現在、商業的に最も大きな成功を収めるであろうカードは「このまま両者が負けてキャリアにキズがつかない」ことを前提にして、Forbes Fighterのタイソン・フューリーvsアンソニー・ジョシュア でしょう。

一応、まだ無敗とはいえリングの中でも外でも不安定なジプシーキングは、ユニークなキャラクターもあってまだまだ商品価値はあるものの、MMAファイターのフランシス・ガヌーとボクシングルールで実質敗北の拙戦を演じて株を下げました。




また、AJもアンディ・ルイスJr.とオレクサンデル・ウシクに大番狂せで敗れ、保持していたLineal Titleと4つのベルト(WBA /IBF /WBO /IBO)を失いました。そして、ウシクにはダイレクトリマッチでも敗北。

フューリーとジョシュアは、最短で1試合を挟んで激突すると見られています。

WBC王者フューリーは、ジョシュアから5つのタイトルを奪ったウシクと2月17日に完全統一戦を、ジョシュアはフューリーを追い詰めたフランシス・ガヌーと3月7日に、共に非常に危険なリングに上がります。

オッズはフューリー8/11(1.73倍)、ウシク6/5(2.2倍)。ジョシュア1/4(1.25倍)、ガヌー11/4(3.75倍)。2人ともにトップドッグですが、フューリーがウシクに翻弄され、ジョシュアがガヌー凶拳に倒されても大きな驚きはないでしょう。

デオンティ・ワイルダーは、3連戦で完敗したフューリーが勝ち上がってこなければ、ジョシュアやガヌーと興味深いマッチメイクになるかもしれませんが、次戦はフューリーvsガヌーのアンダーカードで最強のダークホース、ヂャン・ヂレイと激突します。

フューリーと同じ270ポンドを超える北京2008の銀メダリスト相手に、実質ブリッジャー級のブロンズ・ボンバーはアンダードッグ、40歳の中国人がヘビー級ウォーズの最終勝者となると…ヂャンには失礼ですが、世界のヘビー級熱はクリチコ兄弟の治世よりも冷え込むことになりそうです。

このヘビー級大戦争の台風の目が、中国人の〝Big Bang〟ヂャンと、カメルーン人の〝The Predator〟ガヌーであることは間違いありません。

しかし、40歳の中国人と37歳のカメルーン人は招かれざる客。つまり、惨敗すると大きなチャンスから遠ざけられてしまいます。

ガヌーが互角以上に戦ったフューリーは、まともなコンディションではなかったと言われています。

もちろん、戦前は「絶好調のガヌーと、絶不調のフューリーが激突しても勝負にならない」と見られていたのですから、The Predatorが一定の実力を持っているのは明らかです。

もし、ジョシュアにも勝つようなことになると「WBCだけでなく他の3団体もランキングに入れることになる」(ESPN)。そうなるとプロ3戦目で世界タイトル、それもUndisputed Heavy weight championになる可能性も十分です。

その一方で、身体能力の高いジョシュアの攻撃に序盤でノックアウトされてしまうと、商品価値は暴落。WBCのランクからも追放されるのは間違いありません。

ビッグバンにしてもワイルダーの一撃に轟沈すると世界戦線から大きく後退、次のチャンスはさらに年齢を重ねて大きく衰えたタイミングまでズラされるでしょう。

ただ、この2人、しぶとそうです…。