大試合ではいつもアンダードッグ扱いを受けてきたガルシアに対して、サーマンはこれまでのキャリアで不利のオッズや予想を立てられたことがありません。これはガルシアが殿堂入り確実のレジェンド、モラレスを筆頭に、カーンやマティセというスピードとパワーそれぞれでは全階級を通じて屈指とみられた名のある強豪と拳を交えた結果です。かつてのウエルター級統一王者のジュダーも破っているガルシアの対戦相手と比べると、確かにサーマンの戦譜は地味に映ります。
そうは言っても昨年破ったのショーン・ポーターは旬を迎えている強豪で、サーマンのキャリアで最も大きな白星でした。彼が勝ってきたカルロス・キンタナ、ディエゴ・チャベス、ヘスス・ソト・カラス、レオナルド・ブンドゥ、ロバート・ゲレロ、ルイス・コラーゾらは殿堂入りはありえない、階級最強とも考えられない選手ですが、誰にとっても簡単な相手ではなく、ウエルター級のコンテンダーにふさわしい名前ばかりです。
また、2012年11月24日に4ラウンドTKOで圧勝したキンタナからは、ウエルターの一つ上の階級であるNABOのスーパーウエルター級のタイトルを奪取しています。キンタナは、当時PFP上位に進出してあのメイウエザーも対戦を避けていると言われたポール・ウィリアムスから疑惑の判定とはいえ大番狂わせでWBOウエルター級王座を獲得、その生涯で負けた4戦はいずれも世界戦、相手はミゲール・コット、ウィリアムス(再戦)、アンドレ・ベルト、そしてサーマン。特質すべきはこの4人がいずれも全盛期を迎えた当時無敗のスーパースター候補だったことです。
そんなキンタナがスーパーウエルター級に上げたところでサーマンが粉砕、引退に追い込みんだのです。そのあと階級をウエルターに戻して暫定ながら WBA世界王者になったサーマンはロバート・ゲレロを振り切って正規王者に昇格します。
さて、このロバート・ゲレロ。どこが強いのかよく分からない非常にユニークな選手です。
日本の粟生隆寛から WBCスーパーフェザー級のタイトルを奪い、初防衛戦で三浦隆司にTKOで敗れたガマリエル・ディアスに2005年フェザー級の北米タイトルを懸けて戦い負けてるんです。ウエルター級では亀海喜寛とも激戦を展開しました。
もともとはフェザー級でIBFのタイトルを獲得、2009年にやはりIBFのスーパーフェザー級王者になって2階級制覇、さらに2011年には絶対不利の予想を覆してマイケル・カツディスを判定で下し、2団体とも暫定ながらWBAとWBOのライト級世界王者となり3階級制覇に成功。
しかし「カツディス以外は名前のある選手はいない」「世界レベルの舞台で圧倒的なパフォーマンスで勝ったことがなくいつも接戦」という貧弱なキャリアで3階級制覇するという不思議。
誰もが運のいい選手だと思っていましたが、さらに1階級を飛ばして最もレベルの高いタレント揃いのウエルター級へ上げ、しかもいきなりWBCの暫定王座を懸けて当時無敵の快進撃を続けていたトルコの強打者セルジュク・アイディンと戦うと表明した時は誰もが冗談だと思いました。そして、このアイディンを判定で下してても、初防衛戦の相手がベルトに決まると誰もが「今度こそ年貢の納め時」と確信しました。しかし、そのベルトも激闘の末に退け、ウエルター級の頂点にたつ、その対決を誰もが熱望する世界一の報酬が約束される男の名前をリング上で叫ぶのです。「私のボクシングは誰にも崩すことは出来ない。そう、誰でも、だ。その中にはもちろんフロイドも入っている!」。さすがにメイウエザーには子供扱いされましたが、それでも何の取り柄もないと思われたフェザー級が、世界のテッペンの景色を拝む場所まで登り詰めたのです。
このゲレロがサーマンともガルシアとも拳を交えており、両者の対決を占うリトマス紙になりうるかもしれません。
2015年3月14日のサーマン戦では9ラウンドに痛烈なダウンを奪われ120−107、118−108、118−109の大差判定負け、2016年1月23日のガルシア戦は3人のジャッジが112ー116の中差判定、とゲレロを通して見るとサーマンのパワーがガルシアを押し切る予想ができそうです。
しかし、ボクシングには単純な三段論法は成り立ちにくいスポーツでもあります。いみじくもゲレロが好んで使うボクシング界の格言「スタイル(相性)が勝敗を決める」となるとサーマン有利の大方の予想は鵜呑みにできないかもしれません。
次回はその相性も含めて両者の戦力を詳しく比較してみます。
そうは言っても昨年破ったのショーン・ポーターは旬を迎えている強豪で、サーマンのキャリアで最も大きな白星でした。彼が勝ってきたカルロス・キンタナ、ディエゴ・チャベス、ヘスス・ソト・カラス、レオナルド・ブンドゥ、ロバート・ゲレロ、ルイス・コラーゾらは殿堂入りはありえない、階級最強とも考えられない選手ですが、誰にとっても簡単な相手ではなく、ウエルター級のコンテンダーにふさわしい名前ばかりです。
また、2012年11月24日に4ラウンドTKOで圧勝したキンタナからは、ウエルターの一つ上の階級であるNABOのスーパーウエルター級のタイトルを奪取しています。キンタナは、当時PFP上位に進出してあのメイウエザーも対戦を避けていると言われたポール・ウィリアムスから疑惑の判定とはいえ大番狂わせでWBOウエルター級王座を獲得、その生涯で負けた4戦はいずれも世界戦、相手はミゲール・コット、ウィリアムス(再戦)、アンドレ・ベルト、そしてサーマン。特質すべきはこの4人がいずれも全盛期を迎えた当時無敗のスーパースター候補だったことです。
そんなキンタナがスーパーウエルター級に上げたところでサーマンが粉砕、引退に追い込みんだのです。そのあと階級をウエルターに戻して暫定ながら WBA世界王者になったサーマンはロバート・ゲレロを振り切って正規王者に昇格します。
さて、このロバート・ゲレロ。どこが強いのかよく分からない非常にユニークな選手です。
日本の粟生隆寛から WBCスーパーフェザー級のタイトルを奪い、初防衛戦で三浦隆司にTKOで敗れたガマリエル・ディアスに2005年フェザー級の北米タイトルを懸けて戦い負けてるんです。ウエルター級では亀海喜寛とも激戦を展開しました。
もともとはフェザー級でIBFのタイトルを獲得、2009年にやはりIBFのスーパーフェザー級王者になって2階級制覇、さらに2011年には絶対不利の予想を覆してマイケル・カツディスを判定で下し、2団体とも暫定ながらWBAとWBOのライト級世界王者となり3階級制覇に成功。
しかし「カツディス以外は名前のある選手はいない」「世界レベルの舞台で圧倒的なパフォーマンスで勝ったことがなくいつも接戦」という貧弱なキャリアで3階級制覇するという不思議。
誰もが運のいい選手だと思っていましたが、さらに1階級を飛ばして最もレベルの高いタレント揃いのウエルター級へ上げ、しかもいきなりWBCの暫定王座を懸けて当時無敵の快進撃を続けていたトルコの強打者セルジュク・アイディンと戦うと表明した時は誰もが冗談だと思いました。そして、このアイディンを判定で下してても、初防衛戦の相手がベルトに決まると誰もが「今度こそ年貢の納め時」と確信しました。しかし、そのベルトも激闘の末に退け、ウエルター級の頂点にたつ、その対決を誰もが熱望する世界一の報酬が約束される男の名前をリング上で叫ぶのです。「私のボクシングは誰にも崩すことは出来ない。そう、誰でも、だ。その中にはもちろんフロイドも入っている!」。さすがにメイウエザーには子供扱いされましたが、それでも何の取り柄もないと思われたフェザー級が、世界のテッペンの景色を拝む場所まで登り詰めたのです。
このゲレロがサーマンともガルシアとも拳を交えており、両者の対決を占うリトマス紙になりうるかもしれません。
2015年3月14日のサーマン戦では9ラウンドに痛烈なダウンを奪われ120−107、118−108、118−109の大差判定負け、2016年1月23日のガルシア戦は3人のジャッジが112ー116の中差判定、とゲレロを通して見るとサーマンのパワーがガルシアを押し切る予想ができそうです。
しかし、ボクシングには単純な三段論法は成り立ちにくいスポーツでもあります。いみじくもゲレロが好んで使うボクシング界の格言「スタイル(相性)が勝敗を決める」となるとサーマン有利の大方の予想は鵜呑みにできないかもしれません。
次回はその相性も含めて両者の戦力を詳しく比較してみます。
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