先週の7大世界戦。

WBOフライ級タイトルの初防衛戦で、ジョナサン・ゴンサレスの挑戦を受けたアンソニー・ラスクアガでしたが、第1ラウンドに偶然のバッティング、ゴンザレスが左目上をカットして続行不可能、試合はノーコンテストになってしまいました。




「偶然のバッティング」で試合続行が不可能となった場合は、試合の前半なら引き分け(テクニカルドロー)、後半ならその時点での採点で勝敗をつけます。8回戦以上の試合なら4ラウンド終了までがその境界線となります。

そして「試合続行が不可能かどうか」の裁定は主審のみに認められる権利です。

手続き的には、偶然のバッティングで出血か目が腫れ上がって視界が制限されている、あるいはその両方など、主審が「試合を続行すると非常に危険な事態を招くかもしれない」とリング・ドクターを呼んで診断させ、ドクターが「続行させてはいけない」と首を振ると、主審が試合を止めます。

ただし、主審にとってドクターの診断は参考意見です。ドクターが首を振った瞬間にメディアもファンも「あ〜」と試合終了だとため息をつきますが、主審がその意見を受け入れて両手を交錯させるまで試合は続行しているのです。

まず、ありえないことですが、主審はドクターの意見を受け入れずに試合を続行させることも出来ます。むろん、そんなシーンは見たことがありませんが。

さて、今回のケースは第1ラウンド1分50秒に偶然のバッティングでジョナサン・ゴンサレスが左目上をカット。主審のロベルト・ホイルはリングドクターのチェックが「続行可能」。試合を再開します。

再開後25秒ほど、クリンチ中のゴンサレスが試合続行不可能と主張、ホイルは試合を止めてしまいます。

場内には「負傷引き分け」とアナウンスされましたが、その後、JBCの安河内剛が「無判定試合にすべき」と主審に提言、判定が変わりました。

オラスクアガ陣営はWBOに無判定試合をTKOに変更するよう要望書を提出しましたが、受け入れられるわけがありません。

Sanctioning bodies do not have the power to overturn an official decision. 

認定団体に判定を覆す権利はないのです。当たり前です。薄汚い認定屋さんでしかないのですから。

判定を覆すことができるのは統括団体、つまりJBCだけです。

村田諒太とアッサン・エンダムの初戦で、WBAのヒルベルト・メンドサ会長が「間違った判定だった」と正式に声明を出し、ジャッジにペナルティを課しましたが、判定が覆ることはありませんでした。

今回の問題は、ホイルは自身の判断で試合を止めたのか?それともゴンサレスの「もう無理」というアピールに、ルールをよく理解できていなかったがために「負傷ドロー」と宣告してしまったのか。

安河内が主審に「ゴンサレスの主張を受け入れて負傷引き分けと判断したのなら間違い。TKOが正しい」と主審に訂正を迫っていたら、TKOになっていた可能性大ですが、安河内はいつまで経っても安河内、なぜか「無判定試合」としてしまうのでした。