ちょうど10年前のリング誌2013年6月号の「The Alchemy of Boxing〜リングの中の錬金術」をベースに、来月25日に迫ったWBOジュニアフェザー級王者スティーブン・フルトンと、元バンタム級のUndisputed Champion 井上尚弥の激突を展望します。
現在のオッズはフルトンが5/2(7.5倍)、井上が3/10(1.3倍)で、挑戦者の日本人が3−1で明白に有利と見られています。
フルトンにとってはキャリア初のアンダードッグですが、井上にとってもここまでオッズが接近するのは初めて。
〝飛び級〟で挑戦したオマール・ナルバエス、初戦で苦戦したノニト・ドネアとの再戦でも5−1でしたから、モンスターにとってフルトンは少なくとも戦前予想ではキャリア最強の相手になります。
リング誌の特集記事「The Alchemy of Boxing」のテーマは、このスポーツで最も有名な格言「Styles make Fights」に迫る内容。
かつて、高橋ナオトは「ボクシングはジャンケン」と喝破しましたが、リング誌でも「Styles make Fights とは〝rock, paper, scissors(石と紙とハサミ)〟」と全く同じ表現を使っています。
Styles make Fights、ボクシングに三段論法は通用しない。
誰でも理解していることですが、いざ勝敗予想をすると誰もが三段論法にしがみついてしまいます。
石はハサミを破壊したから、ハサミに切り刻まれた紙などもっと簡単に破壊できるーーー。
モハメド・アリをいつも苦しめたジョー・フレイジャーは、ジョージ・フォアマンに木っ端微塵に粉砕されたから、アリはフォアマンに間違いなく殺される。
マルコ・アントニオ・バレラとエリック・モラレスを撃破したマニー・パッキャオは、ファン・マヌエル・マルケスも同じように料理するはず。
ディエゴ・コラレスとリッキー・ハットンに敗れたホセ・ルイス・カスティージョがどうしてフロイド・メイウェザーに実質勝利を収めることが出来たのか?
トーマス・ハーンズがロベルト・デュランに競り負けたアイラン・バークレーに2度も敗れた原因を、一体誰が説明できるというのか?
リング誌では、選手のタイプを「SLUGGER(打撃戦を得意とするファイター)」「PRESSURE FIGHTER(プレスをかけて相手を下がらせるファイター)」「PUNCHER(一撃必殺の強打を持つファイター)」「BOXER(リードパンチから試合を組み立てるファイター)」の4つに分けて、その組み合わせが Styles make Fights を生み出す要因の一つと考えられる、としています。

シュガー・レイ・レナードやマニー・パッキャオが対戦相手や試合の局面でパンチャーからボクサーまで、あらゆるスタイルを駆使して見せたように、選手のタイプをたった4つに類型化するのは乱暴過ぎますが、井上vsフルトンは「PUNCHER×BOXER」でハメ込んでみましょう。
この組み合わせの代表例は「ジョー・ルイスvsビリー・コン」「アリvsフォアマン」「ラリー・ホームズvsジェリー・クーニー」「ヘクター・カマチョvsエドウィン・ロサリオ」「バスター・ダグラスvsマイク・タイソン」「メイウェザーvsコラレス」「ジャーメイン・テイラーvsケリー・パブリック」など。
ボクシングは、殴り合いからスポーツに進化したが、殴り合いの原型を残すファイターが絶滅することはありません。
殴り合いのパンチャーから進化したのがボクサーですから、このマッチアップは多くの場合でボクサー有利です。
ただし、パンチャーはいつの瞬間でも試合を終わらせることができるワイルドカードを持っています。
ジョー・ルイスvsビリー・コン、デオンティ・ワイルダーvsルイス・オルティスのような試合では、ボクサーがどんなにスコアを貯めていても、一撃で全てが精算される緊張感が充満していました。
とはいえ「井上vsフルトン」は、このパターンにはならないでしょう。
まず、フルトンのボクサーとしての技術が中途半端すぎます。
直近10試合でKOは3試合だけ。世界戦は3試合しか経験していませんが、全て判定。ダウンも決定的な場面も作ることが出来ていません。この非力さから「ボクサー型」と思われがちですが、現実にはそれだけのジャブもフットワークもありません。
4年前とはいえ、38歳バージョンのパウルス・アムブンダでさえも12ラウンドを付き合ったことからも、フルトンの決定力の無さは救いようがありません。
距離を潰しにかかってくる井上を、フルトンがジャブで食い止める展開はどうしても考えられません。
もちろん、ボクシング、何が起きるかはわかりません。井上のアタックに絶妙のタイミングでラッキーパンチがヒットする可能性がゼロとは言い切れません。
ただ、井上よりもステップが弱く遅い相手にさえ、それが出来ないから、あのKO率の低さ、絶望的な決定力の無さにつながっているのです。
そして、井上の視点からは、キャリア最高のフィジカルの持ち主であるのは間違いありません。
ただ、フルトンの顎の強さはわかりません。
もし、フルトンがポール・バトラーと同じ「何しに日本に来たんだ?」(井上)という軽蔑の延命スタイルを選択したなら、ノックアウトは免れるでしょう。
ただ、そうはならないはずです。
フルトンはどこかのタイミングで勝負を仕掛けてくるはずです。ただ、非力なことへの自覚がどうやらないこと、もしグラスジョーだったら…不安材料を挙げるとキリがなく、あっけない決着もありそうです。

フルトンは「4日間で2試合のビッグファイトがラスベガスと東京で行われる」とモチベーションを上げていますが、井上が下馬評通りに終盤ストップすると、多くのメディアでPFP1位評価を受けるでしょう。
そして、4日後のエロール・スペンスvsテレンス・クロフォードの試合が鮮烈な結果になると、またしても4日天下に終わってしまいますが…。
フルトンに勝ってWBCとWBOのストラップを奪うと、Undisputed Championへは、WBA/IBF王者マーロン・タパレスを倒す1試合だけ、王手がかかります。
年内にタパレスを仕留めることが出来たら、日本人初のSugar Ray Robinson Award(Fighter Of The Year)獲得もグッと近づきます。
現在のオッズはフルトンが5/2(7.5倍)、井上が3/10(1.3倍)で、挑戦者の日本人が3−1で明白に有利と見られています。
フルトンにとってはキャリア初のアンダードッグですが、井上にとってもここまでオッズが接近するのは初めて。
〝飛び級〟で挑戦したオマール・ナルバエス、初戦で苦戦したノニト・ドネアとの再戦でも5−1でしたから、モンスターにとってフルトンは少なくとも戦前予想ではキャリア最強の相手になります。
リング誌の特集記事「The Alchemy of Boxing」のテーマは、このスポーツで最も有名な格言「Styles make Fights」に迫る内容。
かつて、高橋ナオトは「ボクシングはジャンケン」と喝破しましたが、リング誌でも「Styles make Fights とは〝rock, paper, scissors(石と紙とハサミ)〟」と全く同じ表現を使っています。
Styles make Fights、ボクシングに三段論法は通用しない。
誰でも理解していることですが、いざ勝敗予想をすると誰もが三段論法にしがみついてしまいます。
石はハサミを破壊したから、ハサミに切り刻まれた紙などもっと簡単に破壊できるーーー。
モハメド・アリをいつも苦しめたジョー・フレイジャーは、ジョージ・フォアマンに木っ端微塵に粉砕されたから、アリはフォアマンに間違いなく殺される。
マルコ・アントニオ・バレラとエリック・モラレスを撃破したマニー・パッキャオは、ファン・マヌエル・マルケスも同じように料理するはず。
ディエゴ・コラレスとリッキー・ハットンに敗れたホセ・ルイス・カスティージョがどうしてフロイド・メイウェザーに実質勝利を収めることが出来たのか?
トーマス・ハーンズがロベルト・デュランに競り負けたアイラン・バークレーに2度も敗れた原因を、一体誰が説明できるというのか?
リング誌では、選手のタイプを「SLUGGER(打撃戦を得意とするファイター)」「PRESSURE FIGHTER(プレスをかけて相手を下がらせるファイター)」「PUNCHER(一撃必殺の強打を持つファイター)」「BOXER(リードパンチから試合を組み立てるファイター)」の4つに分けて、その組み合わせが Styles make Fights を生み出す要因の一つと考えられる、としています。

シュガー・レイ・レナードやマニー・パッキャオが対戦相手や試合の局面でパンチャーからボクサーまで、あらゆるスタイルを駆使して見せたように、選手のタイプをたった4つに類型化するのは乱暴過ぎますが、井上vsフルトンは「PUNCHER×BOXER」でハメ込んでみましょう。
この組み合わせの代表例は「ジョー・ルイスvsビリー・コン」「アリvsフォアマン」「ラリー・ホームズvsジェリー・クーニー」「ヘクター・カマチョvsエドウィン・ロサリオ」「バスター・ダグラスvsマイク・タイソン」「メイウェザーvsコラレス」「ジャーメイン・テイラーvsケリー・パブリック」など。
ボクシングは、殴り合いからスポーツに進化したが、殴り合いの原型を残すファイターが絶滅することはありません。
殴り合いのパンチャーから進化したのがボクサーですから、このマッチアップは多くの場合でボクサー有利です。
ただし、パンチャーはいつの瞬間でも試合を終わらせることができるワイルドカードを持っています。
ジョー・ルイスvsビリー・コン、デオンティ・ワイルダーvsルイス・オルティスのような試合では、ボクサーがどんなにスコアを貯めていても、一撃で全てが精算される緊張感が充満していました。
とはいえ「井上vsフルトン」は、このパターンにはならないでしょう。
まず、フルトンのボクサーとしての技術が中途半端すぎます。
直近10試合でKOは3試合だけ。世界戦は3試合しか経験していませんが、全て判定。ダウンも決定的な場面も作ることが出来ていません。この非力さから「ボクサー型」と思われがちですが、現実にはそれだけのジャブもフットワークもありません。
4年前とはいえ、38歳バージョンのパウルス・アムブンダでさえも12ラウンドを付き合ったことからも、フルトンの決定力の無さは救いようがありません。
距離を潰しにかかってくる井上を、フルトンがジャブで食い止める展開はどうしても考えられません。
もちろん、ボクシング、何が起きるかはわかりません。井上のアタックに絶妙のタイミングでラッキーパンチがヒットする可能性がゼロとは言い切れません。
ただ、井上よりもステップが弱く遅い相手にさえ、それが出来ないから、あのKO率の低さ、絶望的な決定力の無さにつながっているのです。
そして、井上の視点からは、キャリア最高のフィジカルの持ち主であるのは間違いありません。
ただ、フルトンの顎の強さはわかりません。
もし、フルトンがポール・バトラーと同じ「何しに日本に来たんだ?」(井上)という軽蔑の延命スタイルを選択したなら、ノックアウトは免れるでしょう。
ただ、そうはならないはずです。
フルトンはどこかのタイミングで勝負を仕掛けてくるはずです。ただ、非力なことへの自覚がどうやらないこと、もしグラスジョーだったら…不安材料を挙げるとキリがなく、あっけない決着もありそうです。

フルトンは「4日間で2試合のビッグファイトがラスベガスと東京で行われる」とモチベーションを上げていますが、井上が下馬評通りに終盤ストップすると、多くのメディアでPFP1位評価を受けるでしょう。
そして、4日後のエロール・スペンスvsテレンス・クロフォードの試合が鮮烈な結果になると、またしても4日天下に終わってしまいますが…。
フルトンに勝ってWBCとWBOのストラップを奪うと、Undisputed Championへは、WBA/IBF王者マーロン・タパレスを倒す1試合だけ、王手がかかります。
年内にタパレスを仕留めることが出来たら、日本人初のSugar Ray Robinson Award(Fighter Of The Year)獲得もグッと近づきます。
コメント
コメント一覧 (3)
井上も64kgじゃいけてフェザーですかね
畑山がSフェザー時代普段の体重が72kgあったと言ってました
ライトまで行くとガーボンタデービスなんか80kg以上あると
あの身長で80kgて普通にデブですね
フシ穴の眼
が
しました
フルトンはジョシュア・グリーにフラッシュダウンを喫したりフィゲロアやアダム・ロペスに効かされたりしているので顎は強くないはずです。彼らはパンチャーではないしフルトンがパンチャーと戦ったことは過去1度もありません。
オッズが接近している根拠は井上が転級初戦ということと井上とほぼ同じ体格のダニエル・ローマンを完封したことでしょうね。
海外では軽量版カネロvsビボルになるとする向きも一部ありますが適切な比較ではないと感じます。
スタッツを見てもフルトンにビボルほどのディフェンス能力はないどころか下から数えたほうが早い被弾率です。
フルトンは長いリーチのアウトボクサーというスタイルのせいでディフェンス能力を過大評価されていて、逆にインファイトスキルは過小評価されていると感じます。
同じ黒人ボクサーでもヘイニーのようなディフェンス力と距離管理能力はありません。格下相手にも簡単に中に入られて被弾することもしばしば。バックステップが早くないのとストッピングパワーがないのが原因と分析しています。
逆にインファイトに徹したときは妙に巧かったりします。フィゲロア相手に足を止めて打ち勝ったように超接近戦でも意外とクリーンに貰わないんですよね。クリンチワークも巧みです。
フルトンとしてはローマン戦のように遠距離で戦おうとすると地獄を見ると思います。ローマンとはステップイン速度が違いすぎます。井上はドネア戦モロニー戦を見ていてもくっついたときのほうが嫌がっていましたし、フルトンのスキルからいっても望みがあるとすればインファイトでしょう。
ただインファイトにしても井上はフィゲロアよりパンチスピードが遥かに早いためどこかで捕まるでしょう。
苦戦はあり得ても井上の負けはないと見ます。
フシ穴の眼
が
しました