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10年以上も前、ボクシング・マガジンのインタビューに答える前に亀田興毅が開口一番語ったのは「ボクマガの読者は俺らのこと嫌いやからな」ということでした。

もちろん、ボクマガやボクシング・ビートの読者が全員、亀田家に嫌悪感を抱いているわけではありません。

彼らが軽量級のタイトルを好き放題してきたといっても、他の大手ジムのスター選手も五十歩百歩。ボクシングの軽量級とは、そういうものなのです。

そして、そこには亀田家とお近づきになりたい認定団体や、彼らの下劣な言葉をクローズアップすることで視聴率を稼ごうとするテレビ局の存在も大きかったことを忘れてはなりません。

彼らの言動を最初から見ている人はお分かりでしょうが、彼らは誰からも歓迎されるヒーローになりたかったのです。

蛇蝎のように嫌われ、軽蔑されることで大きな注目を集めたフロイド・メイウェザーの周到な計算とは無縁の、思慮の浅い低脳一家の悲劇がそこにありました。

認定団体やテレビ局は自らの責任を問い糺すことなどしません。彼らが引いたとき、嫌悪と軽蔑の矛先は一族にだけ向けられました。



全盛期のウーゴ・ルイスに完勝した興毅は4-Belt eraにおいて目も当てられないほど弱い王者だったのか?

全盛期で体重超過のリボリオ・ソリスと正面衝突で戦い抜いた大毅のタフネスは世界トップレベルではなかったか?

知毅はレイ・バルガスに大差判定で敗れましたが、公式スコアよりもクロスゲームではなかったか?

彼らはプレイヤーを離れても、プロモーターや解説者などの仕事で成功を収めています。

しかし、一族になすりつけられた汚名はそのまま。彼らには一片の瑕疵も無かったとは言いませんが、もう十分な制裁を受けました。

そして、彼らを突き刺した矛先の正体は、JBCとの法廷闘争で明らかになっています。

偏見と醜い嗜虐に溺れた卑怯者たちによる、弱いものいじめの魔女狩りです。

彼らが卑怯者たちを見返し、沈黙させ、手の平を返させる、そんな逆転の舞台があるとしたら、リングの中しかありません。

そして、それが出来るのは知毅だけになってしまいました。

彼らは意識していないでしょうが、彼らは、知毅は死に場所を探しています。



フェザー級のベルトを獲得したなら、あの男と戦えるかもしれない、と。

彼らに対するアンチテーゼの権化に勝利するなら、全てが清算され、彼らへの見方が180度変わるでしょう。

亀田家の愚行から最も縁遠かった知毅がそのMission Impossible を完遂するとしたら、いや井上尚弥と同じリングで向かい合うとしたら、ちょっとした物語、それこそ最高の死に場所になるのですが…。