プロデビュー前から大きな期待をかけられたホープに、過酷なマッチメイクを組むプロモーターは存在しません。
ワシル・ロマチェンコは全く例外中の例外です。そもそも、ウクライナのハイテクは米国マーケットにとって完全外国人。優しく扱ってもらえるホープ(希望)などではなく、トップランクにとって「パッキャオみたいな無茶が効くの?」と、アラモドームでメキシカンとのタイトルマッチが織り込み済みだった商品でした。
ロマチェンコの3戦目までは、デビューがWBCインター王者のホセ・ラミレス。2戦目でWBOフェザー級王者オルランド・サリド(2.25ポンドオーバーの体重超過)、3戦目がゲイリー・ラッセルJr.とのWBO王者決定戦。
さすがにロマは放っておいて、天心とデビュー戦から騒がれた4人のホープ、彼ら5人の「デビュー3戦目」までのマッチメイクを比較してみましょう。

▶︎「強い相手としか戦わない」という、どういう基準なのか意味不明の内容を契約に盛り込んだ井上尚弥のデビュー戦は、知念勇樹に完敗したばかりのクリソン・オマヤオ。
2戦目はやはり直前の試合で敗北、直近4試合で3敗している35歳のガオプラチャン・チュワタナ。3戦目はジュニアフライ級日本1位の佐野友樹でした。
この3人が「強い相手」という基準がよくわかりません。
那須川天心のデビュー3試合と何が違うのかは、もっとよくわかりません。
▶︎辰吉丈一郎の初戦は、5連敗中の元韓国ランカーの崔相勉(5勝2KO8敗1分)。よく目にする「現役の韓国ランカー」というのは間違いです。
2戦目はマイク・タイソンが大番狂せに沈んだ東京ドーム。元タイのバンタム級王者チューチャード・エアウサンパン。左肩と右拳を痛めていたとはいえ、初回にダウンを喫してしまいます。
3戦目はWBCインターナショナル王者サムエル・デュラン。この試合でも世界基準値一歩手前のフィリピン人に反撃を許して、ひやっとする場面も。
天心のデビュー3試合と何が違うのか、よくわかりません。
デビュー4戦目で評価の高かった岡部繁を破壊。やはり、4戦目で今なおキャリア最高の相手とも考えられる田口良一を圧倒した井上と比べると、この時点では辰吉がややリードしていたかもしれません。つまり、井上のキャリア立ち上がりは決して過酷なマッチメイクではありませんでした。
▶︎亀田興毅は、過保護揃いのホープの中でも他を寄せ付けません。
全くの別格、別物です。
タイから出前を取るようにデンナロン・シスソバ(1ラウンドKO負けのデビュー戦から2年のブランク、これがプロ2戦目)、プラカルン・ツインズジム(デビューから破竹の4連敗全KO負け中)、サミン・ツインジ(同じくデビューから4戦全敗全KO負け)を呼び寄せ、3人とも初回で撃破。
このタイからの出前路線は、なんと8戦目まで続きます。
みなさま気になってるでしょうから、興毅にKOされるという希少な体験をしたこの3人のその後のキャリアは…。
シスソバは2戦2敗2KO負けで引退。プラカルンも13戦全敗13KO負けで引退。サミンも9戦全敗9KO負けで引退。なんと!3人ともに全戦全敗全KO負けの〝逆〟パーフェクトレコード達成者なのです。
興毅は「亀田とKOはセットや!」と雄叫びをあげますが、いやいや、この3人こそがKO負けと絶対セット。興毅だけでなく、誰と戦っても生涯KO負けしか知らない恐るべき逆パーフェクトレコーダーなのです。
4戦目のダオチャイ・KTジムも7戦全敗でキャリアを終えますが、亀田戦時で5戦5敗ながらKO負けは3つだけ。しかもあろうことか、このダオチャイを興毅は10ラウンド判定までもつれさせてしまいました。
そして、興毅が勝利経験のある相手と戦うのは、7戦目まで待たなければならないのでした。
ここまで来ると、もはや帝拳セレクションや大橋ジムの補助輪路線が過酷極まるマッチメイクに見えてきます。
真面目な話、嫌味や皮肉を超えて、亀田は凄い。帝拳や大橋とやってることの方向性は全く同じでも、徹底さが違います。その清々しいまでの貫徹さ、対戦相手に変な虚飾も一切しない(できない?)潔さには拍手喝采です。
まさに、これぞ逆ロマチェンコ。
▶︎天心と比較されるキックからの転身で一足早く世界を掴んだ武居由樹のデビュー戦の相手、高井一憲は引き分けを挟んで5連敗中。2戦目の竹田梓は4戦全勝の4回戦ボーイ。3戦目は2勝1分、キャリア3戦の今村和寛。3戦目は2連敗中ながら地域タイトル挑戦経験がある河村真吾。
誰がどう見ても、天心より遥かに下。
武居は帝拳セレクションもビックリ!の「いつ補助輪を外すの?」というプロテクト路線でした。世界挑戦も井上信者以外からは評価の低いジェイソン・モロニー。オッズも五分。
天心との対決は面白い試合になるでしょう。
▶︎那須川天心は日本バンタム級4位の与那覇勇気に完勝してボクシングデビュー。
2戦目はメキシコのバンタム級王者ルイス・グスマンにフルマークの完勝。3戦目はWBA14位という摩訶不思議な世界ランカー、ルイス・ロブレスを圧倒、3ラウンド終了TKO。
取り立てて騒ぐような過保護なマッチメイクではありませんが、井上と同じように「強い相手としかやらない」なんて言っちゃってるからツッコミどころが出てしまいます。
やってることは武居以上・井上と同じなのですが、この二人とはデビュー3戦目までの注目度の次元が違います。そこが、ボクシングをあまり見たことがないライトファンにやんややんや言われる最大の原因でしょう。
天心が井上のようにオマヤオレベルの選手を選んでたら、何を言われてたことか。
昨日の会見では「結構、強気のマッチメイクをずっとしているつもりですが、まだ納得したくない奴らがたくさんいるんだなって。世間をギャフンと言わせようというのもあります」とコメント。気持ちはわかりますが、完全劣化バージョンのカリド・ヤファイに勝った大金星しかアピールポイントのないジョナサン・ロドリゲスをどう圧倒しても世間をギャフンと言わせるのは無理です。
最初の勝負は、来年ですかね。
応援しています!
ワシル・ロマチェンコは全く例外中の例外です。そもそも、ウクライナのハイテクは米国マーケットにとって完全外国人。優しく扱ってもらえるホープ(希望)などではなく、トップランクにとって「パッキャオみたいな無茶が効くの?」と、アラモドームでメキシカンとのタイトルマッチが織り込み済みだった商品でした。
ロマチェンコの3戦目までは、デビューがWBCインター王者のホセ・ラミレス。2戦目でWBOフェザー級王者オルランド・サリド(2.25ポンドオーバーの体重超過)、3戦目がゲイリー・ラッセルJr.とのWBO王者決定戦。
さすがにロマは放っておいて、天心とデビュー戦から騒がれた4人のホープ、彼ら5人の「デビュー3戦目」までのマッチメイクを比較してみましょう。

▶︎「強い相手としか戦わない」という、どういう基準なのか意味不明の内容を契約に盛り込んだ井上尚弥のデビュー戦は、知念勇樹に完敗したばかりのクリソン・オマヤオ。
2戦目はやはり直前の試合で敗北、直近4試合で3敗している35歳のガオプラチャン・チュワタナ。3戦目はジュニアフライ級日本1位の佐野友樹でした。
この3人が「強い相手」という基準がよくわかりません。
那須川天心のデビュー3試合と何が違うのかは、もっとよくわかりません。
▶︎辰吉丈一郎の初戦は、5連敗中の元韓国ランカーの崔相勉(5勝2KO8敗1分)。よく目にする「現役の韓国ランカー」というのは間違いです。
2戦目はマイク・タイソンが大番狂せに沈んだ東京ドーム。元タイのバンタム級王者チューチャード・エアウサンパン。左肩と右拳を痛めていたとはいえ、初回にダウンを喫してしまいます。
3戦目はWBCインターナショナル王者サムエル・デュラン。この試合でも世界基準値一歩手前のフィリピン人に反撃を許して、ひやっとする場面も。
天心のデビュー3試合と何が違うのか、よくわかりません。
デビュー4戦目で評価の高かった岡部繁を破壊。やはり、4戦目で今なおキャリア最高の相手とも考えられる田口良一を圧倒した井上と比べると、この時点では辰吉がややリードしていたかもしれません。つまり、井上のキャリア立ち上がりは決して過酷なマッチメイクではありませんでした。
▶︎亀田興毅は、過保護揃いのホープの中でも他を寄せ付けません。
全くの別格、別物です。
タイから出前を取るようにデンナロン・シスソバ(1ラウンドKO負けのデビュー戦から2年のブランク、これがプロ2戦目)、プラカルン・ツインズジム(デビューから破竹の4連敗全KO負け中)、サミン・ツインジ(同じくデビューから4戦全敗全KO負け)を呼び寄せ、3人とも初回で撃破。
このタイからの出前路線は、なんと8戦目まで続きます。
みなさま気になってるでしょうから、興毅にKOされるという希少な体験をしたこの3人のその後のキャリアは…。
シスソバは2戦2敗2KO負けで引退。プラカルンも13戦全敗13KO負けで引退。サミンも9戦全敗9KO負けで引退。なんと!3人ともに全戦全敗全KO負けの〝逆〟パーフェクトレコード達成者なのです。
興毅は「亀田とKOはセットや!」と雄叫びをあげますが、いやいや、この3人こそがKO負けと絶対セット。興毅だけでなく、誰と戦っても生涯KO負けしか知らない恐るべき逆パーフェクトレコーダーなのです。
4戦目のダオチャイ・KTジムも7戦全敗でキャリアを終えますが、亀田戦時で5戦5敗ながらKO負けは3つだけ。しかもあろうことか、このダオチャイを興毅は10ラウンド判定までもつれさせてしまいました。
そして、興毅が勝利経験のある相手と戦うのは、7戦目まで待たなければならないのでした。
ここまで来ると、もはや帝拳セレクションや大橋ジムの補助輪路線が過酷極まるマッチメイクに見えてきます。
真面目な話、嫌味や皮肉を超えて、亀田は凄い。帝拳や大橋とやってることの方向性は全く同じでも、徹底さが違います。その清々しいまでの貫徹さ、対戦相手に変な虚飾も一切しない(できない?)潔さには拍手喝采です。
まさに、これぞ逆ロマチェンコ。
▶︎天心と比較されるキックからの転身で一足早く世界を掴んだ武居由樹のデビュー戦の相手、高井一憲は引き分けを挟んで5連敗中。2戦目の竹田梓は4戦全勝の4回戦ボーイ。3戦目は2勝1分、キャリア3戦の今村和寛。3戦目は2連敗中ながら地域タイトル挑戦経験がある河村真吾。
誰がどう見ても、天心より遥かに下。
武居は帝拳セレクションもビックリ!の「いつ補助輪を外すの?」というプロテクト路線でした。世界挑戦も井上信者以外からは評価の低いジェイソン・モロニー。オッズも五分。
天心との対決は面白い試合になるでしょう。
▶︎那須川天心は日本バンタム級4位の与那覇勇気に完勝してボクシングデビュー。
2戦目はメキシコのバンタム級王者ルイス・グスマンにフルマークの完勝。3戦目はWBA14位という摩訶不思議な世界ランカー、ルイス・ロブレスを圧倒、3ラウンド終了TKO。
取り立てて騒ぐような過保護なマッチメイクではありませんが、井上と同じように「強い相手としかやらない」なんて言っちゃってるからツッコミどころが出てしまいます。
やってることは武居以上・井上と同じなのですが、この二人とはデビュー3戦目までの注目度の次元が違います。そこが、ボクシングをあまり見たことがないライトファンにやんややんや言われる最大の原因でしょう。
天心が井上のようにオマヤオレベルの選手を選んでたら、何を言われてたことか。
昨日の会見では「結構、強気のマッチメイクをずっとしているつもりですが、まだ納得したくない奴らがたくさんいるんだなって。世間をギャフンと言わせようというのもあります」とコメント。気持ちはわかりますが、完全劣化バージョンのカリド・ヤファイに勝った大金星しかアピールポイントのないジョナサン・ロドリゲスをどう圧倒しても世間をギャフンと言わせるのは無理です。
最初の勝負は、来年ですかね。
応援しています!
コメント
コメント一覧 (10)
それより下手したら今年も年2試合になりそうなスローペースの方が問題。
フシ穴の眼
が
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フシ穴の眼
が
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天心は下の階級の選手に上げさせてますが、井上、辰吉にも同じことが見られたのか?
フシ穴の眼
が
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サウスポーのテクニシャンなんて誰にとってもやりにくいだろうし、もし負けたらボクヲタから未来永劫罵られますよ。
その点、与那覇は漢でした。
フシ穴の眼
が
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那須川天心 - WBA世界4位
井上尚弥 - 日本ライトフライ級王者
中谷潤人 - C級 1勝0敗
井上拓真 -20勝2敗2分
武居由樹 - 日本スーパーバンタム級16位
西田凌佑 - 比嘉大吾(WBOAP王者)
村田諒太 - メキシコ人12勝(6KO)3敗
井岡一翔 - インドネシア・ミニマム級王者
拳四朗 - 日本ライトフライ級9位
亀田興毅- タイ人(0勝5敗)
他にあげればきりがないですが那須川は他のボクサーに比べ注目もたかくSNSなど発展して
対戦相手が誰かのか調べられてアルバイト稼ぎの
素人のタイ人やインドネシア人などよんでくるものならすぐにバレるので過保護ではないでしょう。4戦目劣化したヤファイを倒したとはいえ
腐っても世界4位。普通のキャリア4戦目としては
キャッチウエイトなど帝拳パワーが後ろにあるとはいえ問題ないマッチメイクといえる。
むしろこれから統一王者をめざすであろう世界王者なのに指名戦やランキング1位とやらず12位の無名の超格下の相手を用意するのが問題です。
フシ穴の眼
が
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序盤誰とやったかは個人的にどうでもいいです
天心は今の時点で堤や比嘉、栗原より強いと思ってます
フシ穴の眼
が
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当然低評価は結構付けられたのですが何故か反論はありませんでした
どうしてなんですかねぇ……?
フシ穴の眼
が
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フシ穴の眼
が
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ロマチェンコはナチュラルで61キロ程と聞いているのでバンタム級スタートも不可能ではないし
当時のバンタム級なら恐らく誰とやっても勝てていたし、次の3戦目で無理やり階級を上げてない本気モードのリゴンドーとやれて、恐らくは勝てていたと思います
その次の4戦目ならサリドが体重超過やバッティングなど汚い手で来てもやはり勝てていたのではないかと
考えれば考えるほどロマチェンコのキャリア序盤は本当に惜しいですね……
フシ穴の眼
が
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フシ穴の眼
が
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