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阪急京都線・上新庄駅からシャッター街を通り越した「稲荷商店街」を通り抜けて、新幹線の高架下へ。

そこに、あの橋が架かっている。

石碑にあるように「鯨橋 瑞光寺」である。瑞光寺である前に、まず「鯨橋」なのである。


寺伝によると聖徳太子による創建。その後火災で衰微するも、寛永20年(1643)僧天然(てんねん)が指月寺として復興し、白隠(はくいん)禅師を座主とした。享保(きょうほう)14年に(1729)現在の寺名「瑞光寺」に改めた。


境内に架かる鯨の骨を用いた橋、雪鯨橋。

宝暦4年(1754)、当寺の潭住(たんじゅう)禅師が南紀太地(たいじ)浦(捕鯨で有名)に行脚、不漁に泣く村から豊漁祈願の依頼を受けた。

しかし、殺生が五戒の一つであるところから潭住はこの嘆願を断るが、村人たちの熱意に負けて祈願すると漁獲が回復。村人からお礼として贈られた黄金30両と鯨骨18本で橋を作った。伝説である。しかし、ほぼ事実だろう。

太平洋戦争で橋は消失したが、1974年(昭和49年)和歌山・太地町の協力を得て鯨橋を再現した。

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これが鯨橋ではない。

この橋を渡ると、地面から突き出た牙のようにそそり立った門がお出迎えしてくれる。

それにしても…なんという、異形!

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この威風堂々を仰ぎ見よ!

マンモスの牙でもここまで巨大ではないだろう。

この寺の門として聳えるのは2004年に北西太平洋(北海道沖)で調査捕獲されたイワシクジラの下顎。

なんという、下顎!

風雪にささくれ立ち、剥離した切片が枯葉のように落ちている。20年の風雪を耐えた貫禄である。

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イワシクジラの下顎を通ると、いよいよ鯨橋⬆︎が出現する。

見事な欄干を形成するのは、クロミンククジラ(2005年南極海で捕獲)の脊椎。巨大な貝殻のように並んでいるのは、さきほどのイワシクジラの扇骨(肩甲骨)。

鯨の骨で橋を渡す、ぶっ飛んだ発想。そして、橋を構築することが出来る鯨という動物の巨大さ!


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巨大な牛のゲンコツのような立派な脊椎である。

この橋は、1974年の再興初代から数えて六代目とのこと。鯨の屈強な骨とはいえ、野晒しの中で損耗が激しいのでしょう。

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尾の身とかさえずりとか、食いたいなあ。



出来ることなら、クロミンククジラの脊椎や、イワシクジラの下顎と肩甲骨の骨も入手したいが、あの巨大さでは、自宅に収容できるのは肩甲骨だけ。

社宅とはいえ、一戸建てなので門扉の左右に瑞光寺のように下顎を聳えさせたいところだが、そんなことをしたら近所から「景観を損ねる」と苦情が寄せられてしまうかも。

損ねるどころか、殺風景な住宅地の素晴らしいアクセントになりそうなのだが…。