1990年2月11日、マイク・タイソンがジェームス・ダグラスに滅多打ちされて東京ドームのリングに沈んだ衝撃的な虐殺試合。

あれから31年が過ぎました。


昨日、リング誌電子版は「日本に降り立った〝ダグラス〟と名の付く衝撃的な勝者はマッカーサー元帥以来だった」と、日本人的には「そういえばそうか」という史実をほじくり返していましたが、どうでもいい話です。

どうでもいい話ついでに「ジェームス・ダグラスとダグラス・マッカーサー」「ピンクロン・トーマスとトーマス・ハーンズ」「フランク・ブルーノとブルーノ・セルドン」…。

海外では、姓と名の倒置が珍しくありません。

フリオ・セサール・チャベスらファーストネームで使われることが多い「フリオ」が姓になっているように思えるエリセール・フリオの本名は「ホルヘ・エリセール・フリオ・ロチャ」。

カネロ・アルバレスも「サントス・サウル・アルバレス・バラガン」。

スポーツに限らず海外の人が短いニックネームをほぼオフィシャルに使うことには、正式名があまりにも長すぎるという背景もあるかもしれません。

だいたいどっちでもいい気がしますが、ラグビーのリーチ・マイケルは、心地よい倒置法の風が吹いてます。マイケル・リーチでは居心地が悪い。

マイク・タイソンの姓からタイソン・フューリーと付けられたように、姓と名に対する拘りがそもそも希薄というのもあります。

日本でも、村田諒太の恩師「武元前川」のような名もありますが、中国の故事が由来だと聞いた覚えが。

話が横道に逸れまくる前に、引き戻します。
44「

スポーツ史上最大の番狂わせ」といわれたトウキョー・ショッカー(これも海外では見たことがない〝和製英語〟)ですが、オッズ上ではさすがにそれはありません。

42-1、43倍というオッズはボクシングではまず見られない数字ですが、今シーズンのMLB東地区でボルチモア・オリオールズ優勝オッズは81倍です。


トウキョー・ショッカーと同じくオッズがひっくり返る現実が起きたのは、岡崎慎司の英国プレミアリーグ・レスターが2015-16シーズンに優勝したとき。オッズはなんと5000倍、「ネッシー発見=2000倍」や「2017年以前に宇宙人が確認される=1500倍」などの掛け率を遥かに凌駕する超常現象でした。

実は、ボクシングは大番狂わせが少ないスポーツなのです。

ただし、これはあくまでブックメーカーの数字上の話。

番狂わせの本質をブックメーカーが叩く数字ではなく「見る人が受ける衝撃」 と考えると、2〜3倍でしかなかったとはいえマニー・パッキャオのアントニオ・マルコ・バレラ戦やオスカー・デラホーヤ戦は明らかに大番狂わせでした。

ダグラスvsタイソンの42-1も、打率2分9厘(42打数1安打)の打者がヒットを放つのと理屈は同じですが衝撃度は全く違います。

野球で絶対的エースが「5回もたずにノックアウト」 というのと、井上尚弥が「5回KO負け」というのでは衝撃レベルは全く違ってきます。

野球のノックアウトは軽薄な比喩ですが、ボクシングでは生々しい現実。その差でしょう。


今年も衝撃的なリングを目撃できそうですが、クライマックスはやはり「村田諒太vsゲンナディ・ゴロフキン」。

交渉はテーブルに乗ったという話ですから、なんとか実現してもらいたいです。