【刺客番号⑤】“カル” ヤファイ 24勝14KO無敗
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「ジュニアバンタム級時代の井上尚弥を回避したヤファイなんて相手にならない」。

おそらく、それは間違いです。ヤファイは、その人気の高さゆえに過小評価されています。

統一トーナメントではないものの、SUPERFLY興行で最後に生き残るのは、この英国軽量級最大のスターかもしれません。

昨日の試合を観ましたが、強い。間違いなく強い。ハートも技術も、全部持ってます。

5月26日 WBA世界ジュニアバンタム級タイトルマッチ カリフォルニア州フレスコ セイブマートアリーナ

王者カリド・ヤファイ vs 挑戦者デビッド・カルモナ


2015年5月に、井上尚弥の拳を最終ラウンドまでかわした、あのカルモナです。井上が試合途中に両拳を痛めたとはいえ、それは関係ありません。

井上が負傷しながら戦っていたと聞かされたカルモナが「私も新しいシューズで靴擦れを起こした両足の水膨れが7ラウンドで潰れてしまった。それ以降は踏ん張れない状態だった。血まみれの足を見るかい?」と憮然として答えました。

そのカルモナを、英国を離れて初めて戦うヤファイ(アイルランドで1試合だけ戦っていますが完全ホームの舞台です)が迎え撃つ一戦。

カルモナがやらかしました。体重超過です。2回目の計量でも118.6ポンド、リミットを3.6ポンドもオーバー。

それでも1ラウンド、左フックでカルモナを沈めます。フィニッシュを急ぐヤファイは、強烈な右カウンターを食ってしまいますが、なんとか持ち直します。

ヤファイは、4ラウンドにボディでダウンを追加。カルモナはローブローを主張しますが、ヤファイのボディは村中優戦でも見せたように“巧妙”ですね。

続く5ラウンド、綺麗なコンビネーションで体重超過のメキシコ人から3度目のダウンを奪います。このラウンド終盤には、スリップしたカルモナにパンチを当てて減点されますが、試合の帰趨は明らかです。

6ラウンド、ヤファイは冷静にボディブローを狙って、消耗したカルモナを削っていき、この3分間が過ぎました。

カルモナは7ラウンドのゴングに応じず、コーナーが棄権をレフェリーに告げました。

ヤファイは3度目の防衛に成功。

同じ興行に出場したIBF王者ジェルウィン・アンカハスも同胞のジョナス・サルタンに快勝、統一戦の気運が盛り上がっています。
"It was a good performance from Kal Yafai tonight. He wants to unify," said Hearn. "When you look at the champions I think Ancajas is not the easiest, but the easiest to do a deal with to make that fight. 今夜もヤファイは最高だったね。彼は階級統一を望んでいる。アンカハスは簡単な相手じゃないけど、彼との統一戦を実現するのは簡単だ。〜(ヤファイをプロモートする)エディ・ハーン
 ⬆︎それにしてもハーンって忙しい人ですね。つい先日まで日本にいたのに…。


ヤファイはタイトルを獲得した試合でも、王者ルイス・コンセプションが体重超過、それでも圧倒的な勝利を収めています。

アマエリートで、プロ入り後もプロテクトされてはいますが、温室栽培のひ弱さはありません。非常にタフなボクサーです。

来年、この階級を完全統一したあとは、二階級制覇を目論んでいるといいますから、タイミング的にはWBSSの決勝が終わって、迎え撃つのもバンタムの統一王者になる可能性大です。

もちろん、アンカハスも強敵、シーサケット・ソールンビサイも強敵です。ヤファイが勝ち残る保証はどこにもありませんが、強烈なスターパワーを持つ選手が勝ち上がることは、井上尚弥を擁する日本のボクシングファンにとっても大きな楽しみとなります。