126ポンド、フェザー級です。

このクラスになると、欧米でもビッグネームの強豪が名前を連ねてきます。

「フェザー級までが軽量級」という考え方は、オスカー・デラホーヤやフロイド・メイウェザーら中量級のスーパースターがジュニアフェザー級をスタート地点にしたことの影響もあるのでしょうが、欧米では一般的に「ライト級以下が軽量級」です。

一方で日本では「フェザー級までが軽量級」が一般的です。しかし、ストロー級〜ジュニアフェザー級までの6階級とフェザー級は明らかに毛並みが違います。

さて、1位のレオ・サンタクルス(AAA)はバンタムではビッグマッチが見当たらず、山中慎介らの非公式オファーを無視してフェザーを目指しました。

同じくバンタムからは6位のアブナル・マレス(A)、ジュニアフェザーからは5位のカール・フランプトン( AA+)がフェザーに進出。

現在の軽量級で最もハイレベルとされるジュニアバンタムの面子と比べてもその名前の大きさは明らかです。

マレスはより大きなレガシー(ボクシングの世界でもよく使われますが「遺産」ではなく「栄光」と訳す方がその意味に近いですね)を求めて、ジュニアライト級に進出しましたが、いずれにしてもこの階級の猛者たちはUndisputed Champion よりもとにかく栄光を希求する傾向があります。

フランプトンはもちろんジョシュ・ウォリントン(AA+)に勝てば英国はもちろん米国のファンもビックリするでしょう。

この面子では地味ですがゲイリー・ラッセルJr.もA+(階級最強候補)の強豪王者、オスカル・バルデスも世界評価は一段落ちますが無敗(A-)。

クルーザー級やジュニアウェルター、バンタムでWBSSがトーナメントを開催できた最大の理由は「世界的には需要のない不人気階級」だから。それにもかかわらず「高額賞金トーナメント」とぶち上げたところにWBSSの卑劣と低俗が透けて見えます。

軽量級は食指を伸ばしやすいクラスが多いとはいえ、すでに大手プロモーターと契約しているスター選手が多いジュニアバンタムやフェザーでやろうとしても誰も見向きはしません。

特にフェザーのビッグネームは、WBSSの嘘など「中量級でもあるまいし、どっからそんなカネが湧いてくるの?」とすぐに見破るでしょう。

FEATHERWEIGHT (UP TO 126 POUNDS)
FIGHTERFIGHTS
1. Leo Santa Cruz   Last: W (UD12) Rafael Rivera, Feb. 16
Record: (36-1-1)Next: TBA
  
2. Josh Warrington   Last: W (UD12) Carl Frampton, Dec. 22
Record: (28-0)Next: June 15 vs. Kid Galahad
  
3. Gary Russell Jr.   Last: W (UD12) Joseph Diaz Jr., May 19
Record: (29-1)Next: May 18 vs. Kiko Martinez
  
4. Oscar Valdez   Last: W (TKO7) Carmine Tommasone, Feb. 2
Record: (25-0)Next: June 8 vs. Erick Ituarte
  
5. Carl Frampton   Last: L (UD12) Josh Warrington, Dec. 22
Record: (26-2)Next: TBA
  
6. Abner Mares   Last: L (UD12) Leo Santa Cruz, June 9
Record: (31-3-1)Next: TBA
  
7. Joseph Diaz Jr.   Last: W (UD10) Charles Huerta, Feb. 9
Record: (28-1)Next: May 4 vs. Freddy Fonseca
  
8. Kid Galahad   Last: W (UD8) Brayan Mairena, Dec. 8
Record: (26-0)Next: June 15 vs. Josh Warrington
  
9. Xu Can   Last: W (UD12) Jesus Rojas, Jan. 26
Record: (16-2)Next: TBA
  
10. Shakur Stevenson   Last: W (UD10) Christopher Diaz, April 20
Record: (11-0)Next: TBA

井上尚弥自身がこの階級への進出は「無理」と否定していますが、フェザー級こそが軽量級の終着駅です。

井上のスパーリングパートナーとして有名なジェネシス・セルバニアはフェザーを主戦場にしてはいますが、リング誌もESPNも10傑とは認めていない「BB」クラス「穴王者、あるいは本当の世界ランカーにも数えられない挑戦者」でしかありません。

セルバニアと練習で五分の井上がフェザーに挑むのは確かに無謀過ぎるかもしれませんが、ファンはどこまで行けるか、つまりどこで粉砕されるのか、残酷な瞬間も見てみたいという無責任な存在です。

モンスターの強さの根源はそのスピードやテクニック、パワー、大幅な減量からのリバウンドのアドバンテージよりも、客観的に自分を分析できる冷静さなのかもしれません。

幸いというか残念というか、ジョニー・ゴンザレスを「(楽勝すぎて)ごちそうさま」と口にした長谷川穂積の〝愚かな軽率〟を、井上からは微塵も感じることが出来ません。

しかし〝愚かな軽率〟と〝勇気ある偉業〟は全く同じコインの表裏です。二つを分け隔てるものは勝ったのか、それとも負けたのか、そのただ一点だけです。

もちろん、何度もコインを投げてことごとく〝表〟を出したマニー・パッキャオは〝勇気ある偉業〟を実現させるだけの十分な実力を備えていたわけで、そもそも〝愚かな軽率〟になりようがなかったとも言えます。

この観点から、長谷川穂積にはコインの表を出す実力がもとから欠落していたのであって、大きく有利とオッズが叩かれたフェルナンド・モンティエル戦もジョニゴン戦もキコ・マルティネス戦も、本質的な意味で番狂わせなどではなく、実力をそのまま曝け出したに過ぎませんでした。


無責任なファンとしては井上が〝無謀な軽率〟を選択して破壊されるシーンが見たい以上に、キャリア初の圧倒的不利予想のなかで投げたコインが表を向く瞬間を歓喜したいのですが…。