「米国で戦う理由はない。報酬も注目度も英国の方が遥かに上なのにどうして大西洋をわたる必要があるんだ?」。

ヘビー級で主要団体の3/4のベルトを掌握しているアンソニー ・ジョシュアが米国進出について問われたときの言葉です。

現在のボクシングシーンで1000万ドルを超えるファイトマネーを稼ぎ出すボクサーはカネロ・アルバレス、マニー・パッキャオにジョシュアしかいません。

黄金時代を謳歌する英国ボクシングの象徴ジョシュアですが、ついに米国デビューを果たします。

彼らを新大陸に駆り立てる理由は何なのか?

そして、意外にも米国のリングは歴史的に、スターダムの頂点を目指す異国のスーパースターに対して非常に冷たい態度を取ってきました。

「ロベルト・デュランとパッキャオがいるじゃないか?」。

そう反論されるかもしれませんが、まずデュランは強烈なライバルに恵まれる中で偉大なレガシーを積み重ねたことは間違いありません。
 
しかし、石の拳はPFP1位でしたが、人気で米国No.1ではありませんでした。

パッキャオはメイウェザー引退の間隙を縫ってPFPと人気(メイウェザーの〝人気〟は純粋な人気ではありませんでしたが)ともに頂点に登り詰めましたが、米国人にとってパッキャオは「異国のスーパースター」ではありません。

彼らにとってパッキャオは「米国で覚醒し米国人トレーナーの導きによって奇跡の成長を遂げた米国育ちのスーパースター」です。

もしかしたら米国人は「他人の唾がついたものには興味がない」のかもしれません。

米国で頂点に立つことを夢見るクリチコ兄弟を、米国ファンは「試合がつまらない」と拒否しました。しかし、彼らが米国出身、米国育ちの白人だったなら全く違う世界を手に入れていたでしょう。

しかし、ジョシュアは「ビジネス」「熱気」の両面でメリットのない米国遠征を決断しました。確かに米国で成功することは他の国のボクサーにとって特別な意味がありますが、それは英国において特に際立ちます。

英国発祥のボクシングは、米国で飛躍的な発展を遂げました。今回のケースは違いますが、米国人王者から世界タイトルを奪うことは、英国にとってプライドを取り戻す快感を伴う偉業なのです。

もちろん、この背景には米国市場も掌握しようと野望を燃やすエディ・ハーンの存在がありますが。
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メキシコ系ボクサーの世界ヘビー級タイトル獲得は積年の悲願でしたが、過去7度の挑戦はいずれも失敗に終わっています。圧倒的不利予想のアンディ・ルイスJr.は〝8度目の正直〟を実現できるのでしょうか?

いよいよ明日に迫った BRITISH HEAVYWEIGHT STAR UNVADES NYC(英国のヘビー級スターがニューヨークを征服する)。

ジョシュアの相手は、The Cherry(これぞ雑魚挑戦者)のアンディ・ルイスJr.。多くのメディアが「勝敗ではなく時間が問題(ジョシュアがいつKOするか)」と断定する興醒めのマッチアップです.

しかし、明日のマジソン・スクエア・ガーデンは英国ファンで大盛り上がりでしょう。もちろん、ウィンブリーをはじめ巨大サッカースタジアムをフルハウスにしたジョシュアの目にMSGは小さく映るでしょうが。

はたして、ジョシュアは米国でも絶大な人気を獲得できるのか…マッチルームの米国征服は成し遂げられるのか?