プロボクシングは残酷なスポーツです。

それは、リングの中だけの話ではありません。

リング誌、WBA、WBC、IBF、WBO…どのチャンピオンベルトも階級によって変わりません。ヘビー級やウェルター級は貴金属と宝石で作られていて、フライ級やバンタム級は折り紙なんてことはありません。

しかし、ライト級以下の軽量級の試合がラスベガスやニューヨークの大会場でメインイベントを務めることはまずありません。それが、ジュニアフェザー級以下の超軽量級となると滅多にお目にかかれません。

超軽量級ではカネロ・アルバレスのようなPPVイベントでメインを張ったことも歴史上、一度もありません。ライト級まで視野を広げても、1000万ドル単位の報酬を手にすることも、ありえません。
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ライト級以下で史上最高報酬を手にしたのは、2001年4月7日にマルコ・アントニオ・バレラと対戦したナジーム・ハメド 。HBOが手がけたPPVで31万件をセールス、850万ドルを手に入れました。

この数字が軽量級史上飛び抜けて最高のファイトマネーです。

31万件は素晴らしい数字ですが、850万ドルはもらい過ぎにも思えます。

しかし、ハメドは米国デビューに際してイエメン王朝だけでなんと5000万ドル、他の中東諸国も莫大な放映権料をHBOに支払うなど、特殊事情がありました。

MGMグランドの小さな会議室が会場ながら100万ドルを稼いだという井上尚弥も、ハメドと同じような特殊事情を抱える、恵まれた〝貴族ボクサー〟です。 

やってることはマッチポンプです。 

当時、中東に舞台を築くことが難しかったハメドに対して、井上の場合は日本でやる方がはるかに大きな商売になり、ラスベガスは持ち出しばかりが増えるため、馬鹿らしくなって出戻ってきました。 

しかし…フロイド・メイウェザーには中東オイルマネーや、日本のスポンサーからの支援などあるわけもなく、実力だけでノシ上がるしか道はありませんでした。