字は17階級最少ですが、日本人はそのうち61人、23%を占めて世界最多。

そして、コラーゾの米国はなんと4人…。多くの超軽量級と同じように、米国内ではまともなランキングも存在しないストロー級。当たり前ですが、ボクシングファンのレーダーにもほとんど捕捉されることがありません。

ただし、コラーゾのルーツはプエルトリコ。軽量級にも理解のあるエリアです。しかし、そのプエルトリコの競技人口ですら、たったの2人。

米国とプエルトリコ合わせて6人しかいないストロー級ファイターですが、米国の1位は現王者コラーゾでプエルトリコは元王者のウィルフレド・メンデス。6人中2人、3分の1が世界のトップファイターという倒錯の構図。

米国で見ると競技人口4人でも、世界王者1人。日韓のフィギュアスケートも真っ青の少数精鋭ワールドです。

プエルトリコの歴代で振り返っても、ストロー級はなんと6人しか挙ってきません。

それでも1位:イバン・カルデロン、2位:アレックス・サンチェス、3位:メンデス。コラーゾの名前が抜けていますが、もはやご愛嬌。コラーゾを入れると7人で、そのうち4人が世界王者。

カルデロンはアマチュア時代にミゲール・コットから勝利を収め、プロでもPFPに数えられるなどその技術は超一級品として高い評価を集めています。

ここまで来ると、逆にディープです。

コラーゾの身長157㎝/リーチ155㎝というフレームと、105ポンドがスタート階級ということを考えると、ライト級以上の人気階級に進出する未来は想像できません。

それでも、この小さなプエルトリカンは、ウィルフレド・ゴメス、ウィルフレド・ベニテス、ティト・トリニダード、カルデロン、コットというカリブのボクシング大国が輩出してきた血脈を受け継ぐ “EL PUPILO”、有力な候補と考えられています。

谷口将隆を一撃で沈めてWBOタイトルを奪ったメルビン・ジェルサレムを7ラウンドで戦意喪失させてプエルトリコ史上最短の7戦目で戴冠。

https://fushiananome.superknova.org/archives/32426921.html



初防衛戦はガレン・ディアガンを6ラウンド終了でやはり棄権に追い込みました。

かつてのボクシング大国プエルトリコは、期待はずれのホープが続き、世界王者になったスター候補もあっさり敗れるドミノに悩んでいました。

それでも今年になって、コラーゾとIBFジュニアウェルター級のKOセンセーション、スブリエル・マティアスというプエルトリコならではな魅力満点のスター候補が相次いで世界王者になりました。

プロボクシングの面白さは数え切れませんが、お国柄の多様性もその一つ。

大きな市場を抱える米国や英国、日本はもとより、どんな国でも突発的な才能が出現したり、そして旧東側のエリートアマやら、ムエタイベースのタイ、出稼ぎ根性が番狂せに直結するフィリピン、そしてメキシコとプエルトリコという大国の存在。

ボクシングの才能とスタイルにおいて、最も色気のあふれる才能を生み出し続けているプエルトリコが元気を取り戻すことは、日本にとっては脅威でしかありませんが、そんな狭量なこと言ってる場合じゃありません。

層が薄い階級ですが、銀次朗のボクシングが典型で、小さいということはアクションが激しく、見映えがするということ。

コラーゾと重岡兄弟、さらに新しいタレントも加わって、この階級がどんな盛り上がりを見せてゆくのか楽しみに応援しています。