丸の内線ではなく、タクシーの中から酒と車に酔いながら…。

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打たれ強い。打たれ弱い。

この二つ、実は非常に曖昧な表現です。 

マニー・パッキャオは打たれ強いか?それとも打たれ弱いか?…フライ級のときは打たれ弱かったが、ウエルター級では打たれ強かった…なんて常識的には考えにくいケースがあります。

また、アッサン・エンダムは打たれ強いか?それとも打たれ弱いか?…コロコロ倒れるから打たれ弱いが、回復が以上に早くすぐに立ち上がるから打たれ強い…なんて、どっちなんだ?!

あるいは、トーマス・ハーンズはシュガー・レイ・レナード初戦まで打たれ強いと言われていましたが、当時を知らない人は「嘘だ」と思うでしょう。

ハーンズとは反対にマイク・タイソンは細い顎から打たれ弱いとも見られていましたが、バスター・ダグラスの連打をまともに食らっても立ち上がった姿から相当な打たれ強さを証明しました。



そんな、曖昧で定義しずらいのが「打たれ強さ」「打たれ弱さ」です。


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打たれ強い、打たれ弱いの定義を独断で決めると、ダウンしたときに主審やコーナーが試合を止めたくなるファイターが打たれ弱い。

逆に、主審やコーナーが試合を止めにくいファイターが打たれ強い。

具体的にはパンチを受けたり、ダウンしたときに足元がフラつくファイターは見ている方が怖くなります。

先日のWBOバンタム級戦で王者ジェイソン・モロニーの反撃に棒立ちになった武居由樹のケースは、初回から飛ばした世界初挑戦の最終回というスタミナ切れの要素も大きかったので、評価は次回以降に持ち越しでしょう。

そして、え?このパンチ受けても倒れない!!というジョージ・フォアマンやフリオ・セサール・チャベス、エリック・モラレス、ノニト・ドネア、リッキー・ハットン、亀海喜寛、中谷正義らは鋼鉄の顎を持っていました。

主審やコーナーが試合を止めたくなるのは、長谷川穂積や西岡利晃、内山高志、アミール・カーン、ジェームス・カークランド、山中慎介のように、効かされると足元が怪しくなるファイターです。

コンセントが抜けやすく、すぐに再接続できにくい、タイプです。

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フォアマンやチャベスは、コンセントが抜けることがあるのか?というほどの打たれ強さを見せつけました。

そして、そんなフォアマンやチャベスでも消耗しだ状態で、予測していないパンチをアゴにもらうと倒れます。

絶対に倒れないアゴなど、この世に存在しないのです。

また、ここでの「打たれ強さ」はアゴの話ですが、ボディとはいえ西田凌佑のようなソフトパンチャーが一応世界戦で一応王者を倒すこともあります。西田のパンチに悶絶ダウンするなんて…そんなのがいるとは誰も想像だにしていなかったでしょう。

全く予期しないタイミングで放たれる見えないパンチが最も効果的であり、フォアマンやチャベスは単純にアゴが鋼鉄というだけでなく、そうしたパンチを常に想定したスタイルだから打たれ強かったとも言えます。

井上が倒された、死角が多いクロスレンジの攻防はそうしたパンチを被弾する危険を多く孕んでいます。

そもそも、クロスレンジを得意とするファイターは稀有で、もちろんネリもそうですが、対・井上というビハインドの中では互いに苦手なクロスレンジでのギャンブル勝負はありです。

逆に、井上は死角が増える、ギャンブル性が高まるクロスレンジはできるだけ避けなければなりません。

その意味で、井上は不用意にクロスレンジで戦いすぎ。もちろん、ロベルト・デュランやパッキャオのようにクロスレンジが異様に巧い変態なら別です。

ジュニアバンタム級でリカルド・ロドリゲスをクロスレンジで圧倒したときにこの距離で上手く戦えたことに満足するコメントを口にしていた井上は,おそらく苦手意識がないのかもしれません。

長谷川穂積も「自分は打たれ強い」と自信を持っていましたが、これは非常に危険な兆候です。

クロスレンジ、死角から跳んでから飛んでくるパンチを顎に受けたら一発強打のないネリのパンチでも倒れるのは仕方がありません。

問題はその距離に身を置いた防御感です。

そして、井上は打たれ強いか?というとフォアマンやチャベス、モラレスとは比較対象ではなく、ドネアよりも打たれ弱いでしょう。

では、どの程度打たれ強いのか?

ドネアの左フックを眼窩底ではなく、アゴに受けていたら間違いなく倒れていたでしょうが、立ち上がれたでしょうか?

あるいは、連打型のネリではなく、一打必倒のジョンリール・カシメロやゾラニ・テテの一撃だったなら?