昨日、織田翔希が国際アマチュアフリーエージェント制を使って、高校卒業後にダイレクトでMLBへ挑戦すると発表、米国の大学を経由することも選択肢にあげました。

昨年、国際アマチュアフリーエージェント制で桐朋高校から森井翔太郎がアスレティックスと契約。

佐々木麟太郎は花巻東からスタンフォード大学に進学、昨年のNPBドラフトでソフトバンクとでDeNAから1位指名を受けるも、今年7月にマーリンズへの入団を決断しています。

最高峰のMLBは、NPBで大活躍して「いつか目指す舞台」ではなくなりつつあります。

スポーツウェアのイラスト

大谷翔平らの大活躍を目の当たりにした18歳にとって、最高峰は「いつか目指す」のではなく「今すぐ挑戦したい」と渇望する舞台なのです。

ハイリスクハイリターンを目指す若者の勇気は、いつだってまぶしくて羨ましいもの。

その「ハイリスク」のハードルも徐々に低くなっていることも、彼らの行動を後押ししています。

2008年に新日本石油ENEOS(当時)からNPBドラフトを拒否してMLB入りした田澤純一の〝事件〟で、策定された人材流出防止策(帰国後のNPB入りを一定期間制限)は、2020年に撤廃。

マイナー契約でも森井の契約金は151万500ドル(当時の為替で約2億3621万円)と、NPBドラフト1位よりも金額が大きく、評価の高い織田はさらに大きな契約を結ぶはずです。

また、佐々木が実践し、織田が選択肢に挙げた「米国の大学進学」も日本では信じられない環境が用意されます。

全米大学体育協会(NCAA)が、2021年に学生の肖像権の商業利用を解禁。アメフトや男子バスケの人気選手の中には500万ドル以上稼ぐ〝学生スポーツ長者〟が続々と誕生しているのです。

米国では、より好条件を求めて大学を移籍、巨額のお金を稼げることから大学に残る選手までいるそうです。

佐々木ら留学生はビザの関係で米国内での活動で報酬を得ることはできませんが、日本人が日本で活動するのは問題ありません。佐々木は、日本航空など14社とスポンサー契約を結んでいます。彼が日本の大学に在籍していたらNGです。

学生スポーツはNCAAだけで2500億円市場を形成しており、日本の大学スポーツとは全く違うステージ。

日本では2021年から箱根駅伝、2025年からラグビーがユニフォームへの広告掲載が認められたばかり。

佐々木ら、競技レベルが大学生としては高い選手がキャリアを積むチャンスであり、金銭的なメリットも巨大なのですから、彼らの選択を「ハイリスク」と表現するのは間違っているのかもしれません。

一方で近い将来、日本で解禁されたとしても、この恩恵を受けられるのはメジャー競技に限られます。そして、近い将来ではなく、すでにマイナー競技は廃部に追い込まれています。

陸上競技というスポーツの中で「箱根駅伝」だけがメジャーという醜悪な構造は、他の種目を切り捨てて成り立っています。

今年、何十年ぶりかで高校の陸上部を訪れたとき「投擲の選手は練習場所が難しいハンマーやヤリはまだしも、砲丸の選手も10年以上いない」と聞いて愕然としました。

かつて、どこの町にもあったボクシングジムも減少。自民党の議員連盟に「プロボクシングの発展を応援する国会議員の会」まで結成される始末です。

なんだかなあ…。