お金(マネー)の話。

大きなお金が動く試合、莫大な金額の契約を勝ち取ったスター選手…フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、カネロ・アルバレス、アンソニー・ジョシュア、タイソン・フューリー…。

ほんの一握りのファイターが手にする報酬は、メジャースポーツにも引けを取りません。

1970年代まで、日本のスポーツ観戦はオッさんの縄張りでした。それは1950年代の米国も変わりません。

小学生の頃。普段、スポーツを見ない母親が「具志堅(用高)は偉いなぁ」と呟いたことを今でも覚えています。

そんな、時代ですら「ボクシングは人気がないから」という理由で、具志堅の国民栄誉賞が見送られたのです。

ボクシング全盛期、1960年代を、私も知りません。しかし、その当時のヒーロー、ファイティング原田が、日本はもちろん世界的にも傑出した存在であったことは、私にでもわかります。

全米ボクシング記者協会やリング誌が、辰吉丈一郎や長谷川穂積、井上尚弥ら日本のボクシングファンがその実力に耽溺する才能が出現しても「日本最高」はファイティング原田のまま、書き換えられないことに違和感を覚えるひとも多いでしょう。

「原田」をリアルタイムに知らない私も、その1人です。

百田尚樹の「黄金のバンタムを破った男」で「PFP1位のエデル・ジョフレに勝てるわけがない」と諦観するファンの描写がありますが、当時PFPなんて一般的ではなかったはずです。もちろん、あの作品は小説ですから、そのことをとやかく言うのは野暮である以前に、間違っていますが…。

それでも、きっと後世のボクシングファンも原田を最高と記憶していくのでしょう。原田を凌ぐようなスペクタクルを見せない限り。
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1960年代、黄金時代のど真ん中。ボクサーの報酬も半端じゃありませんでした。

スポーツイラストレイテッド誌が「少ない時でも5万ドル以上(当時のレート=1ドル360円=で1800万円)」と報じられていたのは、衝撃的です。当時の1800万円って、今なら2億円はくだりません。しかも、1試合の報酬です。当時は年間何試合もこなしています。

それを想像すると、現代のファイターが、井上ですら可哀想になります。

もし、60年代にフォーブスのアスリート長者番付があったら、1位がモハメド・アリで2位が原田だったでしょう。

この情報化社会の現代で、井上尚弥の報酬はネバダ州アスレティックコミッションからは公表されず、大橋秀行会長の口頭で「100万ドル」といつもキレの良い数字で「このまま防衛を重ねれば天文学的数字」と、一方的にパンチドランカー発言しているのとは真逆です。

観客動員も日常化した米国で試合をする方が天文学的報酬を得られるはずなのに、どうして12月の防衛戦も4月の団体統一戦も日本開催なのでしょうか?

ラスベガスでやれば、天文学的数字が稼げるのに、大橋会長はどうしちゃったんでしょうか?

150年に1人の天才だけに、常人では何を考えているのか及びようもないということでしょう。

素晴らしい才能に、嘘は必要ありません。

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そして、この1週間で景気の悪いお話が続きました。

WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロが、ポール・バトラーとの指名試合が競争入札で、約1170万円で落札されました。

「バンタム級の入札」というと、ドン・キングまで参戦した「辰吉vs薬師寺」が世界的に有名ですが、悲しかな、25年以上前の1/30にも満たない金額です。

この1170万円から両者が報酬を分け合うわけです。王者7、挑戦者3としてもカシメロの取り分は819万円、バトラーは351万円…。

カシメロは実力もキャラクラーも十分です。ただ、軽量級に関心が低い米国を主戦場とするしかなく、異邦人にとっては厳しい環境です。

日本で井上戦なら、上手にプロモートできると、世界が驚いた「埼玉のドネア」を上回る大興行になるはずです。

そして、WBOストロー級王者ウィルフレド・メンデスと谷口正隆のタイトルマッチも入札になってしまいました。

事前入札は8万ドルを最低金額に設定、メールや郵便などあらゆる門戸を開放して募集したにもかかわらず、誰も手を挙げないという異常事態。


WBOが異例の仕切り直し案を提示、最低落札額4万ドルからやり直すことになりました。

これ、10月17日に結果が出てるはずですが、なんでしょうか、悲しい、悲しくて結果、見てません。

日本は「ワタナベジム&ジョー・小泉」のケチケチ連合、向こうはプエルト・リコ…。悲惨な数字しか想像できません。

ストロー級。バンタム級どころじゃない、貧困階級です。
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ボクサーのファイトマネー、その源泉がどこにあるのか、おさらいしてみます。

井上やナジーム・ハメドのような富裕国をバックボーンにして、米国に放映権料などを奉納するケースを例外とすると、その仕組みは厳しいシステムです。 

実力と人気。いいえ、人気が最優先の世界です。その一方で、カネが人気を駆逐します。

米国で全く興味を持たれていない井上がしょぼい無観客会場で試合しても100万ドル。同じトップランクで井上を人気で遥かに凌駕するテオフィモ・ロペスを、ボブ・アラムは「誰が対戦相手でも100万ドルの価値を持つようなスターじゃない」と公言。

「井上は日本で天文学的でもなんでも勝手にして。うちが払えるのは限られている」 。「テオフィモの報酬はうちの持ち出しだから、勝手にはできない」。

そういうことです。大橋会長は、おそらくトップランクやラスベガスに舐められるのを屈辱と感じないタイプの心の広い方なんでしょう。

ESPNの記事でも、一介のファンですら「舐めるな」と怒りに震えることが何度かありました。

「井上尚弥」と、「大坂なおみ」「大谷翔平」は全く違うアスリートです。下手しなくてもバドミントンや卓球選手の方が健全な形でより多くの報酬を受け取ってるでしょう。

井上は、日本国内で試合をして最も大きな報酬と注目が得られるという点で「稀勢の里」や、外国人ですが「白鵬」に近い存在です。

日本でメガファイトを繰り返して、大相撲のように、軽量級の面白さを世界に発信しながら、ラスベガス公演を披露する。それしかない、と思います。

西岡利晃や井上尚弥のような〝憧れ料支払い〟は、個人的にはもう唾棄レベルです。

仕事関係でも、欧米に無条件で憧れて擦り寄る、80年代以前に代表される日本人とは、一緒に仕事とかしたくないし、してきませんでした。

もう馬鹿なことはやめるべき、井上信者がどんなに低脳でもそろそろ気づき出しています。

井上の大勝負、アフマダリエフやフルトンとの決戦は、米国でやっても商業的には矮小な規模にしかなりません。

東京や横浜の大会場でやってほしいです。

世界的には大失敗で、不誠実な運営で非難・軽蔑されたWBSSでも「さいたまスーパーアリーナ」は、欧米は「バンタム級メインで2万人以上の集客、客単価は100ドル以上」という事実を「シューリアル(ありえない・信じられない)」と驚愕しました。

もっと、驚かせてやりましょう!

世界の軽量級ファイターが希望の炎を燃え咲かせるような、ラスベガスやニューヨークではありえない軽量級のメガファイトを日本でやってやりましょう。