今年も残り1カ月と少し。

東京開催の「井岡一翔vs田中恒成」、ロンドン開催の「アンソニー・ジョシュアvsクブラト・プーレフ」を除いた、ビッグイベント3試合を…。※日時は日本時間。


▶︎11月28日(土)「ワンヘン・ミナヨーティンvsパンヤ・プラダブスリ」。マネーの記録はさらに更新されるのか?

フロイド・メイウェザーの持つ「世界王者経験者のキャリア無敗記録」を塗り替えたWBCストロー級王者ワンヘン(54勝18KO無敗)の13度目の防衛戦。

同胞のプラダブスリを迎えて〝サドンデス〟の記録更新に挑みます。

ワンヘンは今年6月に引退宣言しましたが、すぐに撤回。 

プラダブスリ(34勝22KO1敗)は直近10試合9KOのスラッガー。オッズは見当たりませんが、経験で大きく上回るワンヘン有利は間違いありません。

ワンヘンが負ければ米国メディアでも「メイウェザーに再び記録が戻る」とそこそこ大きく取り上げられるでしょう。 



▶︎11月29日(日)「マイク・タイソンvsロイ・ジョーンズJr.」。野次馬心を刺激する純度100%の茶番劇。 
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アイアン・マイクから見て8/15(1.53倍)、15/8(2.88倍)。

2分8ラウンド、グローブ12ozの変則マッチのexhibition。 両者とも「2分」と「exhibition」という扱いにあからさまに不快感を示していますが、だったらカリフォルニア州アスレティック・コミッション(CSAC)の正式ルールでやれば良いのです。

管轄するCSACもまともなボクシングのビッグファイトよりも大きな収入が期待されるだけに、複雑な立場です。

タイソン、ロイともに迫力満点の練習動画をアップしていますが、いずれも非常に短い時間。相手のいる実戦で2分120秒となると、二人とも8ラウンドを動くスタミナは無いでしょう。

早期決着でなければ、醜悪なまでに怠い展開になりそうです。




▶︎12月6日(日)「エロール・スペンスJr.vsダニー・ガルシア」。スペンスはスペンスのままなのか?がテストされる一戦。

スペンスは、昨年10月、愛車フェラーリを大破させた大事故を起こしてからの〝復帰戦〟。

IBF/WBC王者スペンス3/10(1.3倍)、ガルシア17/5(4.4倍)。

ガルシアの黒星は、キース・サーマンとショーン・ポーターに惜敗した二つだけ。スペンスが、タフで一発もあるスウィフトを鮮やかに沈めるようなことがあれば、ウェルター級戦線に大きなアクセントになりますが…。

昨年、PPVデビューしたスペンスはマイキー・ガルシア戦(36万件)、ポーター戦(30万件)と30万件を超える数字を叩き出し、マニー・パッキャオとカネロ・アルバレスに続くスーパースターの階段に足をかけています。

今回もFOXがPPVで全米生中継。販売件数がどこまで伸びるかも注目です。



▶︎12月20日 (日)「ノニト・ドネアvsエマヌエル・ロドリゲス」。バンタム級の敗者復活戦。井上との再戦切符を勝ち取るのはどっちだ?!

欧米で関心が低いバンタム級の試合だけにオッズは見当たりませんが、勝敗予想が難しいマッチップです。 

ドネアが当初対戦予定だったノルディーヌ・ウバーリは新型コロナ感染、ドネア戦からの離脱を強いられてしまい、代打に抜擢されたのがロドリゲス。

WBCは「ドネアvsロドリゲス」を「正当王座」決定戦に、ウバーリを「休養王者」と認定しましたが、常識的にはウバーリの王座はそのまま「ドネvsロド」は挑戦者決定戦にすべきでした。

これがまかり通るなら、王者がインフルエンザで離脱すると、王者がいたずらに増殖することになります。まあ、こんなまともな対応をWBCに期待する方が間違っているのですが。

さて、日本のファンも注目の一戦。井上尚弥との試合内容を診断材料にすると、ドネア勝利と見立てるのが自然ですが、果たして? 



▶︎12月20日(日)「カネロ・アルバレスvsカラム・スミス」。 混乱と妥協の産物は名勝負になるか?
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メキシコのグレートとの比較でカネロが傑出しているのはその防御。1ラウンドあたりの被弾はファン・マヌエル・マルケスよりも少ない数字です。撃ち合い上等のメキシカンスタイルと、フットワークを使ったボクシングを巧みに使い分ける老獪な30歳の輪郭が浮かび上がる数字です。
 
コネティカット州アンキャスビル、モヒカン・サンで開催される「ドネvsロド」と、日時がかぶるテキサス州サンアントニオ、アラモドームの墨英スター対決。

「井上vsジェイソン」「ガーボンタvsレオ」と同じようにWOWOWはどちらもオンエアしてくれるのでしょうか? 

この試合は決定から間も無いとはいえ、世界中のボクシングファンが注目する試合だけにオッズは出揃っています。

無敗のWBAスーパーミドル級王者カラムに、WBAセカンド王者のカネロが挑戦する構図ですが、オッズはカネロ1/4(1.25倍)、カラム18/5(4.6倍)とセカンド王者有利。

両者は同い年の30歳ですが、直近試合でジョン・ライダーに大苦戦(負けてましたね)した「強豪だが底が見えた」カラムと、プロテクトされた試合が多いとはいえライトヘビー級まで制した「今がプライムタイム」のカネロ。

さらに、メキシカンの完全ホームテキサスが舞台というのも、判定も含めて英国人には不利な材料しか見当たりません。

同じ英国のロッキー・フィールディング(2018年12月15日:カネロに3ラウンドTKO負け)のような〝生贄〟にはならないでしょうが、カラムの緩い防御はカネロの波状攻撃に徐々に決壊、「フィールディングよりも調理時間はかかるだけ」とボディを叩かれて崩されていくと見られています。

個人的にはカラムの番狂わせを予想します。

身長173㎝/リーチ179㎝のカネロにとって、191㎝/198㎝のカラムは飛び抜けてキャリア〝最長〟の相手。

リバプールの伊達男までの距離は、顔面はもちろんボディも遠く感じるでしょう。

ライダーに打たれまくったカラムがカネロの攻撃に持ちこたえられるのか?きっと、ライダー戦が良い薬になったはずです。カネロが悪夢の 'Mundo'(世界)に引き込まれて、後半ストップ負け。