元PFPキング、フロイド・メイウエザーとUFCライト級王者のコナー・マクレガーの〝異種格闘技戦〟が大きな話題を呼んでいます。
対決はボクシングルールで行うことで両者の意思は一致していますから、正確には「アリ猪木」のような異種格闘技戦ではなく、MMA選手によるボクシングへの〝道場破り〟というのが正しい表現でしょう。
もしこの試合が実現するとなると、メイウエザーが要求している「ファイトマネー1億ドル」も非現実的な金額ではありません。PPVもパッキャオvsメイウエザーには届かなくともそれに次ぐような巨大な数字を売り上げると予想する関係者もいるほどで、興行的には間違いなく成功すると見られています。
そう、ビジネスとしては、間違いなくやるべきイベントなのです。
しかし、パッキャオ戦のように「現代最高のボクサー決定戦」というスポーツとしての意味は、この〝異種格闘技戦〟にはありません。低俗な野次馬根性を刺激してビジネスとしては成功しても「引退して2年経つボクサー」と「MMAの現役王者」がボクシングルールで戦うことには、下劣な見世物を超えた意義は見出せません。
ボブ・アラムは「ボクシング経験のないマクレガーに勝ち目はない。こんな試合に意味はない」と吐き捨て、オスカー・デラホーヤも「メイウエザーのキャリアに無効試合が加わるだけ。万一実現したら、ボクシング界にとっては困ったことだ」と戸惑いを隠せません。63歳のメイウエザー父に至っては「ジャブもまともに打てないマクレガーごときなら今の俺でも勝てる」とこの対決を嘲笑しています。
=創刊95年の老舗・リング誌が2016年1月号でボクシング界とは無縁のMMA選手、しかも女性を表紙にしたことは賛否両論、大きな反響を呼びました。しかし、この号がニューズスタンドに並んだときにはロンダ・ラウジーは大番狂わせに撃沈した直後だったというのは全く皮肉な話でした。
私個人も、異種格闘技戦は公平なルールが成立するわけがないのだから、競技としてはありえないものだと確信しています。もし、やるとしたらお互いのルールで2試合した結果で判定するしかないのです。
しかし、こんな試合を浅ましいショウだと誰もが受けとめていると考えるのは、どうやら大間違いなようです。
全盛期はとうの昔に過ぎ去ったロイ・ジョーンズや、引退同然の目立ちたがり屋ポール・マリナッジ、第一線への再浮上が失敗に終わったデビッド・ヘイらがMMA選手との試合に前向きなのはまだ理解することが出来ます。
効率的に最後の一儲けを目論むだけでなく、薄れゆく世間の関心を、たとえそれが好奇の目だとしても、再び自分に向かせることも彼らにとっては自尊心を満たす大切なことなのかもしれません。
ところが、誰もが認める現代ボクシング界最高級の技術の持ち主までが、MMAとの交流を歓迎しているのです。
それが誰あろう、ウクライナの誇るハイテク、ワシル・ロマチェンコです。
ESPN電子版が、ロマチェンコが元UFCバンタム級王者、TJ・デラショーと4分4ラウンドのスパーリングを行ったと動画を公開しました。異色のスパーリングは公式の試合でも金儲けでもなく、二人が「面白いからやろうじゃないか」と意気投合、「MMAの技術を向上させるために何をすべきかいつも考えている」というデラショーにとっては非常に有意義なものとなったそうです。
デラショーは「ロマチェンコの大ファンの私がこんなチャンスを逃すわけにはいかないよ。コテンパンにやられたって一生の思い出になる」と大喜び。
実際のスパーもロマチェンコには全く歯が立ちませんでした。ジェイソン・ソーサとの試合を目前に控えてキレキレのロマチェンコに対して、7月まで試合の予定がないデラショーは早くも1ラウンドから疲労の色が見えましたが、両者の間に埋めようもない大きな差が横たわっているのは誰の目にも明らかでした。
そして、メイウエザー対マクレガーの試合については二人ともが「ぜひ見たい。ボクシングにとっても MMAにとってもプラスになる」と評価している一方で、その勝敗についてデラショーは「マクレガーが上回るのは体格だけ」とボクシングルールでメイウエザーには勝てないと予想しています。
デラショーの見方は「二つの拳だけを使う戦いは距離が非常に近いから、そのプレッシャーが半端じゃない。キックやテイクダウンを仕掛けてくる相手と戦うMMAとの最大の違いは距離なんだ。ボクシングは至近距離でパンチが交錯する。これにはマクレガーでも対応しきれない」。
ロマチェンコはもっと直截にこの試合を捉えています。
「1000回戦えばマクレガーが1回勝つチャンスはあるか?と聞かれたら、答えはノーだ。マクレガーは1000回やったら1000回とも負ける」。
うーん、試合結果は見えていても、やる意味はあるんでしょうかね?
お互いのスポーツにとって刺激になることは間違いありませんし、そういう意味では悪いことではないのかもしれません。
しかし、もしメイウエザーvsマクレガーが実現、商業的に美味いという理由だけで二匹目のドジョウが続々とわいてきて、純粋なボクシングやUFCの試合よりも注目を集め、大きなイベントになってしまうとなると、それはそれで私には非常に深刻な問題だとしか考えられません。
対決はボクシングルールで行うことで両者の意思は一致していますから、正確には「アリ猪木」のような異種格闘技戦ではなく、MMA選手によるボクシングへの〝道場破り〟というのが正しい表現でしょう。
もしこの試合が実現するとなると、メイウエザーが要求している「ファイトマネー1億ドル」も非現実的な金額ではありません。PPVもパッキャオvsメイウエザーには届かなくともそれに次ぐような巨大な数字を売り上げると予想する関係者もいるほどで、興行的には間違いなく成功すると見られています。
そう、ビジネスとしては、間違いなくやるべきイベントなのです。
しかし、パッキャオ戦のように「現代最高のボクサー決定戦」というスポーツとしての意味は、この〝異種格闘技戦〟にはありません。低俗な野次馬根性を刺激してビジネスとしては成功しても「引退して2年経つボクサー」と「MMAの現役王者」がボクシングルールで戦うことには、下劣な見世物を超えた意義は見出せません。
ボブ・アラムは「ボクシング経験のないマクレガーに勝ち目はない。こんな試合に意味はない」と吐き捨て、オスカー・デラホーヤも「メイウエザーのキャリアに無効試合が加わるだけ。万一実現したら、ボクシング界にとっては困ったことだ」と戸惑いを隠せません。63歳のメイウエザー父に至っては「ジャブもまともに打てないマクレガーごときなら今の俺でも勝てる」とこの対決を嘲笑しています。
=創刊95年の老舗・リング誌が2016年1月号でボクシング界とは無縁のMMA選手、しかも女性を表紙にしたことは賛否両論、大きな反響を呼びました。しかし、この号がニューズスタンドに並んだときにはロンダ・ラウジーは大番狂わせに撃沈した直後だったというのは全く皮肉な話でした。
私個人も、異種格闘技戦は公平なルールが成立するわけがないのだから、競技としてはありえないものだと確信しています。もし、やるとしたらお互いのルールで2試合した結果で判定するしかないのです。
しかし、こんな試合を浅ましいショウだと誰もが受けとめていると考えるのは、どうやら大間違いなようです。
全盛期はとうの昔に過ぎ去ったロイ・ジョーンズや、引退同然の目立ちたがり屋ポール・マリナッジ、第一線への再浮上が失敗に終わったデビッド・ヘイらがMMA選手との試合に前向きなのはまだ理解することが出来ます。
効率的に最後の一儲けを目論むだけでなく、薄れゆく世間の関心を、たとえそれが好奇の目だとしても、再び自分に向かせることも彼らにとっては自尊心を満たす大切なことなのかもしれません。
ところが、誰もが認める現代ボクシング界最高級の技術の持ち主までが、MMAとの交流を歓迎しているのです。
それが誰あろう、ウクライナの誇るハイテク、ワシル・ロマチェンコです。
ESPN電子版が、ロマチェンコが元UFCバンタム級王者、TJ・デラショーと4分4ラウンドのスパーリングを行ったと動画を公開しました。異色のスパーリングは公式の試合でも金儲けでもなく、二人が「面白いからやろうじゃないか」と意気投合、「MMAの技術を向上させるために何をすべきかいつも考えている」というデラショーにとっては非常に有意義なものとなったそうです。
デラショーは「ロマチェンコの大ファンの私がこんなチャンスを逃すわけにはいかないよ。コテンパンにやられたって一生の思い出になる」と大喜び。
実際のスパーもロマチェンコには全く歯が立ちませんでした。ジェイソン・ソーサとの試合を目前に控えてキレキレのロマチェンコに対して、7月まで試合の予定がないデラショーは早くも1ラウンドから疲労の色が見えましたが、両者の間に埋めようもない大きな差が横たわっているのは誰の目にも明らかでした。
そして、メイウエザー対マクレガーの試合については二人ともが「ぜひ見たい。ボクシングにとっても MMAにとってもプラスになる」と評価している一方で、その勝敗についてデラショーは「マクレガーが上回るのは体格だけ」とボクシングルールでメイウエザーには勝てないと予想しています。
デラショーの見方は「二つの拳だけを使う戦いは距離が非常に近いから、そのプレッシャーが半端じゃない。キックやテイクダウンを仕掛けてくる相手と戦うMMAとの最大の違いは距離なんだ。ボクシングは至近距離でパンチが交錯する。これにはマクレガーでも対応しきれない」。
ロマチェンコはもっと直截にこの試合を捉えています。
「1000回戦えばマクレガーが1回勝つチャンスはあるか?と聞かれたら、答えはノーだ。マクレガーは1000回やったら1000回とも負ける」。
うーん、試合結果は見えていても、やる意味はあるんでしょうかね?
お互いのスポーツにとって刺激になることは間違いありませんし、そういう意味では悪いことではないのかもしれません。
しかし、もしメイウエザーvsマクレガーが実現、商業的に美味いという理由だけで二匹目のドジョウが続々とわいてきて、純粋なボクシングやUFCの試合よりも注目を集め、大きなイベントになってしまうとなると、それはそれで私には非常に深刻な問題だとしか考えられません。
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