井上尚弥が完全統一を目論む118ポンド、バンタム級。

WBOのストラップを持つジョンリール・カシメロと、WBAセカンド王者ギレルモ・リゴンドーの団体統一戦が来年3月か4月に対戦することで交渉が進んでいます。

井上から見ると、WBAは上位タイトルを持っているためセカンドは完全統一に必須ではありません。

それでも、31歳のフィリピン人と40歳のキューバ人の勝者を潰すことで、セカンド王者を殲滅できます。完全統一に不要とはいえ、自分以外に王者を名乗るヤツがいるのは目障りでしょう。

さて、この試合。

勝利するのは「若さと野生のクアドロ・アラス」か?「今なお卓越した技術を持つキューバのジャッカル」か?

意外性のあるカシメロと、蓋然性の塊リゴンドー。

勝者を予想するのは非常に難しいマッチアップ、つまり素晴らしいカードです。

といっても、カシメロの試合は誰が相手でも予想が難しいのですが。

直近のデューク・マイカー戦も「ひょっとすると…」と番狂わせも予想されていましたが、圧勝劇でした。

というか、カシメロの試合は勝っても負けても「番狂わせ」ではありません。それが、カシメロです。

相手にとって地雷を踏んだらおしまい、です。しかし、ときに自爆するのもカシメロ。
Screen-Shot-2020-10-31-at-11.47.45-PM

井上はムカついていましたが、カシメロはトラッシュトークもお似合いです。

先日のテレンス・クロフォードとケル・ブルックや、デオンティ・ワイルダーvsタイソン・フューリーのような戦前の罵り合いには「お前らが仲いいのはみんな知ってるわ!」とシラけてしまいます。

やつらは高給取りなだけで、トラッシュトークのど素人です。

カシメロはそんな器用な使い分けは出来ません。リングの中と同様に、リングの外でも直感で行動し、思いついたまま言葉を発するだけです。

 At the post-fight news conference, Casimero was highly entertaining in talking about wanting to take on Inoue.

Sending a message to Inoue after the Micah fight, Casimero said, ‘You are not a Monster; you are a Japanese turtle. Inoue is scared of me. Come on. I don’t fight [Jason] Moloney because he’s easy for me. I want Inoue. He fights Jason Moloney. That’s easy, man,” said Casimero.

カシメロはとにかく井上と戦いたくて仕方がないんだ。だから、マイカー戦後にも刺激的な言葉で井上を煽った。「俺を怖がってるお前はモンスターじゃない、亀だ。俺だったらマロニーみたいな雑魚とはやらない」。

カシメロ戦は軽量級の関心が低い米国ではなく、とにかく絶対に日本でやるべきです。

ラスベガスなんかでやっても、今回のように注目されません。日本でやれば、カシメロが来日したら連日報道されるでしょう。カシメロのトラッシュトークも、昼間のワイドショーでも取り上げられるかもしれません。

今の日本でPPVを成功させるのは厳しいですが、映画館などを使ったクローズドサーキットなら話題性もあってそこそこの動員が期待できると思います。

米国ボクシング文化よりも先に、欧州のスポーツバースタイルやパブリックビューイングが普及してしまった日本で、クローズドサーキットは、テレビ放映との兼ね合いなど大きなハードルもあります。

それでも、チケット予約でグッズを抱き合わせるなど、オフィシャルならではの試みはいくら出来るはずです。

何にしても、結局はトップランクに儲けさすだけの仕組みには違和感ありまくりですが「ハメド方式」を選んでしまったのですから、吸い取られるだけ吸い取られるのは仕方がありません。

そして、何より日本ボクシングもマニアの囲い込みという衰退の坂道を転がり落ちてゆくのであった…なんてことはあってはいけませんが。