VADAによる検査で、ルイス・ネリの Bサンプルも、筋肉増強剤が陽性反応を示したと、Ring.TV.comが報じました。

それにしても検査結果が出るのが遅すぎます、あまりにも遅い。

検出されたのはジルパテロル。家畜の育成を早め、肉の量を増やす効果のある物質で、ネリ陣営は「牛肉を食べた時にジルパテロルがネリの体内に残ってしまった」と主張し続けていますが、そんな言い訳は通用しません。

「牛一頭食べても検出されない」「ドーピングとしか考えられない」。そんな話も出てますが、微量だろうがなんだろうが、陽性反応を示したらアウトです。

食事のトレーサビリティに細心の注意を払うのはアスリートとして当然の義務です。風邪薬はもちろん、目薬に含まれている禁止物質も選手と陣営は知っておく義務があります。

「牛肉食べたから」。

はぁ?そんな言い訳が通用するなら、ドーピング検査は必要ありません。

WBCのマウリシオ・スライマン会長は「今週中にネリへの処分を決定する」と声明を出していますが、タイトル剥奪だけなんて軽い処罰はありえません。

もちろんプロボクシングには世界的な統括団体が存在しませんから、本当の処分は各国(米国だと各州)のコミッションが決定することになります。つまり、ローカルなペナルティしか課すことが出来ないのです。

ドーピングへの意識が低いメキシコなどは、数ヶ月の出場停止処分で済むこともあります。毎日どころか毎週も試合を出来るわけのないスポーツで数ヶ月って、そんなもの、ペナルティではありません。

ドーピングが発覚した選手は、陸上競技なら5年前後の出場停止処分が科せられますが、ボクシングという危険なスポーツの性質を考えると、永久追放に近い10年前後の資格停止でも甘いペナルティです。

この結果を受けて、リング誌は、山中慎介をバンタム級王者に返り咲きさせ、同誌の規定に基づき、ネリはバンタム級のトップ10から追放となりました。

それにしても、やりきれない話です。

山中はこのニュースをどう聞いたでしょう。

タイトルが戻ったって、嬉しくもなんともないでしょう。むしろ、ネリがクリーンだったと証明された方が納得できたのではないでしょうか。

自分に勝ったボクサーが、世界を欺く卑怯で卑劣な男だったなんて、あまりにも悲しすぎます。