私にとって今年のボクシング、最大のトピックスはマニー・パッキャオの引退でした。

来年の大統領選に敗れて再びリングに戻って来るーーその可能性は小さくありません。

しかし。

これまでも何度か引退を口にしながら、リングにしがみついてきた伝説ですが、これまでと今回は全く違います。

これまでの〝引退〟には、期待の火を灯すことが出来ました。

エロール・スペンスJr.やテレンス・クロフォードにも勝てると、真剣に思っていました。

年齢的なものだけでなく、大統領選に真剣に挑むパッキャオに、リングに対するかつての動機付けはありません。

ボクシングの神様にパッキャオほど愛されたファイターを、他に知りません。

そして、世界中のボクシングファンからも、これほど愛されたファイターも知りません。

フロイド・メイウェザーのような下劣さを訴求する反動としての興味関心ではなく「こいつ、絶対負ける」と断言された試合を、豪快に勝ち抜いた姿に誰もが惹きつけられたからです。

野球やサッカーなどの球遊びでは狡猾さも賞賛されますが、リングの中で最も賞賛されるのは勇気です。それを教えてくれたのもパッキャオでした。
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オスカー・デラホーヤを大番狂わせのTKOで粉砕したとき「アジア人がついに米国の牙城を崩した」「パッキャオはゴールテープを切った」と感激しました。

世界中のボクシングメディアが今年の重大ニュースに「パッキャオ引退」をラインナップしているのは当然です。

しかし、多くのメディアが今年を「ジェイク・ポールの年」だったと位置づけています。

まともな神経を持っていたなら、あれがボクシングであるとは考えません。

茶番劇にも程があります。

ESPNなどはあれを大々的に報じて、井上尚弥の試合を一行も書かない…。正気か?

幸い日本では。あれには誰も関心を寄せていない、ボクシングマガジンやビートも色もの扱いしかしていない、ことにはホッとしています。