主要メディアのPFPのトップ3を「試合の面白さ」だけで再評価します。

様々なメディアの記者が集い、Fighter Of The  Yearなどの年間表彰を決める全米ボクシング記者協会(BWAA)は①テレンス・クロフォード、②井上尚弥、③オレキサンデル・ウシクの順。

やはり良心的な記者が集い、4団体時代の認定団体が好き勝手に発表するデタラメランキングを否定するTransnational Boxing Rankings Boardでは

①井上、②ウシク、③クロフォード。

世界最大のスポーツメディア(なんだけどボクシングの扱いは年々小さくなっている)ESPNのランキングは①クロフォード、②井上、③ウシク。

そして、上記3つのPFPランキングが透明性のある投票で決定されているのに対して、最後は編集長の一声で決まるリング誌は①ウシク、②井上、③クロフォード。

面白いメンツのトップ3です。

この3人の共通点は無敗であること、そして人気がないこと。

井上は、米国ではマイク・タイソンに言われるまでもなく「全くの無名」。

しかし、日本のスポーツ界では文句なしのスター選手。井上を「無名」と言うのは、藤井聡太を無名と呼ぶのと同じです。

クロフォードは人気階級だけに、ボクシングファンには名前は知られており、井上のような「知らない」というレベルではありません。

しかし、その人気の無さはウエルター級とは思えない、寒気すら覚えるレベルです。ホームのオマハのアリーナは満員にできるものの、所詮はオマハ。井上よりはずっとマシとはいえ、クロフォードの戦うリングは米国しかないのです。

そして、ウシク。人気階級のヘビー級ですが、ウクライナ人。米国での商品価値は井上と比べるとはるかに上とはいえ、単体では興行が成立しない人気の無さです。

ヘビー級という特別なクラスだけに米国や英国のトップ選手と戦うことで大きなファイトマネーが稼げるとはいえ…。

さて、独断と偏見のPFP再評価。


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まずはウシク。

【プラス➕】いまや「誰に勝ったの?」という詰問に答えなければ、特別な価値が見出せない2階級制覇ですが、ヘビー級がらみだけは特別です。

WBSSで優勝、Undisputed championになると、ヘビー級でも圧倒的不利予想を覆してアンソニー・ジョシュアに勝利、三つのベルトを奪いました。

そのテクニックは、ワシル・ロマチェンコのヘビー級バージョン。鈍重でスタミナ切れが見苦しい巨人クラスの中で異彩を放っています。


【マイナス➖】パワーの欠落したヘビー級のテクニシャン…それ即ち、面白くない。「ヘビー級」と聞いて想像する方向とは、悪い意味で逆走しているのがウシク。

ジョシュアとの2試合も、衝撃的なKOでもなければ、全盛期のロマチェンコのように相手の心を真っ二つに叩き折るような勝ち方でもありませんでした。

クルーザー級からの2階級制覇は偉業ですが「面白いか?」と聞かれたら「玄人ウケするテクニシャン」と、答えをはぐらかすしかありません。とはいえ、玄人も豪快でわかりやすいボクシングが好きだと思うのですが…。

これを言い出すと、マニー・パッキャオもフロイド・メイウェザーも問答無用の人気階級に乗り込んだ途端、面白くない試合に終始してしまうのですから、ウシクを責めるのはお門違いなんですが…。

ごめんよ、ウシク。PFPからはランクアウト。


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お次はクロフォード。

【プラス➕】ジュニアウエルター級に続いて、ウエルター級でもUndisputed champion の座を狙う俊才。

プロで花開いたクロフォードは、20年前ならもっと注目されたかもしれません。せめて、アマチュア時代にもうちょっと輝きがあれば…しかも、米国ボクシングのAfricana-Americanの時代はとっくの昔に終わった最悪のタイミング。

クロフォードを見るたびに「遅すぎた」という感慨がわいてきます。

米国ボクシングの凋落がここまで色濃くなった時代、冒険的な相手を敬遠しての見せかけの強さでは誰も振り向いてくれません。

フロイド・メイウェザーのように下劣な言動でアンチを煽るか?マニー・パッキャオのように、ビッグネーム狩りと番狂せを繰り広げるか?

クロフォードはメイウェザーにもパッキャオにもなれないまま、リングの中以外のIQの異常な低さだけを曝け出しています。


【マイナス➖】。。。。。プラスで吐き出してもうた、というかコロナ禍での低脳すぎる発言、MMAのオファーに対するノリの悪さ(やったら惨敗、誰もやれとは言ってないのにサービストークも出来ない頭の悪さ)、冒険的な試合に興味を示さない…そりゃ、人気は出ませんわ。

エロール・スペンスJr.に惨敗したら消えるでしょうが、面白さPFPには無用。ランクアウト。


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そして、我らが井上尚弥。

層が薄いのに階級が細分化されている超軽量級。貧困国のボクサーが多く、富裕国でも専業ボクサーがほとんどいない「生活が成り立たない」(ポール・バトラー)超軽量級。

しかし、ネガティブなのはそれくらい。

【プラス➕】バトルしようともしないバトラー(こいつはポール・ノンバトラーに改名すべき)を11ラウンドで力づくで倒した井上の姿は、ファン・カルロス・パヤノを沈めた鮮烈一瞬のジャブクロスよりも、ある意味で遥かに印象的でした。

「井上の試合が面白くない」という人が、もしいたら聞きたい。

「欧米で無視されている階級だから」「対戦相手の質が低すぎる」という意味以外の、面白くない理由を挙げることが出来る人は、まずいないでしょう。

BoxRecのデータを見れば一目瞭然、井上は倒すために被弾することも少なくありません。バトラー戦なんて、判定で勝とうと思えばほとんどパンチはもらわなかったでしょう。

もし、ノニト・ドネアや他のボクサーがバトラーみたいなプロ失格(自分で「バンタム級は生活できないのに、俺は大金を稼いだ」と自慢してるのですからプロじゃないと言ってるのと同じですが)のヘタレを前にしたら「ごちそうさま」とばかりに、1ミクロンの危険も犯さない判定勝利を選んだでしょう。

ドネアやゾラニ・テテが、ヘタレの帝王オマール・ナルバレスを汚物のように流したように。

井上は汚物でも刈り獲る、本物のファイターです。


【マイナス➖】欧米では全く認知されない、興味を持たれないという、一点だけ。


「試合の面白さ」PFPキングは井上で決まりです。




もちろん、「面白い」だけ基準なら、セバスチャン・フンドラやデオンティ・ワイルダーらの試合の方が 上という意見もあるでしょうが、ここでは井上ークロフォードーウシクでのお話です。