2月23日(土)=現地時間=メキシコ、ティファナ・バハカリフォルニア。

ブランドン〝バンバン〟リオスvsウンベルト〝クラフティ・リトル・フォックス〟ソト。


元世界ライト級王者のバンバン・リオス(35勝26KO4敗1分)は数度の引退宣言を経て「どうしてももう一度世界チャンピオンのベルトを巻かなければならない理由がある」と、リングへの情熱を再び燃やし始めています。

4月に33歳と、もう一花咲かせてもおかしくない年齢ですが、激闘型のリオスの肉体は芯から劣化が進んでいるのは間違いありません。4つの敗北は直近8試合に喫したものです。

一方の〝クラフティ・リトル・フォックス〟(狡猾な小さな狐)ソトは、は68勝37KO9敗2分と、79試合を戦ってきました。

フェザー、ジュニアライト、ライトと三階級にわたってトップ選手としてリングに上がり続けていますが(ジュニアライトとライトの二階級制覇:フェザーは暫定なので世界的にはカウントしません)、この5月で39歳を迎えます。

この歴戦の〝狐〟もまた、そのキャリアの幕が下りようとしているところです。

戦い続けて消耗・劣化した二人が明日、ティファナのリングに上がるのです。

しかも契約体重は147ポンド、ウェルター級。(BoxRecではウェルター級ですがESPNではジュニアウェルター級契約と報じられています※)

この試合の勝者が、全17階級で最もレベルの高い147ポンドのトップ戦線に名乗りを上げることなどできるわけもなく、ボクシングというスポーツにとっては重要性の低い試合です。

それでも、彼らには需要があります。だから、メインイベントに起用され、DAZNが世界にライブ配信するのです。


リオスは最新試合で昨年11月17日、ジュニアミドル級のリカルド・アルバレス(カネロのお兄さん)を9ラウンドでストップしていますが、その9か月前にはダニー・ガルシアの拳にTKOで散らされています。

リオスは2015年11月にティモシー・ブラッドリーに惨敗したことで、ロベルト・ガルシアとのトレーナー契約を解消していましたが、ガルシア戦から再びその指導を仰いでいます。

今回の相手ソトは、リオスの映し鏡のようなファイターです。

135ポンド近辺で世界のトップに立ち、一発のパンチはないものの、好戦的なスタイルと手数で対戦相手を追い込んでゆく。

リオスは「ソトを甘く見てはいない。年老いた元王者ではない。練習にも生涯最高の集中力で取り組んでいる。エディー・ハーンが3試合契約を結んでくれたことで、多くの可能性が広がった」と、再び世界を掴むことを夢見ています。

この興行は、ザンファ―プロモーションズと業務提携したマッチルームのメキシコ進出第一段となる記念すべきイベントです。

そして、リオスには娘のミアの存在も大きなモチベーションになっています。

And then there was promise to his daughter.

「ミアは空手に夢中なんだ。黒帯を取りたいって毎日練習してる。だから、約束したんだよ。ミアが黒帯を取ったら、お父さんも必ず世界王者に返り咲くって。そのときはチャンピオンベルトをプレゼントするよって」。



※先ほど前日計量が終わりました。ジュニアウェルター級契約でしたね。

リオスは151ポンド3/4。ソトは、なんと5ポンド以上も軽い146ポンド1/4、ウェルター級リミットも下回っています。

これは、リオスのための舞台設定ですね。ソトがジュニアミドル級契約でまともな体は作れないと踏んだか。

典型的なリバウンダ―、リオスは20ポンド前後増量してスーパーミドル級(168ポンド)を軽く上回る体重で明日のリングに上がることになるでしょう。


オッズはリオス勝利1.10倍、ソト6.5倍とリオスに大きく傾いていますが、この勝負はわかりませんね。

人気者リオスは負けっぷりもいいし、ハーンの目にはまだまだ使える駒に映るのでしょうが、試合はどう転ぶかわかりません。

叩き上げの狡猾な狐が、規律を喪失したリバウンダーの弛んだボディを抉れば番狂わせは簡単に起きるはずです。

願わくば、そうなって欲しいですね。

ハーンの浅はかな皮算用を、狡猾な狐に噛みちぎっていただきたいものです。