平昌オリンピック、トップスポーツの感動は、アスリートが全力を尽くして競技する躍動そのものがら引き起こされる…と言いたいところですが「金メダル=世界一」を目指す、その美しく残酷なサバイバルから、湧き上がるものです。
「誰が一番強いのか」。それが決定することに、覇権を争ったあとに、勝者と敗者が生まれることにエクスタシーを覚えるのです。
その覇権を、夏と冬、多彩な種目にわたって4年に一度、国旗を背負って戦うイベントが面白くないわけがありません。
羽生結弦は幸せです。小平奈緒は幸せです。高木菜那は幸せです。
彼らが、金メダルを勝ち取ったからではありません。
正真正銘の、世界一を決める舞台が、毎年ワールドカップ戦があって、4年に一度は五輪まであるからです。
目の前の勝負に、全身全霊を捧げて戦えば、勝ち続ければ、その先に必ず世界最強決定戦の舞台が用意されているのですから。
五輪で勝てば、ニュース速報が流れ、翌朝には号外が配られます。
総理大臣が、直々に電話をかけて祝辞を語ります(これはあんまり要りませんが)。
プロボクサーは、どうしたら、そのステイタスに辿り着けるのでしょうか?
もっと正確に言えば、「〝今の〟プロボクサー」は、どうしたら、そこまで認められるのでしょうか?
ロンドン五輪で金メダルを獲った村田諒太は、なるほど特別待遇です。アマチュアボクシングでミドルで金です。素晴らしいとしか表現できません。自分が学生の頃には「日本人がミドルで五輪金メダルを取る」なんて、漫画でも考えられませんでした。
日本はおろか、もし、村田が米国人なら「(ボクシング凋落著しいがゆえに〝最後の金メダリスト〟と痛切に語られる)アンドレ・ウォード以来の金メダル」として、日本以上の鋼鉄製の温室で純粋培養されたでしょう。
しかし、プロボクシングの世界王者は、今や完全にマイナースポーツ扱いです。日本人で初めてリング誌の年間PFPに入った井上尚弥ですら、視聴率は10%にも届かず、その知名度は純粋想起だと20%も怪しいでしょう。
1980年から38年にわたって専門家投票でランキングされてきた「BEST FIGHTER POLL」。日本人がランキングされるのは、初の快挙ですが…。
日本人のプロボクサー、世界チャンピオンが、一般のスポーツファンにも認められていない現状は、何故なのでしょうか?
かつて、具志堅用高は国民栄誉賞の議題にあがりました。創設された1977年以前に、この賞が存在していれば、白井義男とファイティング原田は、他のスポーツのトップ選手を差し置いて、間違いなく受賞していたでしょう。
マニー・パッキャオやシーサケット・ソールンビサイは、ビッグファイトに勝利を収めたことで国民的英雄に登り詰めました。
パッキャオは例外としても、シーサケットは「115ポンドの(壁にぶち当たった)ローマン・ゴンザレスに2連勝、ファン・フランシスコ・エストラーダとの激戦に勝利」して、タイ最高のアスリートとなりました。偉業ですが、フライ級までがプライムタイムだったロマゴンやエストラーダに勝つのは、井上でも絶対不可能だったとは思えません。
もちろん、クロスレンジでは危うさしか感じられない井上がロマゴンやエストラーダに、「え?」というパンチで沈められる可能性も十分ありますが。
もし、シーサケットと同じことを井上がやっても、首相官邸に招かれたり、天皇陛下が空港に出迎えるかとなると、甚だ疑問というか、ありえません。
それは、フィリピンやタイよりも日本が国家として成熟、老成しているからなのでしょうか?あるいは、ボクシングの世界王者の地位が不審で怪しい存在に失墜してしまったからなのでしょうか?それとも、その両方でしょうか?
プロボクシングの世界王者が誕生して、ニュース速報が流れたり、号外が配られることは、何があってもありえないのでしょうか?
もし、それが、ありえるとしたら、どういうケースなのでしょうか?
ボクサー本人もわかっています。「自分たちは世界一じゃない」と。
ボクサー個人には、なんの責任もないのに、日本人は世界王者になっても、何度防衛しても、彼らは満たされない思いに懊悩させられるのです。
全ては、ボクシングの仕組みが悪いのです。日本も、世界も。
この醜悪なボクシングの仕組み、日本と世界の唾棄すべき〝奴らのやり方〟に、自分たちなりの答えを求めて闘った二人のボクサーの物語です。
本来、ボクサーが戦うのは目の前の敵だけです。仕組みだとか、システムは考えなくても、勝ち続けていれば、おのずと強敵が現れる、世界最強決定戦の舞台に辿り着く…はずです。しかし、日本人世界王者の場合は、ほとんど全ての場合、次から次へとその実力が極めて怪しい雑魚挑戦者が雨後の筍のように押し寄せてくるのです。
内山高志はジュニアフェザー最強と評価されながら、自分を無視してこの階級を踏み台にしていくビッグネームの背中を何度も見送りました。
山中慎介は、のちに100万ドルファイターになるレオ・サンタクルスとの対戦を熱望しましたが、交渉は全く進展しませんでした。
五輪で活躍する日本人、メジャーリーグで活躍する日本人、欧州サッカーで活躍する日本人。彼らと同列に立つことは、村田のように五輪で金でも取らない限り、プロボクシングでは無理なのでしょうか?
「誰が一番強いのか」。それが決定することに、覇権を争ったあとに、勝者と敗者が生まれることにエクスタシーを覚えるのです。
その覇権を、夏と冬、多彩な種目にわたって4年に一度、国旗を背負って戦うイベントが面白くないわけがありません。
羽生結弦は幸せです。小平奈緒は幸せです。高木菜那は幸せです。
彼らが、金メダルを勝ち取ったからではありません。
正真正銘の、世界一を決める舞台が、毎年ワールドカップ戦があって、4年に一度は五輪まであるからです。
目の前の勝負に、全身全霊を捧げて戦えば、勝ち続ければ、その先に必ず世界最強決定戦の舞台が用意されているのですから。
五輪で勝てば、ニュース速報が流れ、翌朝には号外が配られます。
総理大臣が、直々に電話をかけて祝辞を語ります(これはあんまり要りませんが)。
プロボクサーは、どうしたら、そのステイタスに辿り着けるのでしょうか?
もっと正確に言えば、「〝今の〟プロボクサー」は、どうしたら、そこまで認められるのでしょうか?
ロンドン五輪で金メダルを獲った村田諒太は、なるほど特別待遇です。アマチュアボクシングでミドルで金です。素晴らしいとしか表現できません。自分が学生の頃には「日本人がミドルで五輪金メダルを取る」なんて、漫画でも考えられませんでした。
日本はおろか、もし、村田が米国人なら「(ボクシング凋落著しいがゆえに〝最後の金メダリスト〟と痛切に語られる)アンドレ・ウォード以来の金メダル」として、日本以上の鋼鉄製の温室で純粋培養されたでしょう。
しかし、プロボクシングの世界王者は、今や完全にマイナースポーツ扱いです。日本人で初めてリング誌の年間PFPに入った井上尚弥ですら、視聴率は10%にも届かず、その知名度は純粋想起だと20%も怪しいでしょう。
1980年から38年にわたって専門家投票でランキングされてきた「BEST FIGHTER POLL」。日本人がランキングされるのは、初の快挙ですが…。
日本人のプロボクサー、世界チャンピオンが、一般のスポーツファンにも認められていない現状は、何故なのでしょうか?
かつて、具志堅用高は国民栄誉賞の議題にあがりました。創設された1977年以前に、この賞が存在していれば、白井義男とファイティング原田は、他のスポーツのトップ選手を差し置いて、間違いなく受賞していたでしょう。
マニー・パッキャオやシーサケット・ソールンビサイは、ビッグファイトに勝利を収めたことで国民的英雄に登り詰めました。
パッキャオは例外としても、シーサケットは「115ポンドの(壁にぶち当たった)ローマン・ゴンザレスに2連勝、ファン・フランシスコ・エストラーダとの激戦に勝利」して、タイ最高のアスリートとなりました。偉業ですが、フライ級までがプライムタイムだったロマゴンやエストラーダに勝つのは、井上でも絶対不可能だったとは思えません。
もちろん、クロスレンジでは危うさしか感じられない井上がロマゴンやエストラーダに、「え?」というパンチで沈められる可能性も十分ありますが。
もし、シーサケットと同じことを井上がやっても、首相官邸に招かれたり、天皇陛下が空港に出迎えるかとなると、甚だ疑問というか、ありえません。
それは、フィリピンやタイよりも日本が国家として成熟、老成しているからなのでしょうか?あるいは、ボクシングの世界王者の地位が不審で怪しい存在に失墜してしまったからなのでしょうか?それとも、その両方でしょうか?
プロボクシングの世界王者が誕生して、ニュース速報が流れたり、号外が配られることは、何があってもありえないのでしょうか?
もし、それが、ありえるとしたら、どういうケースなのでしょうか?
ボクサー本人もわかっています。「自分たちは世界一じゃない」と。
ボクサー個人には、なんの責任もないのに、日本人は世界王者になっても、何度防衛しても、彼らは満たされない思いに懊悩させられるのです。
全ては、ボクシングの仕組みが悪いのです。日本も、世界も。
この醜悪なボクシングの仕組み、日本と世界の唾棄すべき〝奴らのやり方〟に、自分たちなりの答えを求めて闘った二人のボクサーの物語です。
本来、ボクサーが戦うのは目の前の敵だけです。仕組みだとか、システムは考えなくても、勝ち続けていれば、おのずと強敵が現れる、世界最強決定戦の舞台に辿り着く…はずです。しかし、日本人世界王者の場合は、ほとんど全ての場合、次から次へとその実力が極めて怪しい雑魚挑戦者が雨後の筍のように押し寄せてくるのです。
内山高志はジュニアフェザー最強と評価されながら、自分を無視してこの階級を踏み台にしていくビッグネームの背中を何度も見送りました。
山中慎介は、のちに100万ドルファイターになるレオ・サンタクルスとの対戦を熱望しましたが、交渉は全く進展しませんでした。
五輪で活躍する日本人、メジャーリーグで活躍する日本人、欧州サッカーで活躍する日本人。彼らと同列に立つことは、村田のように五輪で金でも取らない限り、プロボクシングでは無理なのでしょうか?

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