団体と階級だけでなく、同一団体内でタイトルまで増殖してしまっているプロボクシングの世界は、もはやスポーツの体をなしていません。

主要とされるだけで4つの団体が対立し、それぞれが都合の良いランキングを作成。彼らが17階級で何人のWorld chanpion を承認しているのか、もはや専門家やマニアですら把握しきれていない惨状です。

MMAも多くの団体がチャンピオンシップ体制を敷いていますが、誰もが頂点と認めるUFCは8階級だけという、ボクシングがとうの昔に忘れ去ったスポーツらしいわかりやすさがあります。そのランキングは、ボクシングのデタラメランキングとは一線を画しています。

2010年代半ばから絶対的エースとして米国市場を支えてきたカネロ・アルバレスでしたが、2019年11月2日の4階級制覇をかけたWBOライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフとのメガファイトで、UFCのメインカードが終わるまで開始ゴングが伸ばされました。

あの夜に鳴らされたゴングは、ボクシングが倒された鎮魂の鐘でした。




ボクシングの拠り所は、カネロや一部のファイターは人気で劣っても報酬でMMAのスターを上回るという「カネ」と、ラスベガスの家主MGMグループがT -MobileアリーナやMGMグランドガーデン・アリーナで優先的にボクシングを招致してきた「場所」でした。

しかし、スポーツとしてすでにボクシングを踏み潰したUFCはサウジアラビアと団体として提携、カネの面での地盤を固めています。

さらに「MGMグループには散々嫌がらせを受けてきたが、彼らはもはやラスベガスの最高勢力ではない」(ダナ・ホワイト)と、ボクシングに先んじてニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン グループが建設した The Sphereで9月14日にイベントをぶち上げるのです。

9月14日、どちらが米国でより注目されるか、世界からより関心を集められるか…戦う前から勝負はついています。

ボクシングの惨敗しかあり得ません。

https://fushiananome.superknova.org/archives/36374938.html



“I heard somebody say they’re going to ‘eat me’ or something like that.”

「また誰かが俺のことを食おうとしてるらしいじゃないか」。カネロはうんざりした口調で吐き出します。

「競争は悪いことじゃないが、UFCやサウジアラビアには勝手に俺の名前を使うなと言いたい。そっちは意識しているかもしれないが、俺はお前らに何の関心もない」。

ラスベガス・ボクシングの顔であるカネロの試合が〝UFCの標的〟にされるのは、それだけの存在であるということです。

そして、カネロだけが標的にされるのも、米国ボクシング界でそれにふさわしいのが今やカネロだけ、だから。

テレンス・クロフォードは論外、ライアン・ガルシアやガーボンタ・デービスでも眼中にないということでしょう。

ちなみに、カネロの9月14日の試合(vsエドガー・ベルランガ)はチケットの販売状況から最上階席を封鎖して行われることが発表されています。