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リング誌/IBF/WBAバンタム級チャンピオン井上尚弥vsマイケル・ダスマリナス。

試合2日前のオッズも井上1/16(1.63倍)に対して、ダスマリナス8倍のまま。

一方的なオッズや専門家予想だけでなく、井上と同い年28歳のフィリピン人がまともなメディアからは世界ランカーと認められていないことも勝敗への緊張感を希薄にしてしまっています。

一世一代の大勝負に挑むホット&スパイシーは世界基準での試合経験はないものの、山中慎介をはじめ世界王者とのスパーリング経験は豊富です。

バッティング投手が、大谷翔平と一発被弾したら終わりの12打席勝負するようなものです。
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今年起きた番狂わせでよく似たケースは、2月のジョシュ・ウォリントン(1/14=1.07倍)vsマウリシオ・ララ(8倍)がありました。

ララも戦績は綺麗でも、世界基準での経験がゼロ、まともなメディアから世界ランカーの実力があるとは認められていませんでしたが…。

最近起きた歴史的な大番狂わせでは、2019年6月のアンソニー・ジョシュア(1.05倍)vsアンディ・ルイスJr.(10倍)が挙げられます。

無敗のPFPファイターに代打で挑むルイスもダスマリナスと同じく、世界10傑に数えられる実力が無い、何ラウンドでKOされるか?と見られていました。

「ララはチャンスがなかっただけで、ハングリーな叩き上げのメキシカン」。

「ルイスJr.は世界王者ジョゼフ・パーカーに善戦、ハンドスピードが世界トップレベル、懐に入られたら勝ち目はない」。

英国ボクシングニューズ誌もジョシュアとウォリントンが沈められてから「圧倒的な勝利を求められる舞台で選ぶ相手じゃない」と後出し。



番狂わせは、奇跡ではありません。


私たちの目が事実を映し出せないから、起きるのです。

ジョージ・フォアマンのパンチをガードの上から食らっただけでもモハメド・アリは倒れる。

トーマス・ハーンズは打たれ強いコブラ。

フライ級上がりのマニー・パッキャオがミドル級も制したオスカー・デラホーヤに勝てる道理がない。

バスター・ダグラスはハートが弱い。マイク・タイソンの威嚇に縮み上がって勝負にならない。


…今の私たちの目も、マイケル・ダスマリナスの事実を、何か見落としているのでしょうか?

あるいは井上尚弥の事実が見えないでいるのでしょうか?

歴史上の番狂わせを振り返っても、ダスマリナスから全くその気配を感じ取れないのは、いまが「後出しの予感」の時期だからでしょうか?