11ラウンドまでのスコアカードは、ジャッジ2人が106ー103でオタベク・コルマトフ、もう1人が105−104でレイモンド・フォード。

主審のチャーリー・フィッチが試合を止めたとき、12ラウンド終了まであと7秒を残すだけでした。

あと7秒間。

あそこで止めなければ、25歳のウズベキスタン人がダウンを喫していた可能性大ですが、カウントアウトされずに立ち上がっていたら、そこで試合終了、勝敗は判定に持ち込まれていました。

もし、そうなっていたら12ラウンドは3者とも10−8でフォード。そして、結果は114−113が2人、113-115が1人のSDでコルマトフが新チャンピオンになっていました。

試合後のインタビューで24歳のフォードは「相手が弱っているのは明白だった」と語り、最も近くでこの試合を捌いたキャリア24年のフィッチもそれを感じ取っていたはずです。


53歳のフィッチの判断に対して米国ボクシングファンはControversial Stoppage(議論を呼ぶストップ)と荒れています。

状況をあらためて整理すると「(ストップのとき、公式のスコアカードは公表されていないが)コルマトフが僅差でリードしていると多くのメディアやファンが考えていた」「試合終了までわずか7秒。試合の帰趨は主審ではなく、世界基準の2人のファイターだけで決着させるべきだった」という2点が、フィッチのストップはおかしいという主張の柱です。

素晴らしい試合が主審の介入で突然終わってしまった、ということですが、この主張は「フォードがリードしていた」「あと7秒ではなくたっぷり時間が残されていた」という仮定なら揺れてしまうことになります。

主審のストップには「選手のダメージ」以外の要素、今回の場合だと予想されるスコアカードや、残り時間なども考慮されるべきなのでしょうか?

「最終回残り時間わずか」「主審が止めなければおそらく勝敗は逆転していた」という点で、34年前のフリオ・セサール・チャベスとメルドリック・テイラーを裁いたリチャード・スティールと同じ種類の批判がフィッチに浴びせられているのです。

ESPNは「コルマトフは試合序盤で十字靭帯を損傷していた」と報じています。

試合中のこの怪我がなければ楽勝だったかどうかは疑問ですが、無敗対決で生き残ったのはフォードでした。