階級の壁。
団体の乱立、階級の増殖によってアルファベット団体の世界チャンピオンになる難易度は下がり、選手意識だけでなく、前日計量によるリバウンドを見越した減量スタイルの定着は複数階級制覇志向も加速しています。
1980年代までは、ヘンリー・アームストロングやアレクシス・アルゲリョですら失敗に終わった4階級制覇は、今日では毎年複数のボクサーが達成する有様です。
日本ボクシング界を振り返っても4階級制覇は井岡一翔だけですが、3階級制覇は亀田興毅、八重樫東、長谷川穂積、井上尚弥、田中恒成と10年間で、井岡も含めて6人が成功しています。
世界的に見ても、4階級制覇は20人以上が成功。この10年だけでも13人が、アルゲリョも阻まれたハードルをクリア、もはや4階級制覇を偉業と呼ぶのは憚られる時代が到来しています。
複数階級制覇がお手頃になったということは、階級の壁も低く薄くなったことと同義です。
もちろん、このカラクリは団体乱立と階級増殖によって成立します。
つまり、弱い王者をつまみ食いすることで、簡単に複数階級制覇が成功するということです。
最も胡散臭い4階級制覇、エイドリアン・ブローナーの〝つまみ食い〟の足跡を振り返ってみます。
2011年にビセンテ・マルティン・ロドリゲスという無名のアルゼンティーナと空位のWBOジュニアライト級王座を争い3ラウンドKO勝ち、まずは一冠。
2012年にはWBCライト級のピースを持つアントニオ・デマルコを好き放題に切り刻んで8ラウンドTKO。2階級制覇。
デマルコは日本でもお馴染みですが、ホルヘ・リナレスに圧倒的不利予想の中で逆転したのが強豪相手にマークした唯一の勝利で、エドウィン・バレロ戦で8ラウンドの採点を聞いて棄権するというクイッター(ヘタレ)っぷりを発揮して非難を浴びたクイッター・キング。
2013年に2階級上のポール・マリナッジのウェルター級のWBAバージョンを2−1SDで掠め取って3階級制覇。
マリナッジは明らかにキャリア最強の相手とはいえ、ウェルター級の器ではありません。ジュニアウェルターでは強豪の1人でしたが、ファン・ディアスと1勝1敗、パッキャオ戦直前のリッキー・ハットンや、アミール・カーンには圧倒的不利のオッズ・予想の通りにストップ負け。
そして2015年にカビブ・アーラフベルディエフとWBAジュニアウェルター級王座決定戦を争い、12ラウンドTKO勝ち、4階級制覇。前戦でも敗北している32歳のアーラフベルディエフはこの試合で引退。
ブローナーの人生最大の勝利はマリナッジ戦のSDでしたが、4つの敗北はマルコス・マイダナ、ショーン・ポーター、マイキー・ガルシア、マニー・パッキャオ。KO負けこそないものの、4試合とも劣勢なのに勝負に出れない気持ちの弱さを曝け出しました。
ブローナーとは何者なのか?その問いの答えはもはや明らかです。
ウェルター級バージョンで劣化したマリナッジにSDで勝つのがやっとの、過大評価ボクサー。
ブローナーほど酷くはなくても、穴王者や決定戦で階級制覇の石コロを集めることは容易です。特に、人気選手なら。
ただし、これはあくまでも団体乱立と階級増殖によって作られたスペックの低い量産型王者や、雑魚相手の決定戦を渡り歩くことが前提条件です。
オリジナル8の時代はとっくの昔に終わっていますが、もし今その時代に戻せばやはり8人の強豪王者が屹立しているのです。
現行の17階級で「オリジナル8」の王者を決めるのは不可能ですが、ジュニアウェルター級時代のテレンス・クロフォードや、クルーザー級時代のオレクサンダー・ウシクは完全統一を果たしたUndisputed Championです。
彼らは17階級時代とはいえ、文字どおり「議論する余地のない」階級最強王者でした。
想像でしかありませんが、フライ級のローマン・ゴンザレスやバンタム級の井上尚弥、ライト級のマイキー・ガルシア、ジュニアミドル級のカネロ・アルバレス、ミドル級で全盛期のゲンナディ・ゴロフキン、ライトヘビー級で全盛期のセルゲイ・コバレフらは階級最強、つまり本物の世界チャンピオンだと思われます。
逆にいうと、彼らを倒していないなら、その腰に巻いている世界チャンピオンのベルトは紛い物だということです。
ロマゴンはシーサケット・ソールンビサイの重い拳にアマプロ無敗の連勝街道をストップされました。
自慢のコンビネーションにひるまずに前進してくるタイの重戦車に轢き倒されてしまったロマゴンは、カルロス・クアドラス戦でも大苦戦を強いられ、115ポンドへの順応し切れず、階級の壁をはっきり感じていたはずです。
ロマゴンは、今年2月にアンダードッグながらカリド・ヤファイを9ラウンドでストップ、WBAストラップを手に入れましたが、ヤファイは試合前から軽量級の待遇に不平不満をもらすなど集中し切れていませんでした。
ファン・フランシスコ・エストラーダとの軽量級待望のリマッチを明白な形で勝利したなら、完全復活、PFPランキング返り咲きも確実です。
2012年にはWBCライト級のピースを持つアントニオ・デマルコを好き放題に切り刻んで8ラウンドTKO。2階級制覇。
デマルコは日本でもお馴染みですが、ホルヘ・リナレスに圧倒的不利予想の中で逆転したのが強豪相手にマークした唯一の勝利で、エドウィン・バレロ戦で8ラウンドの採点を聞いて棄権するというクイッター(ヘタレ)っぷりを発揮して非難を浴びたクイッター・キング。
2013年に2階級上のポール・マリナッジのウェルター級のWBAバージョンを2−1SDで掠め取って3階級制覇。
マリナッジは明らかにキャリア最強の相手とはいえ、ウェルター級の器ではありません。ジュニアウェルターでは強豪の1人でしたが、ファン・ディアスと1勝1敗、パッキャオ戦直前のリッキー・ハットンや、アミール・カーンには圧倒的不利のオッズ・予想の通りにストップ負け。
そして2015年にカビブ・アーラフベルディエフとWBAジュニアウェルター級王座決定戦を争い、12ラウンドTKO勝ち、4階級制覇。前戦でも敗北している32歳のアーラフベルディエフはこの試合で引退。
ブローナーの人生最大の勝利はマリナッジ戦のSDでしたが、4つの敗北はマルコス・マイダナ、ショーン・ポーター、マイキー・ガルシア、マニー・パッキャオ。KO負けこそないものの、4試合とも劣勢なのに勝負に出れない気持ちの弱さを曝け出しました。
ブローナーとは何者なのか?その問いの答えはもはや明らかです。
ウェルター級バージョンで劣化したマリナッジにSDで勝つのがやっとの、過大評価ボクサー。
ブローナーほど酷くはなくても、穴王者や決定戦で階級制覇の石コロを集めることは容易です。特に、人気選手なら。
ただし、これはあくまでも団体乱立と階級増殖によって作られたスペックの低い量産型王者や、雑魚相手の決定戦を渡り歩くことが前提条件です。
オリジナル8の時代はとっくの昔に終わっていますが、もし今その時代に戻せばやはり8人の強豪王者が屹立しているのです。
現行の17階級で「オリジナル8」の王者を決めるのは不可能ですが、ジュニアウェルター級時代のテレンス・クロフォードや、クルーザー級時代のオレクサンダー・ウシクは完全統一を果たしたUndisputed Championです。
彼らは17階級時代とはいえ、文字どおり「議論する余地のない」階級最強王者でした。
想像でしかありませんが、フライ級のローマン・ゴンザレスやバンタム級の井上尚弥、ライト級のマイキー・ガルシア、ジュニアミドル級のカネロ・アルバレス、ミドル級で全盛期のゲンナディ・ゴロフキン、ライトヘビー級で全盛期のセルゲイ・コバレフらは階級最強、つまり本物の世界チャンピオンだと思われます。
逆にいうと、彼らを倒していないなら、その腰に巻いている世界チャンピオンのベルトは紛い物だということです。
ロマゴンはシーサケット・ソールンビサイの重い拳にアマプロ無敗の連勝街道をストップされました。
自慢のコンビネーションにひるまずに前進してくるタイの重戦車に轢き倒されてしまったロマゴンは、カルロス・クアドラス戦でも大苦戦を強いられ、115ポンドへの順応し切れず、階級の壁をはっきり感じていたはずです。
ロマゴンは、今年2月にアンダードッグながらカリド・ヤファイを9ラウンドでストップ、WBAストラップを手に入れましたが、ヤファイは試合前から軽量級の待遇に不平不満をもらすなど集中し切れていませんでした。
ファン・フランシスコ・エストラーダとの軽量級待望のリマッチを明白な形で勝利したなら、完全復活、PFPランキング返り咲きも確実です。
そして、カネロ・アルバレスは昨年、ライトヘビー級のコバレフを追い回して痛烈に倒してPFP1位に登り詰めました。
しかし、わずか6ヶ月足らず前にミドル級のダニエル・ジェイコブスを明らかに持て余したことからも、コバレフ戦はカネロが強かったと見るよりも、ただでさえ劣化したコバレフがリバウンド制限で牙を抜かれてさらに弱体化していたと考えるのが、自然でしょう。
まともなライトヘビーの強豪が健康な状態でリングに上がれば、現時点のカネロではひとたまりもありません。 だからコバレフ、だからリバウンド制限という、お得意の卑怯な選択をしたのです。
しかし、わずか6ヶ月足らず前にミドル級のダニエル・ジェイコブスを明らかに持て余したことからも、コバレフ戦はカネロが強かったと見るよりも、ただでさえ劣化したコバレフがリバウンド制限で牙を抜かれてさらに弱体化していたと考えるのが、自然でしょう。
まともなライトヘビーの強豪が健康な状態でリングに上がれば、現時点のカネロではひとたまりもありません。 だからコバレフ、だからリバウンド制限という、お得意の卑怯な選択をしたのです。
史上最高のテクニシャンの1人、ワシル・ロマチェンコも3階級目のライト級で「ジュニアライトに戻ることもオプションの一つ」と語るなど、明らかに階級の壁を感じています。
ホルヘ・リナレス、ホセ・ペドラザと強豪ですが、ロマチェンコならもっと美しく勝ち切るという期待は見事に裏切られています。
ホルヘ・リナレス、ホセ・ペドラザと強豪ですが、ロマチェンコならもっと美しく勝ち切るという期待は見事に裏切られています。
ゲンナディ・ゴロフキンはミドル級一筋ですが、経年劣化だけではなく大きくリバウンドしたジェイコブスを倒しきれなかったばかりか、押され気味の展開を強いられたことからも、スーパーミドルやライトヘビーは全盛期でも、よほどの安パイ狙いでないと無理だったでしょう。
ミドル級に閉じこもったGGGでもまた、階級の壁を感じさせてくれているのです。
ミドル級に閉じこもったGGGでもまた、階級の壁を感じさせてくれているのです。
スピードとパワー、テクニックの主要な要素が高次元で結晶したマイキー・ガルシアは、エロール・スオエンスJr.に5階級制覇を阻まれてしまいました。
接戦だったとはいえダウンも奪ったジェシー・バルガス戦を見るまでもなく「弱いウェルター級王者」を狙えば5階級制覇はかなりの確率で達成できたはずです。
それは「強いウェルター」には勝てない、ということです。
最初のタイトル奪取から何試合で5階級制覇したか?記録はレナードの「11試合」ですが、マイキーがスペンスに勝っていたら「10試合」となり、記録更新でしたが…。レナードとマイキーには特別な事情があるとはいえ10試合で5階級制覇って…どうなんですかね?接戦だったとはいえダウンも奪ったジェシー・バルガス戦を見るまでもなく「弱いウェルター級王者」を狙えば5階級制覇はかなりの確率で達成できたはずです。
それは「強いウェルター」には勝てない、ということです。
そんなことが出来ちゃうのって、おかしくないですか?
団体と階級が選り取り見取りの現在、階級の壁が存在するのは強豪を相手にしたときだけです。
もちろん、ベスト階級でないウェルターを「目立つし儲かるから」という理由だけで主戦場にするパックメイなんて例外の変態です。
126ポンド、フェザー級からスタートしたロマチェンコとマイキーは、135ポンドと147ポンドで階級の壁にぶち当たっています。
154ポンドで初戴冠のカネロは175のライトヘビーを制したとはいえ、現実には160ポンドでも出色のパフォーマンスは見せていません。
「軽量級では10ポンドが大きな壁」と言われているとおりに、ロマゴン(105ポンドからスタート、115ポンドで壁に)やノニト・ドネア(112ポンドからスタート122ポンド以上で敗北が目立つ)などの殿堂級のグレーとも壁に阻まれました。
しかし、105ポンドでスタートした井岡一翔は115ポンドを制し、108ポンドスタートの井上尚弥も118ポンドで階級最強と目されています。
では、日本が誇る東西スターは、パックメイと同じ〝例外の変態〟なのでしょうか?
それとも、団体乱立と階級増殖の恩恵を利用した〝アジアのブローナー〟なのでしょうか?
久しぶりに再開したこのお話、まだまだ続きます。。。
もちろん、ベスト階級でないウェルターを「目立つし儲かるから」という理由だけで主戦場にするパックメイなんて例外の変態です。
126ポンド、フェザー級からスタートしたロマチェンコとマイキーは、135ポンドと147ポンドで階級の壁にぶち当たっています。
154ポンドで初戴冠のカネロは175のライトヘビーを制したとはいえ、現実には160ポンドでも出色のパフォーマンスは見せていません。
「軽量級では10ポンドが大きな壁」と言われているとおりに、ロマゴン(105ポンドからスタート、115ポンドで壁に)やノニト・ドネア(112ポンドからスタート122ポンド以上で敗北が目立つ)などの殿堂級のグレーとも壁に阻まれました。
しかし、105ポンドでスタートした井岡一翔は115ポンドを制し、108ポンドスタートの井上尚弥も118ポンドで階級最強と目されています。
では、日本が誇る東西スターは、パックメイと同じ〝例外の変態〟なのでしょうか?
それとも、団体乱立と階級増殖の恩恵を利用した〝アジアのブローナー〟なのでしょうか?
久しぶりに再開したこのお話、まだまだ続きます。。。


コメント
コメント一覧 (2)
若い時にデビューして徐々に体重と階級を上げていくのが一番お得でしょうか。
フシ穴の眼
が
しました