日本時間3月31日(日)にラスベガス、Tモバイル・アリーナで行われたWBO/WBCミドル級タイトルマッチ。

圧倒的有利と予想されていたWBO王者ティム・チューは、その通りに最初の6分間をクルージングしました。

第2ラウンド終了、コーナーに戻る挑戦者セバスチャン・フンドラは早くも鼻血を吹き出し、終盤と見られていたタワー倒壊はもっと早くなりそうな気配が漂いますが、王者チューはもっと深刻なカットに見舞われていました。

第3ラウンド開始、チューの顔面に鮮血が流れ落ちる光景に何が起こったのかわかりませんでした。

第2ラウンドにチューの頭部とフンドラの肘が激突したとき、オージーの頭頂部の静脈が切断されたというのです。

ここで問題となるのは「チューの頭部の傷が深く大きく、血の噴出を止めるのはカットマンの役割を超えて外科医の仕事の範疇だった」という事実を王者のコーナーも2ラウンド終了インタバルか、遅くとも3ラウンドの出血量から理解していたということです。

世界最高のトレーナーの一人、ロベルト・ガルシアは「あの出血と傷口を見たらどれほどの深傷か誰にでもわかる。(試合が成立する)4ラウンドの前にそれをわかっていたはずなのに、どうして試合を止めてノーコンテストにしなかったのか?」と、チューのコーナーを非難しています。

ラスベガスの最高舞台T -モバイル・アリーナでのデビュー戦、米国を主戦場にしたいチューの陣営としてはなんとしても勝ちたかった、そして興行側でもアマゾンプライムのデビューという記念すべきイベント、メインがノーコンテストという〝失態〟は避けたいーーーそんな商業的な力学が全く働いていなかったとは思いません。

しかし、残りの10ラウンドを顔面を真っ赤に染めたチューが戦う姿を放送する方が〝失態〟ではなかったでしょうか?

チューの陣営としても商業的な視点に立てば、まずタイトルを奪われないこと、キャリアに敗北を付けないこと、そして王者のダメージを最小限にとどめて、3ラウンド終了で試合をノーコンテストにして、再戦で仕切り直しーーーというのがベストだったはずです。

ところが、現実にはチューはタイトルを失い、初黒星を喫し、大きなダメージを負った上に再戦も怪しい雲行きです。




あのイベントは確かに「チューvsフンドラ」はファイナルでしたが、非常に複雑な性格を帯びていました。

「米国市場でスターになる可能性を秘めたチューを売り出したい」という思い入れは強かったものの、あの夜のT -モバイル・アリーナを最も沸かせたのはイサック・クルス、やはりメキシカンでした。

チューの試合がノーコンテストに終わっても観客や、アマゾンプライムの視聴者は大きな不満を抱えることはありませんでした。彼らは、クルスの試合が最高の流れで終わったことで十分満足だったのです。

 あの夜、チューのコーナーでワセリンと綿棒とガーゼを持っていたマーク・ガムビンはどうして3ラウンド開始ゴング前に「続行不可能」と申し出なかったのか?

遅くても3ラウンド終了時に、試合を止めなかったのか?

結構な数の記事が出てるので、少しずつまとめながらto be continue…