団体分裂後の「統一王者」を振り返ってみます。
ここで鉤括弧を付けたのは「団体分裂後でもWBCが対立王者を擁立しない時期に統一王者になったケース」は除外して「自分の意思で統一王者になった」ファイターだけを取り上げます。
とりあえずは「団体分裂後でもWBCが対立王者を擁立しない時期に統一王者になった」ファイターをおさらい。
WBCがWBAから完全に独立したのが「1968年」という年が一つの区切りになります。
①[ジュニアウェルター級]藤猛(1967年)。WBCは初防衛戦で自らランキングする1位選手ペドロ・アディグとの対戦に応じなかったという理由で、タイトル剥奪。翌1968年にWBC初代王者決定戦を開催。
②[ジュニアライト級]AC分裂直前にタイトルを獲得した沼田義明(1967年)に、日本人対決で勝利した小林弘(1968年)でしたが、WBCの指名挑戦者レネ・バリエントスとの対戦を拒否したため、王座を剥奪されてしまいます。
③[ジュニアミドル級]輪島功一(1971〜1974年/1975年)。WBCがジュニアミドル級で初代王者決定戦を行ったのは1975年。この年の1月にオスカー・アルバラードからタイトル奪回に成功した輪島でしたが、WBCは一旦承認した輪島の王座を剥奪、王者決定戦をセットします。
藤猛と小林、輪島の3人はUndisputed Champion(完全統一王者)でしたが、対立王者が誕生する前段階の時期に、二つの団体から世界王者と認定されていたため「自分の意思で統一王者になった」わけではありません。
その意味では白井義男やファイティング原田のように「世界王者は世界に1人だけしかいない」という当たり前の常識を受け入れて拳を振るっていたファイターといえます。
④[ジュニアバンタム級]渡辺二郎。「世界王者が2人いるのはおかしい」とWBC王者パヤオ・プーンタラトを破って団体統一(1984年)したのが渡辺でした。
渡辺がパヤオに勝った前年1983年にIBFがWBAから分離独立、すでにラリー・ホームズが初代王者に認定されていました。
ジュニアバンタム級でも韓国の全周都が日本の春日井健を倒して初代王者に就いていましたが、ヘビー級のような看板クラスとは違い、そのレベルにはいくつも疑問符が付くものでした。
韓国ボクサーが王者に名前を並べるIBFは、世界的にも主要団体とは認められていない時期です。
渡辺も含めて、この4人をUndisputed Champion(完全統一王者)と考えることに何も差し支えはありません。そして「自分の意思で統一王者になった」という一点では渡辺が史上初めての統一王者と言えるでしょう。
IBFとWBOが主要団体として、認められる時代になると完全統一ではないものの「自分の意思で統一王者」になろうとする動きが出てきます。
⑤[ストロー級]WBC王者の井岡一翔がWBA王者の八重樫東との統一戦に勝利(2012年)。JBCがIBFとWBOを認めるのは翌2013年のことで、当時は〝これ以上先〟はありませんでした。
⑥[フライ級]WBA王者の田口良一がIBF王者ミラン・メリンドを下して団体統一、リング誌王者にも認定されました(2017年)。
⑦[ジュニアフライ級]WBC王者・寺地拳四朗がリング誌/WBA王者・京口紘人を圧倒(2022年)。
⑧[バンタム級]井上尚弥がIBF(エマヌエル・ロドリゲス)、WBA(ノニト・ドネア)、WBC(ドネア)の順に圧倒的な内容で対立王者を攻め落として3団体のベルトを収集(2022年)。
井岡と田口、寺地、井上はUnified Champion(団体統一王者)ですが、井上は2日後にポール・バトラーを大方の予想通りに粉砕すると、4Belt -Eraで日本初だけでなく、渡辺以来38年ぶりのUndisputed Champion(完全統一王者)の座に就くことになります。
「自分の意思で完全統一した」という点でも、渡辺以来の大快挙。
何よりもその統一のファッションが破壊的すぎます。
強豪王者が安易な複数階級制覇に走り、絶対王者が長期政権を築くことが珍しくなってしまった4Belt -Eraでは、レベルの下落で空洞化するクラスも散見されます。
井上のバンタム級や、カネロ・アルバレスが放擲したミドル級などは、そんなタレント不足の階級です。
そして、人気クラスのミドル級ならまだしも、そもそも世界的に層が薄く、欧米など日本以外の先進国で興味が持たれない軽量級では「井上が強いのは認めるが、周りの弱さがそれを際立たせている」という側面も否定できません。
ESPNがバンタム級10傑に数えない「穴王者を通り越した雑魚王者」のバトラーでは、井上がどう料理するのかしか興味はわきません。
ジョンリール・カシメロとの試合では10倍の掛け率が付けられ、ジョナス・スルタンとの王者決定戦でもアンダードッグ、誰と戦っても負けフラグが立つ恐るべき世界王者、それがバトラーです。
井上とカシメロの対バトラーのオッズが近似していることを考えても、「井上vsカシメロ」は火力勝負というとんでもなく面白い戦いになったはずですが…。
井上の強さが「周りの弱さ」ではなく、「本物の強さ」と映る日がジュニアフェザー級なら訪れるのでしょうか?
井上の現在地と未来予想図を、識者の目から探っていきます。
ここで鉤括弧を付けたのは「団体分裂後でもWBCが対立王者を擁立しない時期に統一王者になったケース」は除外して「自分の意思で統一王者になった」ファイターだけを取り上げます。
とりあえずは「団体分裂後でもWBCが対立王者を擁立しない時期に統一王者になった」ファイターをおさらい。
WBCがWBAから完全に独立したのが「1968年」という年が一つの区切りになります。
①[ジュニアウェルター級]藤猛(1967年)。WBCは初防衛戦で自らランキングする1位選手ペドロ・アディグとの対戦に応じなかったという理由で、タイトル剥奪。翌1968年にWBC初代王者決定戦を開催。
②[ジュニアライト級]AC分裂直前にタイトルを獲得した沼田義明(1967年)に、日本人対決で勝利した小林弘(1968年)でしたが、WBCの指名挑戦者レネ・バリエントスとの対戦を拒否したため、王座を剥奪されてしまいます。
③[ジュニアミドル級]輪島功一(1971〜1974年/1975年)。WBCがジュニアミドル級で初代王者決定戦を行ったのは1975年。この年の1月にオスカー・アルバラードからタイトル奪回に成功した輪島でしたが、WBCは一旦承認した輪島の王座を剥奪、王者決定戦をセットします。
藤猛と小林、輪島の3人はUndisputed Champion(完全統一王者)でしたが、対立王者が誕生する前段階の時期に、二つの団体から世界王者と認定されていたため「自分の意思で統一王者になった」わけではありません。
その意味では白井義男やファイティング原田のように「世界王者は世界に1人だけしかいない」という当たり前の常識を受け入れて拳を振るっていたファイターといえます。
④[ジュニアバンタム級]渡辺二郎。「世界王者が2人いるのはおかしい」とWBC王者パヤオ・プーンタラトを破って団体統一(1984年)したのが渡辺でした。
渡辺がパヤオに勝った前年1983年にIBFがWBAから分離独立、すでにラリー・ホームズが初代王者に認定されていました。
ジュニアバンタム級でも韓国の全周都が日本の春日井健を倒して初代王者に就いていましたが、ヘビー級のような看板クラスとは違い、そのレベルにはいくつも疑問符が付くものでした。
韓国ボクサーが王者に名前を並べるIBFは、世界的にも主要団体とは認められていない時期です。
渡辺も含めて、この4人をUndisputed Champion(完全統一王者)と考えることに何も差し支えはありません。そして「自分の意思で統一王者になった」という一点では渡辺が史上初めての統一王者と言えるでしょう。
IBFとWBOが主要団体として、認められる時代になると完全統一ではないものの「自分の意思で統一王者」になろうとする動きが出てきます。
⑤[ストロー級]WBC王者の井岡一翔がWBA王者の八重樫東との統一戦に勝利(2012年)。JBCがIBFとWBOを認めるのは翌2013年のことで、当時は〝これ以上先〟はありませんでした。
⑥[フライ級]WBA王者の田口良一がIBF王者ミラン・メリンドを下して団体統一、リング誌王者にも認定されました(2017年)。
⑦[ジュニアフライ級]WBC王者・寺地拳四朗がリング誌/WBA王者・京口紘人を圧倒(2022年)。
⑧[バンタム級]井上尚弥がIBF(エマヌエル・ロドリゲス)、WBA(ノニト・ドネア)、WBC(ドネア)の順に圧倒的な内容で対立王者を攻め落として3団体のベルトを収集(2022年)。
井岡と田口、寺地、井上はUnified Champion(団体統一王者)ですが、井上は2日後にポール・バトラーを大方の予想通りに粉砕すると、4Belt -Eraで日本初だけでなく、渡辺以来38年ぶりのUndisputed Champion(完全統一王者)の座に就くことになります。
「自分の意思で完全統一した」という点でも、渡辺以来の大快挙。
何よりもその統一のファッションが破壊的すぎます。
強豪王者が安易な複数階級制覇に走り、絶対王者が長期政権を築くことが珍しくなってしまった4Belt -Eraでは、レベルの下落で空洞化するクラスも散見されます。
井上のバンタム級や、カネロ・アルバレスが放擲したミドル級などは、そんなタレント不足の階級です。
そして、人気クラスのミドル級ならまだしも、そもそも世界的に層が薄く、欧米など日本以外の先進国で興味が持たれない軽量級では「井上が強いのは認めるが、周りの弱さがそれを際立たせている」という側面も否定できません。
ESPNがバンタム級10傑に数えない「穴王者を通り越した雑魚王者」のバトラーでは、井上がどう料理するのかしか興味はわきません。
ジョンリール・カシメロとの試合では10倍の掛け率が付けられ、ジョナス・スルタンとの王者決定戦でもアンダードッグ、誰と戦っても負けフラグが立つ恐るべき世界王者、それがバトラーです。
井上とカシメロの対バトラーのオッズが近似していることを考えても、「井上vsカシメロ」は火力勝負というとんでもなく面白い戦いになったはずですが…。
井上の強さが「周りの弱さ」ではなく、「本物の強さ」と映る日がジュニアフェザー級なら訪れるのでしょうか?
井上の現在地と未来予想図を、識者の目から探っていきます。


コメント
コメント一覧 (3)
それは違います。
当時のWBA1位はエウセビオ•エスピナルです。 剥奪の口実もエスピナルとの指名戦を優先しないから、でした。 因みにカオサイは当時WBA2位で、その後のエスピナルとの決定戦に勝利しました。
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました
ありがとうございます。
井上が完全統一してもなんか快挙とは素直に感じにくい
つよいとはおもいますが、選手の層があつくないのか?
バンタム級の層の暑さは、てこんなんだっけ?
みたいです。
現在の粒ぞろいのクラスは、スーパーフライ級か、
スーパーバンタム級?。
井上が、スーパーフライ級の王者を迎え撃つことはないとおもいますが、みてみたかったです。
ケンシロウと京口はどちらから統一戦を
望んだのでしょう?
伝統のフライ級を統一してもそれで終わった感じです。
エキサイティングの試合だけあって残念。
渡辺と井上の統一戦の違いは
リスクの大きさと会長スタッフたちの
冒険心のちがいなんでしょうか?
フシ穴の眼
が
しました