ジョシュ・テイラーvsホセ・ラミレス。

完全統一戦にふさわしい、熱戦でした。

二人のファイターが持っているものを全部リングに披露してくれた素晴らしい試合でした。

「キンミヤ25梅割り」で泥酔した今夜は、この試合の意義ではなく、スコアリングのお話。

この試合の最終ラウンド、誰もがラミレスは「倒すしかない」と見ていたでしょう。そして、テイラーは「逆転の一撃だけは避ける」。
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この試合、6ラウンドと7ラウンドに綺麗なダウンを奪った30歳の英国人が、28歳のメキシコ系米国人の追い上げをいなしました。

公式採点は114-112でしたが、ラウンドごとで3人のジャッジの齟齬はもちろんあります。

採点には、非常に興味深いラウンドが幾つかありましたが、最終12ラウンドが象徴的でした。

ジャッジ二人がラミレス、一人がテーラーのスプリット・ラウンド。WOWOWの解説もラミレス。私も文句無しでラミレスでした。

以下の、二つの見方は大筋間違っていません。①も②も12ラウンド3分間に起きた現実に近い評価です。

①12ラウンドはラミレスが逆転の一撃に賭け攻勢を続け、テイラーは基本的に流して3分間180秒を刻もうとした。

②最終回。二度の痛烈なダウンから回復できないラミレスは、踏ん張りもスイングも遅く弱くなっている。テイラーは仕留める一撃を窺う闘牛士、ラミレスは脊椎にサーベルを二本突き刺されて闇雲に突進する手負いの闘牛。

最後の3分間に起きた現実の表現として、どちらも間違っていない①②ですが、別の角度から改めて見ると、どちらも間違いです。

まず①は、ラミレスとテイラーのキャラクターから展開の先読みバイアスがかかっています。①の立場で見た人は、手数とヒット数でもラミレスが上回ったと思い込んでいるのではないでしょうか?

少なくともパンチスタッツの〝現実〟はそうではありません。

また②の見方は、ボクシング採点の原点「各ラウンドは独立した単位として採点される」から離れてしまっています。

「各ラウンドは独立した単位として採点される」。これ、わかってるつもりでも、それまでの展開を引きずってしまいがちです。

スコアリングにかかるバイアスの種類は無限にありますが、類型別にわけて考えてゆきます。