ニコラス・ウォータースを「日本のボクシングファンに馴染みがある」というのは無理があるでしょうか?

しかし、2014年・フェザー級バージョンとはいえノニト・ドネアが完膚なきまでに叩きのめされ、キャリア初のKO負けを喫したジャマイカのアックスマンは大きな衝撃でした。



長谷川穂積を粉砕したフェルナンド・モンティエルを破壊したドネアが「パワーはもちろん、スピードとテクニックでも彼の方が上」と白旗を上げてしまうウォータースでしたが、ワシル・ロマチェンコの前では恐怖に腰が引け、最後は「(徐々にいたぶりの強度を上げてくるロマに怯んで)このまま続けたらKOされる」と試合を投げ出してしまいます。

ドネアを追いかけ回したときは勇敢な戦士にしか見えなかったウォータースが臆病者にしか見えない、寒気のするファイトでした。

HBOの解説席が「この敗北のダメージは肉体的には小さなものだが、精神的には再起不能かもしれない」という通り、7年近いブランクを作ってしまいました。

昨年2月25日の復帰戦から3連勝(1KO)とカムバックロードを走るウォータースですが、もう38歳。再び世界戦線に浮上するのは時間が足りません。そして、7年のブランクを考慮してもドネアを圧倒したスピードもパワーも完全に喪失しています。

しかし、人間到る処青山有り。

人気者ジョセフ〝JoJo〟ディアスとの対戦が決定しました。

元IBFジュニアライト級/元WBC前提ライト級王者はまだ31歳ですが、直近6試合1勝5敗、2連敗中。

10月9日、フロリダ州プラントシティ・会場はProBox TV Events Center。両者にとってサバイバルマッチと呼ぶには「この試合に勝ったとして〝どんな次〟が待ち構えているのか?」という、落武者対決。

それでも…あのウォータースが、あのジョジョ・ディアスが掴みかけた栄光をもう一度掴み取ろうとリングに上がるのです。