1月30日、WBCライト級王者シャクール・スティーブンソンが引退を表明しました。

リオデジャネイロ2016、56kg級の銀メダリスト。プロ転向後は21戦全勝10KO、フェザー級〜ライト級の3階級を制覇。

素晴らしい成績ですが、最強の相手は判定勝ちしたオスカル・バルデス。強豪ひしめくライト級から上にクラスでは何も証明できていません。

そして、まだ26歳。

五輪決勝で見せた勝利よりも身の安全を優先したチキン根性は、プロに入ってからも〝健在〟。

おそらく本人は「完璧」と感じている自らのキャリアですが、ファンやメディアから漏れてくるのは欲求不満のため息。

人気も報酬も、自己評価から大きくかけ離れている現状に嫌気がさしたとしても不思議ではありません。

彼がボクシング産業の中での地位が下降しているアメリカ黒人ではなく、大きなファンベースを抱えるメキシカンなら状況が違ったか?と考えても、チキンを侮蔑するメキシコのファンから評価されたとは到底思えません。

むしろ、メキシカンじゃなくて良かったのかもしれません。

そんなシャクールでも引退宣言は一時的なもので、すぐにまたリング復帰すると見られています。

WBCにタイトル返上届けを出していないことからも、今回の引退宣言は主に報酬の不満からプロモーターへ投げた牽制球に過ぎないと見られています。

同じ動機から引退宣言、すぐに復帰したのがテオフィモ・ロペスです。

この10年だけでもフロイド・メイウェザーやマニー・パッキャオ、タイソン・フューリーといった超大物が、引退と復帰を短い期間で繰り返していますが、彼らの場合は待遇面への不満というよりは単なる気まぐれでしょう。

シャクールやテオフィモにとって、小さい頃に見た米国ボクシングシーンと今の状況のギャップに戸惑っているという面もあるかもしれません。

WBOジュニアウェルター級王者テオフィモは先日ジャーメイン・オルティスとの防衛戦を議論を呼ぶ判定で辛勝、250万ドルの報酬を得たと報じられています。

IMG_3560


「落ち目のトップランク」「PPVでもない」「会場はラスベガス三番手のミケロブ・ウルトラ・アリーナ」…諸事情を考えると250万ドルは決して安くはないと思いますが、テオフィモは自分がメイウェザーやパッキャオに準じるポジションだと勘違いしているのかもしれません。

トップランクと契約しているのはシャクールも同じ。そうなると、この二人の〝引退するする詐欺〟はトップランクの没落に起因しているのかもしれません。

米国市場で影が薄くなっているのは、老舗プロモーターも変わらないようです。