光速のスピードと無尽蔵のスタミナ、ボクシングの面白さは、軽量級ボクサーの小さな体が教えてくれる!

欧米のボクシングファンには理解出来ない魅惑の軽量級ワールドに溺れるように耽り、わずか17lb、7.7kgに6階級に渡って広がる宇宙の「今」を俯瞰します。

競技人口は3月14日 現在のBoxrecからです。

これまでのストロー級、ジュニアフライ級でもそうでしたが、最近のBoxrecはデータ収集能力がさらに向上したようで、ポイント0(ゼロ)の1勝もしていないボクサーの数が跳ね上がっています。

今日のフライ級を例にとると723人の中で下位の134人は1勝も挙げていない「ポイントゼロ」。最下位のエイダル・ワルタに至ってはデビュー前、つまり1試合もリングに上がっていません。

ちなみにトップは田中恒成で358.3点。 

■112Lb ■競技人口723人(17階級中14位)

日本のボクシングにとって、フライ級は特別なクラスです。

1952年5月19日、白井義男がフルハウスの後楽園球場でダド・マリノを下して我が国に史上初めて世界タイトルをもたらしてくれました。

この王座はもちろん Undisputed Champion であり、文句無しのLineal Champion です。 
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後楽園ホールと東京ドームを擁する東京・水道橋は世界中の軽量級ボクサーの憧れの土地。特に、フライ級の世界タイトルマッチは、地球上のどこよりもこの場所で最も多く繰り広げられてきました。

今も世界一の軽量級王者製造工事であり続け、軽量級ボクサーにとっては「後楽園ホールで戦うのが夢だった」=東洋太平洋フライ級王者(当時)マニー・パッキャオ=という掛け値なしの聖地です。

ラスベガスとは違い、ここでは軽量級メインが当たり前で観客も選手に敬意を表してくれるのです。 

白井からファイティング原田、海老原博幸、大場政夫、ユーリ・アルバチャコフ、内藤大助、井岡一翔、八重樫東、亀田興毅・大毅、比嘉大吾、田中恒成…ざっと思いつくだけでも両手では足りません。

リング誌をはじめ「世界」がフライ級を語るとき、日本に向かって最敬礼するのは当然です。

個人的には、大熊正二も強烈に印象に残っています。1980年5月、戒厳令下の韓国・ソウルで朴賛希を9ラウンドKOしてWBCタイトルを奪ったニュースは、衝撃的でした。

前年に朴正煕大統領が暗殺された直後から敷かれた戒厳令。「カイゲンレイって何なんだ!?そんな国家の緊急事態でもボクシングのタイトルマッチをやるのか!?」。

バカな子供だった(今はバカな大人ですが)私にとっては忘れることなどできません。

さて、そんな思い入れのあるフライ級の現在地図ですが、やはり日本の田中がトップランナーです。

WBO王者の田中は「PFPランキングのウェイティングサークルに入っている」(ESPN)と言われる通り、対戦相手の質お高さと全階級を通じてもトップクラスの技術が評価されています。

24歳で3階級制覇という若さもこれからどこまで行けるか、楽しみです。

井岡一翔との2人合わせて7階級制覇の日本人スター対決も見たいですが、フライ級でもやり残した仕事はあります。

リング誌もESPNも田中に次ぐ2位にランクしているIBF王者モルティ・ムザラネです。

37歳の南アフリカ人が敗北したのはキャリア前半の1敗と、ノニト・ドネアに負傷TKOで惜敗した2度だけ。

ドネアが試合直後に「私に運があってムザラネはなかった。再戦する」と認めたように、全盛期のドネア戦を互角以上の内容で苦しめました。

リング誌で8位の中谷潤人も「明日のチャンピオン」。

WBC王者フリオ・セサール・マルチネス、WBA王者アルテム・ダラキアン、どちらでも攻略できる可能性大。

20戦全勝15KOの22歳も、日本伝統のクラスに爪痕を残すでしょう。