井上尚弥が見事に4階級制覇、WBC /WBOジュニアフェザー級王者スティーブン・フルトンを8ラウンドでストップしました。

最初のダウンを奪ったのが、左ボディから右の強打。初回から繰り返していたコンビネーションでしたが 、心身ともに消耗したフルトンは反応できませんでした。

IMG_0351


その①フルトンはフェザー級で通用しない。

無敗とはいえクロスゲームが多かったフルトン。 

中盤には井上にパンチをヒットする場面も作りましたが、それは井上がフルトンのパンチを「軽い」「もらっても大丈夫」と見切ったからでしょう。スタッツで紹介した通り、超攻撃型ファイターの井上は被弾も少なくありません。

ジュニアフェザーでも「全く怖さのない」フルトンがフェザーに上がったらどうなるのか? 

勇気も見せてくれたフルトンですが、リングに残ってコメントして欲しかったです。米国のメガファイトのように、これからは契約にも盛り込むべきでしょう。 



その②タパレスは井上の敵ではない。

議論を呼ぶ判定でムロジョン・アフマダリエフを大番狂せで破ってWBA /IBFジュニアフェザー級王者となったマーロン・タパレスですが、井上にとってはオーダーメイド。

タパレスのスタッツはフルトン以上に悲惨です。攻撃力も中途半端で、防御はザル、そして逃げ足もない…。



その③今日限定では、井上のパワーはバンタムの〝それ〟ではない。

後ろ重心で防御優先のフルトン相手とはいえ、ポール・バトラーのように逃げ回ったわけではありません。スタミナも装甲も消して強いわけでないフルトンを仕留めるのに8ラウンドかかってしまいました。

パンチ力だけでなく、プレッシャーまで含めた広義のパワーで、井上はスケールダウンしているように見えました。

122ポンド初戦で判断することではありませんが。



その④ジュニアフェザー級に敵はいないが、金脈はある。

この階級には、亀田和毅、ルイス・ネリ、ジョンリール・カシメロの〝悪童三兄弟〟という興行的に美味しい、井上にとっては最高に美味しいご馳走が並んでいます。

これは、一つずつご賞味すべき。特に、和毅とネリはいつ誰に負けても不思議ではありません。

年内に完全統一、来年は〝悪童三兄弟〟のグルメツアーで良い気もしますが、井上もすでに30歳。こんなとこで道草してる場合じゃないか?



その⑤現時点ではロベイシ・ラミレスは危険極まる相手

このイベントに組み込まれたキューバの「電車」が、清水聡戦で見せた機動力とテクニック、パワー、緩急はフルトンとは次元が違います。

122ポンドを獲ったばかりで何を言い出すんだ?という話でしょうが、井上はそういう〝語り〟にあげるタレントです。

「日本で好きにできる階級じゃなくなる、マーケットがアメリカやイギリスに変わる」(村田諒太)という境目のフェザー級。

そこで、ラミレスを倒そうものなら「井上は米国では誰も知らない」(マイク・タイソン)なんて誰も言えなくなります。

ただ、ラミレスがいつまで〝境目〟に滞在するかは未知数。すれ違いになるかもしれません。



その⑥PFP1位は確実?

週末のエロール・スペンスJr.とテレンス・クロフォードのウエルター級完全統一戦。勝者が、井上vsフルトンと同等のインパクトを残せばPFP1位は混沌としますが、ぐだぐだの塩試合なら井上の1位返り咲きでしょう。

「PFPは個人的にどうでもいい」(村田)という意見はよく分かりますが、私も個人的にPFPは大好きなのです。もちろん権威があるとかそういうふうに思ってるわけではなく、お遊びとして楽しいものです。



その⑦井上尚弥は2023年Fighter Of The Yearの最右翼。

現時点ではそう言えるでしょう。

リング上で井上がタパレスに呼びかけた「年内に(完全統一戦)をやりましょう」が現実になれば、井上の勝利はほとんど確実。

ここで勝てば全米ボクシング記者協会の「シュガー・レイ・ロビンソン賞」の可能性は限りなく高くなります。

ただ、南蛮の毛党どもはクリスマス休暇を取りやがるので、大晦日に試合しちゃいけません。12月中旬までに試合をセットして下さい。



その⑧井上尚弥は慢性的に拳の不安を抱えている。

i

今回、ウィニングのグローブを左右ともしっかり振り回していた井上。

拳の故障は完治しているように思えますが、随所の発言から、フロイド・メイウェザーのように慢性的な不安は抱えているのかもしれません。

これからはウィニングで通した方が良いように思えます。