俺にもゴールデンエイジというものがあったとするなら、それが脳みそ的なゴールデンエイジなら、高校時代であったに違いない。

漫画や雑誌も含めると1000冊を超える本を読み、150本以上の映画を観たはずで、授業に出ずに引きこもっていたとはいえ、野球と陸上をやりながら、よくもそんなエネルギーがあったなと我ながら感心してしまう。

仕事関係を除くと、今では月に一冊の本も読めず、一本の映画も観ない、そんなことも当たり前になってしまったというのに。

時間がないと思い込んでいるけど、そうじゃない。

気力がないのだ。

雑誌や新聞は読むけれど、必ずしっかり精読してきたリング誌は廃刊、高校時代から続いてきた唯一の習慣だったリング誌とのお付き合いもついにおしまい。

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年末年始の大阪行きで何冊かの書籍を持ってきた。

「天路の旅人」(沢木耕太郎)もその一冊。

実在した西川一三という人物の途轍もない旅行記だ。

マジか…というような話の連続。

20年ほど前、東南アジアへ3ヶ月の短期赴任したとき、バリのゴルフ場でキャディが頭の上にビニール袋に入ったジュースのようなモノを乗せているのに興味を示した私は周囲の制止を無視して一袋、いただいた。

頭の体温と直射日光を浴びて「ぬる燗」状態でしたが、濃厚なマンゴー100%ジュースだった。

シャワーの水で腹を壊すやつも普通にいる東南アジアだったが、雑菌のような生き方をしてきた私は腹の強さに圧倒的な自信があった。

「天路の旅人」は、そんな私でも「これは無理」というような話の連続。

ただ、そこに出てくる白酒(バイジュウ)は妙に美味しそうで、ソソられた。

白酒は無色透明の蒸留酒。茶色がかった紹興酒は黄酒(ホワンチュウと呼ばれる醸造酒。

日本では中国の酒=紹興酒だが、中国では白酒の方がポピュラーで、日本のガチ中華ブームで少しずつ飲まれるようになってきた。

中国でポピュラー。そうです、つまりは白酒こそが世界で最も飲まれている酒。

原料は高粱やトウモロコシ。蒸留のやり方次第でアルコール度数は70度近くになるらしい。

日本ではウイスキーでも焼酎でもなくスピリッツに分類される。

それまで、全く飲む気がなかった白酒だが、俺はこういう物語から入ってくるのが滅法弱いのだ。

というわけで、白酒を飲む。

ツマミは「天路の旅人」にならって、羊の干し肉とかが良いのだが、見つかりそうもない。

ビーフジャーキーとか、かな。

一週間近い大阪ホテル暮らしも今日限り。ホテルのスタッフの方々にはお騒がせやら、お世話になったりやら、奇妙な連帯感を醸成…。

明日は大阪支社に寄ってから、横浜のおうちへ帰る。