ロンドン五輪金メダルから、日本ボクシング史上類を見ない巨大なサポートを受けてプロ入りした村田諒太のプロ戦績は16戦14勝11KO2敗。

ここまでの16戦で海外メディアや、オッズで「不利」と見られたことは一度もありませんでした。

そして、ゲンナディ・ゴロフキンのトレーナー、アベル・サンチェスが「次は村田諒太と東京の巨大スタジアムで戦う可能性が高い」と、日本のボクシングファンがメロメロになるような言葉を耳にしながら迎えたロブ・ブラントとの第一戦(2018年10月20日)。

9ヶ月前にウィリアムヒルが叩いた賭け率は村田の勝利が1.25倍、ブラント4倍。多くのメディアも「村田のパワーの前に非力なブラントは終盤まで持たない」と見ていました。

しかし、試合結果は119−109*2、118−110の準完封負け。

手数が少ない、攻防分離。戦略にBプランがない…村田の欠点が全て吐き出されたような試合でした。

「タッチボクサーのブラントは村田にとって最悪の相性」というのは真実かもしれません。

実際、明日に迫った再戦のオッズは1−2〜1−3で村田不利で推移。現時点で村田勝利が3倍、ブラント2/7(1.29倍)とその流れに変わりはありません。ブラント有利で試合開始ゴングが鳴らされるのは決定的です。

「ミドル級で(日本人の)村田が生き残ることはマーケットにとっては好ましいことだが、我々が目撃するのは13ラウンド目からの12ラウンド(前戦と同じ展開になる)だろう」(英国ボクシングニューズ誌)。

「村田不利」は、前戦の内容を振り返れば当然でしょう。

そして、この試合を落としても村田がカネロ・アルバレスやGGGの〝咬ませ犬〟的な対戦相手として、最後のチャンスを与えられる可能性もあるでしょう。
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ただ「世界的な人気階級に日本人が覇権を打ち立てる」という夢を村田に賭けていたファンにとっては、この試合がラストチャンスです。

井上尚弥のネクストは現れるでしょう。軽量級で世界を震え上がらせる日本人は、過去も現在も、そして未来も現れ続けるでしょう。

世界へ斬り込むという見地からは、欧米が注目するビッグネームなど元から存在しえないクラスの井上よりも、内山高志の方が集める視線の温度は上でした。

もちろん、人気階級のミドルやウェルターでも日本人が世界のピースを掴むことは十分にありえます。

しかし、五輪で金メダル、しかもミドル級のボクサーがプロのリングでも覇権を築く…そんなスペクタクルに胸躍らせることは、おそらくもうないかもしれません。