昨年、日本人としてイチロー以来二人目のMVPを獲得した大谷翔平。

優勝チームに大きく貢献したわけでもなく、大きなタイトルを取ったわけでもないのに文句無しで受賞しました。

「9勝投手が46本塁打を放ってホームランキングを争った」というUnprecedented=空前絶後のパフォーマンスが評価されたのでした。

この「空前絶後性」は今年も健在で、この方向では誰も大谷を追随することは出来ていません。

さて、今日現在の本塁打と防御率争いです。

順位選手名チーム名本塁打
1ジャッジヤンキース46
2アルバレスアストロズ31
3バクストンツインズ28
4リゾヤンキース27
5大谷翔平エンゼルス26



順位選手名チーム名防御率
1バーランダーアストロズ1.95
2シースWソックス2.09
3マクラナハンレイズ2.28
4大谷翔平エンゼルス2.69
5マノアブルージェイズ2.71



20年前の野球ファンに、この成績表を見せると10人が10人「大谷翔平って選手は打者なのか、投手なのか?間違って二つの成績表にプリントされている」としか思わないでしょう。

「二刀流の日本人選手が出現して大活躍している」と思う人は、誰一人いないはずです。

誰一人対抗することのできない「空前絶後」の二刀流を振り回す大谷は、今年もMVP確実です。だって、とにかく空前絶後なんだから…。

ところが、多くのメディアが大谷のライバルとしてアーロン・ジャッジの存在を挙げ出してます。

ニューヨーク・ヤンキースの主砲が叩き出している現在の成績は打率2割9分7厘、本塁打46、打点100。大谷の2割5分9厘、26本塁打、68打点を大きく上回っています。

ちなみにジャッジは12盗塁(失敗1)で、足でも大谷=11盗塁(失敗8)=よりも優れた成績を残しています。

さらにヤンキースはア・リーグ東地区で2位に9ゲーム差をつける独走。エンジェルスは西地区4位で首位から23.5ゲームも引き離され、ポストシーズン進出は絶望的。

ただ、大谷の評価にはこの打撃成績に10勝7敗、防御率2.69の投手成績がプラスオンされるから厄介です。

こんな離れ業は、現在の地球上はもちろん、歴史上でもこの28歳の日本人にしか出来ません。

今年も「空前絶後」が選考の尺度に適用されるなら、MVPは大谷で決まりです。

ジャッジがこのままのペースで打って、本塁打王を獲ると65本。65本塁打は最近でこそ耳にしない数字ですが、空前絶後ではありません。

しかし、米国メディアの中には「65本を打てば事実上のunprecedented だ」というのです。

シーズン最多本塁打はバリー・ボンズの73本。これに続くのが1998年のマーク・マグワイアの70本と、サミー・ソーサの66本。その後もマグワイアは1度、ソーサは2度60本以上の本塁打をマークしています。

しかし、この3人の本塁打は薬物によって作られたcheat(卑劣)な記録で、正しい記録は1961年のロジャー・マリスが打った61本であり、60本以上本塁打を放ったのは1927年のベーブ・ルース(60本)とマリスの2人だけ。

30歳のニューヨーカーがこのままのペースで60本に近づくと、米国中がルースとマリスの大記録を呼び覚ましながらフィーバーするのは間違いありません。

「正真正銘の空前絶後」と「事実上の空前絶後」の対決。

今年のMVP争いが早くも注目を集めています。