プロボクシングの世界はいつだって魑魅魍魎。

どうして正式発表しないのか、その理由がハッキリしない試合がよくあります。

報酬の取り分やドーピング検査の内容、当日計量のリバウンド幅や、1ヶ月前計量の取り決め、再戦での報酬の取り分、使用するグローブ、入場順…。

「大筋合意」と伝えられた試合が流れるのはもちろん「契約成立」と報じられたのに消滅した試合も、魑魅魍魎の世界ではよくある話です。



まずは、私たちが最も関心のある「スティーブン・フルトンvs井上尚弥」。

ジュニアフェザー級のWBOとWBCのストラップを持つフルトンに、バンタム級で完全統一を果たした井上が挑む一戦です。

オッズはフルトン勝利が1/2(3倍)、井上が2/5(1.4倍)と、4階級制覇を狙うモンスターが明白に有利と見られています。

「5月30日に東京」という報道が先行、両者は既に戦闘モードでやる気満々というのに、正式発表だけが遅れています。




続いて「ガーボンタ・デービスvsライアン・ガルシア」。

カネロ・アルバレスとヘビー級のトップファイターを除くと、最も大きな興行規模が約束されているメガファイトです。

タンク・デービスが2/5(1.4倍)、キング・ライは 13/5(3.6倍)。

こちらは「4月16日、ラスベガス」と具体的に発表されましたが、正式発表には至っていません。

毎年事件を起こして逮捕されるルーティンを持つタンク。

昨年末も暴行罪で収監され、別の轢き逃げ事件の容疑もかけられるなど、引き続きボクサーとしてだけでなく人としても道を踏み外し、このメガファイト実現の障害になっています。

しかし、正式発表が遅れているのは、どうもそれだけではなさそうなのが、魑魅魍魎の世界の魑魅魍魎たる所以です。




最後は「エロール・スペンスJr.vsキース・サーマン」のウェルター級の新旧エース対決。

日本贔屓で、何よりもマニー・パッキャオの最後の輝きに付き合ってくれたサーマンに個人的な思い入れがあります。

スペンスが1/7(1.14倍)、サーマンが 9/2(5.5倍)。

パッキャオに負けたサーマン。パッキャオに勝ったヨルデニウス・ウガスをTKOに仕留めたスペンス。

大方の予想はもちろんスペンス有利ですが、「サーマンがかつてのコンディションに戻っていたら、スペンスにとって簡単な試合にはならない」(アベル・サンチェス)という意見も散見されます。

パッキャオマニアの私の目からは「パッキャオと戦えたサーマン」と「パッキャオと戦いそこねたスペンス」の激突です。

がんばれ!サーマン!…ってこの試合も正式発表はまだでした。