日本時間10月13日。イリノイ州シカゴ ウィントラストアリーナ

オレクサンダー・ウシクvsチャズ・ウィザスプーン 

ノンタイトルの12回戦ながら注目の一戦です。

当初の対戦相手タイロン・スポーンが VADAのドープング検査で尿の検体がA、Bサンプルとも陽性反応を示したため、急遽ピンチヒッターとなったウィザスプーンは38勝29KO3敗の38歳。

3つの黒星はクリス・アレオラ、トニー・トンプソン、セス・ミッチェルと強豪にはきっちり負けている第二、第三グループ集団のボクサーです。

32歳のウシクはご存知の通り、WBSSファーストシーズンで優勝したクルーザー級の完全統一王者。2018年の年間最高選手ですが、今年はこれが初めての試合。

無差別級デビューでウシクは予想とオッズ(ウシクが1/50=1.02倍 、ウィザスプーン12/1=13倍)の通りにウィザスプーンを片付けると見られていますが、注目は「このあと」です。

第1集団の中に食い込めるのか。そしてトップを掴めるのか?

ESPNの Trainers' take: Can Oleksandr Usyk succeed as a heavyweight? トレーナーが予想:ウシクはヘビー級で通用するか? の拙訳です。

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How tough is the transition to heavyweight? ヘビー級は他のクラスとは違う。

ロニー・シールズ:ウシクはでかい(身長190㎝/リーチ198㎝)。しかし、ヘビー級としてはアドバンテージはない。イベンダー(ホリフィールド)がヘビー級に上がって苦しんでいたのは、ナチュラルな大きさと重さ、タフさが、およそフィジカルの全てが減量する階級とは次元が全く違うことだった。

クルーザー級ではパンチをクリーンヒットさせれば相手を倒せた、少なくともダメージを与えることができた。しかし、ヘビー級ではそんなパンチは笑って吸収されることも珍しくない。

しっかり体重を乗せてクリーンヒットさせなくては、奴らを傷つけることは出来ないんだ。

肉体を削る減量をしないヘビー級は、とにかくフィジカルが全く違う。彼らは体重を気にせずに自分のベストな状態でリングに上がってくるのだ。



ジョナサン・バンクス:抜本的なアジャストは必要ない。ウシクは十分に大きく、フィジカルも強い。ウシクよりも大きなヘビー級はいくらでもいるが、彼ほどフィジカルが強く技術も持ち合わせているヘビー級はほとんどいない。

微調整の範囲で、標準的なヘビー級には順応できるはずだ。



アベル・サンチェス:現在のヘビー級は怪物サイズだ。ウシクは優れたボクサーだが、ヘビー級のサイズには戸惑うだろう。トップ選手相手では、パワーとタフネスでまず通用しない。

もしアマチュアならスピードと技術で3ラウンドをやり過ごすことが出来るかもしれない。しかし12ラウンドでは難しい。12ラウンドはクルーザーがヘビーと戦うにはあまりにも長すぎる。



 
フレディ・ローチ:ヘビー級は他の階級とは違う。彼らだけが減量せずに、自由に最も強い肉体に仕上げてリングに上がる。そのパンチは破格で、しかも彼らは打たれ強い。

そして、最近はそのサイズが大型化している。

2階級制覇は誰でもできる御時世だが、クルーザー級からヘビーを制することが今でも難関であることには理由がある。



アンドレ・ロージア:クルーザー級のパンチと打たれ強さでは、ヘビー級では生き残れない。 ウシクは技術があるが、それに今以上のスピードが必要だ。

それも、尋常でないスピードでないと大きな怪物に呑み込まれてしまうだろう。



Does Usyk has any advantages coming up in weight? ウシクはヘビー級では八方塞がりか?

シールズ:ウシクの技術は本物。そして彼にはアマチュア時代から培った豊富な経験がある。スピードはヘビー級でもトップクラス。

技術と経験、スピードの土俵で戦うことだ。力比べで勝てる相手はヘビー級では少ない。



バンクス:スピード。クルーザーでもパワーパンチャーでなかったウシクはスピードで勝負するしかない。

彼のスピードはヘビー級で十分に通用する。そのスピードとパンチをまとめる技術、ヘビー級では彼のように美しくコンビネーションをつなぐボクサーはいない。

パンチのスピードと回転で、トップ選手を戸惑わせることが出来る可能性がある。


サンチェス:彼は特別な才能を持っている。ハンドスピードとリングの中での判断力は、ヘビー級でも一番かもしれない。

彼はホリフィールドのように220〜225ポンドに増量してくるだろうが、それがスピードを減退させるとなると致命的だ。ウシクはどれほどの根性の持ち主か、まだわからないが、ホリフィールドのレベルでないことは間違いない。


ローチ:彼は非常に優れたクルーザー級。非常に優れたクルーザー級は多くのヘビー級ボクサーを翻弄できるだろう。ただし、全てのヘビー級ボクサーではない。

もし、トップのヘビー級と戦うとなるとウシクでもひとたまりもないだろう。



ロージア:ウシクにはスピードと独特のやりにくさがある。それはヘビー級でも有効だろう。

ただ、ヘビー級は体格で決まる面もある、唯一の階級。そこに体格で不利なウシクが乗り込むには覚悟だけでなく、相当の技術的な準備が必要だ。



Who can give him trouble as a heavyweight? ウシクがヘビー級で痛い目に会うとしたら誰に?

シールズ:タイソン・フューリーやデオンティ・ワイルダー、アンディ・ルイスJr.は、ウシクにとって技術やスピードでどうなる相手ではない。

しかし、そこまで辿り着けないだろう。

ダニエル・デュボアにも勝てないだろう。アマチュア時代に勝っているジョー・ジョイスにも大苦戦して負けるだろう。


バンクス:ヘビー級の最前線ではウシクは通用しない。クルーザー級でも目立たなかったパワーは、ヘビー級ではどこまで貧弱になるのか。

ヘビー級のトップは、打たれ強さと1発で流れを変えるパンチを持っている。ルイスが典型だ。ウシクはクルーザー級だからうまく戦えていた。しかし、ヘビー級は全てが違う。


サンチェス:フューリーやワイルダーの戦いと、クルーザーやライトヘビーの試合は別物。ウシクの勇気には尊敬しかないが、彼が勝てるヘビー級は限られている。

アマチュア時代に勝っているジョー・ジョイスとの〝再戦〟は実現するだろうが、結果は返討ち。

スピードでアドバンテージのないアンソニー・ジョシュアやルイス相手では何ラウンドまで立っていられるか。


ローチ:ワイルダー、フューリー、ジョシュアには勝てない。ウシクにはあまりにも大きく、強すぎる。


ロージア:チャンピオンクラスには勝てない。ワイルダーの攻撃には最初の3分間で粉砕されるだろう。

二線級相手でも大きなヘビー級には分が悪いだろう。



How successful will Usyk be at heavyweight? ウシクはヘビー級でどこまでやれるか?

シールズ:段階を踏んでいけば、トップ戦線に食い込めるのではないか。



バンクス:私の見立てではウシクはヘビー級のトップ10には入ると思う。(何かしらの)世界タイトルを獲得すると考えている。



サンチェス:うまいマッチメイクをくぐれば世界王者になれるだろう。いまの時代、トップでなくても世界王者になれる。ウシクは強豪を回避すれば世界王者になる。

 
ローチ:これは軽量級の二階級制覇ではない、中量級や重量級の二階級制覇でもない。ヘビー級だけは特別。 

ライトヘビー級で17戦全勝17KOのマイケル・モーラーがヘビー級ではどれほど貧相になってしまったか。ウシクが開こうとしている新しい本は、彼には読めない字で書かれている。


ロージア:ここで予想するのは失礼だ。期待して見守ろう。



>>>>>厳しい予想ですね。下の階級から上がって、まともに通用したのは歴史上、ホリフィールドしかいません。 

クルーザーとの間に減量のある210ポンドくらいの「スーパークルーザー級」 があれば、ウシクなら簡単に二階級制覇できたと思いますが…。