ボクシングファンは非常に粘着質で根に持つタイプの人間です。

例えばプロ野球では…。

デビュー戦で1アウトしか取れずに満塁本塁打などを浴びて5点を失い、ルーキーイヤーはこの1試合登板のみ、防御率135.00に終わった大野豊を「ボールが軽く球筋も見やすい」といつまでも批判するメディアもファンもいません。

しかし、ボクシングではたった一つのKO負けから押された「打たれ弱い」という印象を挽回するのは並大抵のことではありません。たった1試合だけ試合途中で諦めて押された「quitter(ヘタレ)」の烙印はまず消えません。

もちろん、マニー・パッキャオとロベルト・デュランという何をやっても許される、非常にズルい愛されキャラもいますが、あの2人は例外中の例外です。

まあ、とにかくボクシングファンの粘着性の性格は病的です。

デビュー戦でアダン・ゴンザレスに痛恨の敗北を喫したロベイシ・ラミレスは、プロ第2戦、3戦をとにかく経験とパンチのないまだ10代の選手を吟味して連勝。

先日はこの低いハードルを少しだけ上げてユリ・アンドゥジャールを54秒で斬って落としました。アンドゥジャールは5勝3KO3敗とこれまでの相手とは一味違う〝強豪〟でした。

ロベラミもボクシングファンが押した烙印からどうやって脱出するのか、それとも抜け出せないのか?注目です。
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There won't be any fans around the ring at the the MGM Grand Conference Center in Las Vegas. Mikey Williams/Top Rank MGMグランド・カンファレンスセンターには観客は1人も入れなかった。衛生面、検査室も厳格に配し、対面しないよう多くの通路を一方通行にするなど、ラスベガスとMGMの「新しい日常のルール」に則って試合が進められました。

ESPNは「天才の完全復活」と大喜びでしたが、他のメディアやファンは「いつ自転車の補助輪を外すんだ?」と冷ややかな目で見ています。

プロ2戦目でアダゴンに雪辱するのが筋で、アダゴンも盛んに煽っていましたが、再戦は組まれませんでした。

チェリーの中のチェリー(雑魚中の雑魚)と言われたアダゴンですが、ラミレスにとっては〝超強豪〟で、負けるべくして負けたと認めたようなものです。

日本ではあまり言われない、つまり都合が悪いから言わないのですが「負けた相手に雪辱するかどうか」はその選手のレガシーとガッツを図る重要な物差しです。

シュガー・レイ・ロビンソンやモハメド・アリは言うに及ばず、負けていないはいえ苦戦した相手とのダイレクトリマッチに応じたフロイド・メイウェザーらは評価されます。

世界評価では「負けっぱなし」が最悪なのです。ワシル・ロマチェンコがオルランド・サリドとの再戦を執拗に求めたのは、それだけが理由です。



低いハードルに思いっきり躓いたエリートアマが、雪辱せずにさらにハードルを下げるーー誰の目にも幻滅しかありません。

“Robeisy would never do that to me,” Gonzales told The Ring late Wednesday evening. “He’s scared to fight me again.”
 

不可解なSDとはいえ内容は圧勝だったアダゴンは、ラミレスの54秒KO劇について「私相手ではできない。彼は私との再戦を断った、怖がってるんだ」とリング誌のインタビューでラミレスを「チキン」と嘲ります。

一方で、トップランクは再戦に応じるつもりだったがアダゴン側が法外な報酬を要求してきて交渉にならなかったと主張。

これに対してアダゴンは「当たり前だろ?初戦と同じ報酬を提示してくる方がどうかしている」と反論。

いずれにしても、ロベラミはアダゴンと再戦しなければ、デビュー戦で押された焼き印は消せません。

12月に試合が予定されている威勢のいいアダゴンですが、スパーリングで左肘を負傷しているようです。