低迷期の階級をハシゴしながら、バンタム級に続いてジュニアフェザー級も焼け野原にしようとしているモンスター、井上尚弥。

ルイス・ネリはモンスターの凶拳の餌食にはなっていませんが、すでに傷物で、その技術の拙さと、パンチの無さはボクシングマニアに広く知れ渡っています。

その欠陥をパンチの回転力で補ってきたネリは、足掛け13年のプロキャリアで36戦35勝27KO1敗の星勘定を残してきました。

バンタム級とジュニアフェザー級の2階級でアルファベットタイトルを獲得していますが、バンタムは劣化バージョンの山中慎介、ジュニアフェザーはアーロン・アラメダとの決定戦。決定戦で就いた王座は格が下がると見る向きもあるかもしれませんが、要は「誰に勝ったのか」です。ネリはアラメダです…失笑するしかありません。

そのタイトルもWBA王者ブランドン・フィゲロアとの団体統一戦に敗れて失います。

立派な戦績に比べると世界評価はあまりにも低く、せいぜい「雑魚挑戦者とは呼べない」レベル、それがネリです。



井上が上げた階級のレベルは、PFPファイターが量産される前のジュニアバンタム級でだったり、強豪席捲が一段落したバンタム級やジュニアバンタム級と、非常に悪い巡り合わせになっています。

「ストロー級はレベルが低いけどウェルター級は高い」なんていう階級格差を排除したPFPのような考え方では井上も評価されますが、「誰に勝ったのか?」となると「それは聞かないでくれ!」というレベルです。

5月6日のネリ戦は、とりもなおさず、絶対に負けられない相手との戦いということ。

テレンス・クロフォードはエロール・スペンスJr.に勝ってPFP1位の座をコンクリートし、スペンスはリング誌など多くのPFPランキングに名前を残しています。

しかし、ネリごときに圧勝しても井上の強さではなくネリの弱さが改めて際立つだけ。万が一、ネリが勝ってもPFPに入るでしょうか?

その意味では、この試合は井上にとってローリスク・ローリターン。圧勝で当たり前と見られています。 


What's at stake in Naoya Inoue vs Luis Nery ?

それでも、井上がステイクしているのは「すべて」と言い切って良いでしょう。負けたら「すべて」を失う、それほど意味のない相手だということです。

そして、ネリは、軽量級であるがゆえにけして人気があるわけでもなかった立場が大きく変わります。アブネル・マレスやレオ・サンタクルスのような、軽量級としては人気のあるスターの座を手に入れるはずです。何よりも「井上に勝った」という偉業はボクシング大国メキシコでは大きく取り上げられるでしょう。

アンディ・ルイスJr.のように大統領府に招かれることは、さすがにないかもしれませんが、凱旋帰国の暁には大歓迎を受けるのは間違いありません。