PFPがどれほど意味のないランキングか、釈迦に説法ですが…あらためてこの二つの例題でそれがよくわかるはずです。

Q1:以下のグレートの中でリング誌のPFPキングに就いたことがないのは誰でしょうか?

①トーマス・ハーンズ

②バーナード・ホプキンス

③フェリックス・トリニダード 

④オスカー・デラホーヤ

⑤ゲンナディ・ゴロフキン  



Q2:アンドレ・ウォードはリング誌のPFPキングに就いたことはありますか?

 
YES or NO その理由も教えて下さい。
 


▶︎これがFighter Of The Year 年間最高選手賞なら、この時代です、ボクシングファンでなくても、ネットで調べたらすぐに答えがわかります。

ところが…。
 
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ご存知の通り、pound for pound はジョー・ルイスやロッキー・マルシアノらヘビー級の陰で十分な評価を得ていなかったシュガー・レイ・ロビンソンの優秀さをわかりやすく説明するために用いられたことから、広く知られるようになりました。

ヘビー級に対する、その他の日陰階級への慰安概念から一般化したのですから、そもそも「慰安する必要のない」ヘビー級とは関係性が薄いお遊びでした。

しかし、60年代から米国ボクシングの全体市場が下り坂を転がり始め、80年代には中量級がヘビー級に並ぶ人気階級に躍り出る下克上まで起きてしまいます。

ロビンソンのウェルター、ミドルはもはや慰安されるようなお情け頂戴クラスではなくなったのです。

そして、ロビンソン時代のファンがPFPに対して「体重同一時なら強い?そんなの弱い奴の言い訳」と真剣に相手にしなかったのに対して、ヘビー級の権威が崩壊したレナード時代になるとメディアの誘導で「PFPランキング」はかつての「ピエロランキング」ではなくなります。

そして、団体と階級の増殖、同一団体でも複数の王者を抱えるカオスの現代「誰が一番強いのか」という、一般のスポーツファンなら最も知りたいことは100万光年彼方に追いやられ、人気者のメガファイトがコアなマニアが支払う高額のPPVを命綱に、市場縮小の谷をタイトロープで渡っています。

「HBOの撤退」「DAZNの誤算」はまさに、この産業の挽歌なのです。

PFPは「狭義」では「体重同一時」ということですが、「ヘビー級以外の階級を救済する」という意味が中量級においては救済意味が希薄になって久しい現状では、様々な意見が交わされるようになっています。

階級の人気格差を無くそうという平等博愛精神がPFPの根底にあるのなら「平等」を「体重」だけに絞るのはおかしい、という「広義」のPFP理論です。

かつて、愛弟子のピピノ・クエバスが異形のトーマス・ハーンズに粉砕されたとき、階級制には「体重」だけでなく「身長」もリミットを設けるべきだと主張しました。

しかし、当時から同一体重の場合「身長」は必ずしも有利に働かないことは指摘されていました。体格で有利に働くことが多いのは「身長」よりも「リーチ」です。

そして、前日軽量では井上尚弥に代表される「リバウンド」名人もまた、PFPの判断材料です。

さらに「体重」についても「ロマゴンがヘビー級ならクリチコ兄弟は何もできずに惨敗する」という「ネズミのように動ける象」を仮定するのは、妄想とはいえ一方的すぎます。

それなら「ネズミが象の体重のオモリを背負ってどれだけ動けるのか」も議論すべきです。

また「リバウンド」アドバンテージは無視できないとはいえ、前日計量では同じ条件ですが、ヘビー級の場合は、そもそも「弱者の言い訳」(リミット)がない、計量の実質的な意味のない世界です。

弱者の言い訳の塊である軽量級の目盛りなら何階級も上の巨人をバッタバッタ倒すデオンティ・ワイルダーこそが、パッキャオなど問題にならない「階級破壊者」であり「PFP最強」ではないのかという見方も暴論には聞こえません。

トドのつまり、PFPそのものがとんでもない暴論なのですから。

PFPなど、所詮は、Mythical Ranking、何か形があるものでも、記録が残るものでもありません。

最近のロマチェンコ敗北で動くように、1試合ごとに目まぐるしくシャッフルされる後には何も残らないランキングです。

2020年のリング誌2位は、年初に2位だったクロフォードか?それとも大半の期間で2位に座ったロマチェンコなのか?あるいは12月31日時点で(おそらく)2位の井上尚弥なのか?

妄想だから仕方がないにしても、PFPの考え方、その根底には「弱者救済」の精神が流れています。

それなら、その「弱者救済」の輪をもっと広げた広義のPFPではアーツロ・ガッティや八重樫東、三浦隆司のような常人ではありえない勇気の剣を振り回すウォリアーは論外です。

強い相手とわかると格闘技ではなく最終回の終了ゴングをいかに無事な状態で聞くかのサバイバルゲームにスイッチを切り替えるオマール・ナルバエスさんや、鼻血が出ると「骨折したかもしれない」と試合を投げる鼻血TKOマン、ウーゴ・ルイスさん、惨敗を確信したら痛めつけられるよりも体に異常が出たとアピールして自ら試合を終わらせるアミール・カーンさんらは「優しい輪」の中に入れてあげるべきです。

彼らの気持ちの弱さは救済に値します。

実際、自分の友人や家族でメイウェザーやアリがいたら、絶対嫌です。 ナルバエスやルイスらには、親近感が溢れています。

彼らが家族なら「自分がやってない奴らが何を書こうが何を言おうが気にするな。俺はお前が無事にリングを降りてくれることが一番嬉しい」とオマールを抱きしめ、「鼻血が出てるのに試合を続けろなんて、そっちが 間違ってる。これからも血が出たら棄権してくれよ」とウーゴの頬をさすります。

広義のPFPでは、ヘタレ最強レベルのエイドリアン・ブローナーさんや、採点発表を聞いて棄権したアントニオ・デマルコさんら稀代の Qitter が名前を連ねる豪華なリストになりますね〜。

「PFP の基本は、優しくなければ生きる資格はない」のです…。