ボクシングの階級は、基本的に重くなればなるほど人気があります。

最軽量のストロー級と最重量のヘビー級では、報酬の差は1000倍レベルかそれ以上のことも普通にあります。

ジュニアライト級以下、特にジュニアフェザー級以下で日本人選手が気軽に世界挑戦できるカラクリはここにあります。

欧米での需要が低い、つまり際立ってコスパに優れているのです。

それでも、例外はあります。

フェザー級のIBF王者ルイス・アルベルト・ロペスや、WBO王者ラファエル・エスピノサらが、ジュニアフェザー級の井上尚弥の名前を出すのはその一例ですが、軽量級では極めて異例のケースです。


人気階級なら最近でも、フロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、カネロ・アルバレスらは上の階級の王者から対戦を熱望されてきました。

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団体対立が今よりはるかに苛烈だった80年代初頭まででも、全階級を通じてただ二人のUndisputed championだったライトヘビー級のマイケル・スピンクスと、ミドル級のマーベラス・マービン・ハグラーはその対戦が注目されていました。

スピンクスはハグラーを挑発しますが、ロベルト・デュランやトーマス・ハーンズが乗り込み、シュガー・レイ・レナードまでが登壇するミドル級にはカネと栄光の匂いが充満していました。

ハグラーは、井上尚弥と同じセリフを吐きます。

「そんなに俺と戦いたいなら、お前がミドル級に来い」。

重い階級ほど人気が高い。この矛盾が崩れるのは、ウエルター級やミドル級が介在するケースです。

さらに、ウエルター級やミドル級のスター選手がつまみ食いする階級もその余熱を受けて活況に沸き立ちます。

井上尚弥のケースはこのスター型のミニチュア版で、井上でもForbesなどのアスリート長者番付とは無縁の世界です。

しかし、人気階級とは口が裂けても言えないジュニアフェザー級以下の砂漠クラスで、この現象を起こしていることは非常に特殊なこと。

ここには「日本」「ネット配信」「先行投資」という三つのキーワードが絡んでいます。

井上を筆頭に、日本人軽量級王者の報酬がどうして高騰傾向にあるのか、そしてこれは持続可能な発展なのか、を少しずつ考えてみます。