先日のIBFフェザー級タイトルマッチ。

階級最強の呼び声もあったルイス・アルベルト・ロペスが、楽勝と思われたアンジェロ・レオに10ラウンドKO負け。

大番狂せだけでなく、頑健な王者にテンカウントを聞かせたワンパンチKOが印象的でした。

今年のKO of The Year にはアンソニー・ジョシュアがフランシス・ガヌーをワンサイドでKOした試合を推す声もありますが、どうなんでしょうか?



タイソン・フューリーのせいでガヌーの実力は全く未知数でしたが、「経験を積んで基本を身につければもっと強くなれる」(ジョシュア)という、言い換えると「やはりど素人」であることが明らかになってしまいました。

さて、BOXINGSCENEが2000年〜2023年までのワンパンチKOベストテンをアップしています。


⑩2018年10月7日 井上尚弥vsファン・カルロス・パヤノ

⑨2022年4月22日 ハシム・ラクマンvsレノックス・ルイス

⑧2016年5月7日   カネロ・アルバレスvsアミール・カーン

⑦2022年3月12日 リー・ウッドvsマイケル・コンラン

⑥2005年11月4日 アラン・グリーンvsジェイドン・コドリントン

⑤2010年11月20日  セルヒオ・マルチネスvsポール・ウィリアムス

④2009年5月2日    マニー・パッキャオvsリッキー・ハットン

③2004年5月15日  アントニオ・ターバーvsロイ・ジョーンズJr.

②2001年11月17日 レノックス・ルイスvsハシム・ラクマン

①2012年12月8日   ファン・マヌエル・マルケスvsマニー・パッキャオ


米欧にしか視界がないベストテンです。井上vsパヤノが10位に入ってなければ、米欧100%。





******そこで「階級の格差なんてない」「世界戦はみんな同じ」というPFPのポリシーを遵守して、KOシーンの戦慄度だけを基準に、俺の独断と偏見で戦慄KOをプラスします。


ノニト・ドネアがフェルナンド・モンティエルを破壊した「後の先」(2011年2月19日)は、正確にはワンパンチKOではありませんが、日本のボクシングファンにとってはベスト3クラスの衝撃度でした。



今となれば、おかしな話ですが、日本ではこの試合が50:50に近い大勝負と受けとめられていました。

現実には、ドネアが2ラウンドKOの予告通りに凡庸なメキシカンを破壊した、スペードとパワーとテクニックであまりにも力量差のありすぎる一戦で、世界的にもモンティエルに勝ち目はないと見られていました。

フェルナンド・モンティエルが長谷川穂積に圧勝しているだけに、日本のメディアは海外メディアの本当の温度感を伝えにくかったのかもしれません。








山中慎介の、これぞ「神の左」のトマス・ロハス戦(2012年11月4日)も衝撃的でした。

ロハスは山中にKO負けしたあと、1歳年下のジョニー・ゴンザレスに勝利して地域タイトルを獲るなど健闘しました。

山中はデビューからずっと後楽園ホールで戦い、聖地の人気者でした。最後に後楽園ホールのリングに上がったのは岩佐亮佑との日本タイトルマッチか?

それにしても、山中、現役時代と今では発散する殺気が極端に違います。

これが人気階級なら間違いなくベストテンに数えられているのでしょうが…。







中谷潤人の「左ループ」(2023年5月20日:アンドリュー・モロニー戦)も凄まじかった。

パッキャオvsハットン、マルチネスvsウィリアムスを彷彿させる一撃でしたが、削って倒して削って倒しての末、死に体のアンドリューを最終回に仕留めたものでした。

まあ、それでも中谷のセンスがしっかり詰まった試合でした。






そして、この手のベストテンでデオンティ・ワイルダーを外すなら、何かその理由を語る注釈が必要でしょう。BOXINGSCENE、片手落ちです。

ここで紹介するのは、2019年5月18日に行われたワイルダーより32ポンド(14.5kg)も重いドミニク・ブリージール戦。

大きな体重差のある相手をコロコロ倒していたワイルダーも、オレクサンデル・ウシクと同様にリアルPFPキングです。他の階級ではこんな芸当は誰もできません。

それを言い出すとPFPランキングはヘビー級だらけになってしまい「非ヘビー級の言い訳」として誕生したPFPの存在意義が失われてしまいます。

「相手に関係なく一番強い自分を追求する」ヘビー級を見ると「より弱い相手を求めて自分も弱体化する、そのギリギリのバランスを計る減量」に身を投じる他の階級とは、やはり別物として考えるべきなのでしょう。