ロブ・ブラントがハッサン・バイサングロフを11ラウンドでストップ、村田諒太から番狂わせで奪ったミドル級の WBAセカンドタイトルの初防衛に成功しました。

ここまで16戦全勝7KOと無敗のバイサングロフでしたが、ウクライナとロシア、アゼルバイジャンといったホームのロシア圏で全ての試合を戦い、その16人の対戦相手の質も非常に低いものでした。

それでもスピード、テクニック、パワーの全てにおいて無名のロシア人を上回り、11ラウンドに仕留めたミネソタのブラボーの動きはキレキレでした。

10ラウンドまでのオフィシャルも99−90*2/98−91。

ミネソタ州ヒンクリー・グランドカジノという小さな会場とはいえ入場券は完売、2225人が詰めかけ、11ラウンドの間、地元のヒーローに熱狂的な大声援が、送られました。



ブラボーはキャリア26戦のうち、なんと14戦を地元ミネソタのリングに上がっています。

その理由は「地元以外では需要がない」という悲しい事実だけでした。

しかし、今回は「ラスベガスに咬ませ犬として呼ばれながら、五輪金のビッグネームからベルトを奪って帰還したローカルヒーローの凱旋」という二つ目の理由が加わりました。

「地元で防衛戦ができて最高。村田に勝ったのはフロックとか、村田が過大評価だったからとかいろいろケチをつけられていたが、これで本当に世界王者になった気分。後半はふくらはぎが攣りそうになったけど、それだけ力を入れて戦ってたってこと。問題はなかった」と上機嫌のブラボー。
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ミドル級、スーパーミドル級のビッグネームがことごとく無視したWBSSのオファーを真剣に考えて、米国ではマイナーなこの大会への出場を決断、16ヶ月前の2017年10月に大西洋を渡ったブラント。

「米国でテレビ放映もされないマイナー大会に出場した理由?チャンスが欲しかったからだ。いくらマイナーでも欧州で優勝したら、アメリカが私に振り向いてくれるはず、そう信じていたから」。

しかし、そのWBSS一回戦でロートルのユルゲン・ブレーマーに完敗、キャリア初黒星を喫してしまいます。

「誰も注目してなかったけど〝ドイツに恥を晒しに行っただけ〟とか書かれた。悔しかった。村田とのビッグファイトが決まったときは、これが最後のチャンスと命がけで練習した。それで何かが変わったかもしれない」とWBSSの挫折と、村田に勝利したことでボクサーとして成長できたと実感しているブラボー。

「リングの外でもトップランクと契約できた。夢の歯車が動き出した音がはっきり聞こえる。ミドル級がタレント揃いの階級で、私の名前がまだまだ小さいことはわかっている。カネロ・アルバレスがこのクラスのトップであることは認める。 ただ、それは彼が私よりも強いと認めてるんじゃない。やれば勝つ自信はある。いつかやることになるだろう」。

この16ヶ月という短い時間で、わずか3試合、星勘定も2勝1敗。

しかし、ブラボーにとってはこれ以上なく濃密な時間で、意味のある3試合となりました。



リング誌によると次戦は「東京で村田との再戦」が有力で「豪州ブリスベーンで ジェフ・ホーン」という交渉も進んでいるそうです。

いずれにしても〝トップランクの家庭内事情〟で次の相手が決まりそうです。

それでもブラント本人は「5月4日の勝者(カネロvsダニエル・ジェイコブス)と戦いたい」と大きな夢を膨らませています。
 
 

ミネソタのブラボーがホンモノかどうか、まだ評価できません。

村田戦が決まって全身全霊をかけてチャンスを掴みとろうとした姿勢を、ボクシングの神様が見ていたことは間違いありません。

しかし、次は村田諒太が神様を振り向かせる番です。

きっと、そうなるでしょう。

神様が無視できないくらいのことをやって、リングに戻ってくるはずです。


ボクシングの神様ほど気まぐれな神様はいません。