PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING7

2月24日 両国国技館

コミッション:日本ボクシングコミッション
プロモーター:本田明彦(帝拳プロモーションズ)

あと一週間を切ったトリプル世界戦。

田中恒成が2020年大晦日にWBO王者・井岡一翔にプロ初黒星を喫して以来、3年と55日ぶりのジュニアバンタム級へ再挑戦します。

その井岡が返上して空位になったWBO王座を争うのは、クリスチャン・バカセグア。

バカセグアは2015年7月31日のデビューから28試合(22勝9KO4敗2分)を戦い、WBOの地域タイトルをピックアップしながらランキングを上げてきたメキシカン。

全試合をメキシコ国内で戦い、世界挑戦のチャンスを窺っていた26歳は「日本で大きな試合を戦う夢が実現した」と、モチベーションはマックスです。

いくつかのデータを漁りましたが、身長/リーチは不明。ライト級でデビューして、ジュニアフェザー級からバンタム級を主戦場にしてきた〝ロッキー〟バカセグア。スムースな減量に成功していたなら、フィジカル面でタフな相手になるかもしれません。

とはいえ、恒成の20戦(19勝11KO1敗)とは対戦相手の質が全く違います。

28歳のスピードスターは世界戦で9勝5KO1敗。ストロー級からフライ級まで無敗のまま3階級制覇。

そのうち二つは決定戦。4階級制覇に挑む今回も決定戦ですが、複数階級制覇を急いで一つの階級に拘らない現代のトレンドを考えると、この点は〝重箱の隅〟にすらなりません。

それよりも、ビック・サルダール、アンヘル・アコスタ、ジョナサン・ゴンサレスと未来の世界王者を3人も退けていることに注目すべきでしょう。


恒成とのスパーリングで井上尚弥が驚いたように、ハンドスピードだけならPFPトップレベル。そのスピードに、世界基準の相手とも対戦経験がないバカセグアが対応できるとは到底考えられません。

ウィリアム・ヒルは恒成の勝利に1/4(1.25倍)、バカセグア3/1(4倍)と叩いていますが、無名のメキシカンにかなり好意的な数字に映ります。


下馬評通りに恒成が勝つと、オスカー・デラホーヤ24戦を上回り、史上最速の21戦目、フェルナンド・モンティエルらを更新する史上初WBOだけでの4階級制覇と〝ダブルの世界記録〟もかかっていますが、これは安易に世界挑戦できる日本人軽量級スターの特権。欧米の人気階級ではあり得ません。

ストロー級からジュニアバンタム級までの4階級制覇を達成すると、レオ・ガメス、ローマン・ゴンサレス、ドニー・ニエテス、井岡一翔に続く5人目。4階級とはいえ、その重量スパンは105〜115のわずか10ポンド。競技人口や専業ボクサーの比率を考えると、最も難易度が低い4階級制覇と言い切って良いでしょう。

とはいえ、ガメスを除いた3人はいずれもPFPに名前を刻んでいるように、対戦相手の質は決して低くありません。

今回、恒成がバカセグアを圧倒的に倒してもPFP入りはないでしょうが、ジュニアバンタム級はこの5〜6年で全階級を通して最も多くのPFPファイターを送り込んできた〝PFP工場〟。

ファン・フランシスコ・エストラーダ、井岡といった古豪に、無敗のIBF王者フェルナンド・マルチネス、フライ級から再び115ポンドへの参戦が予想されるPFPファイターにして人気者のバム・ロドリゲスと、評価の高い名前が揃っています。

井岡に敗れてから3年あまり。陽の当たる場所から遠ざかっていた恒成でしたが、今年中にもPFP入り、名古屋にも東京にも引っ張り込むのが難しいバムとのPFP対決が実現すると、日本のボクシングファンにとってはたまらない展開になります。