このブログのテーマは「スポーツに貴賎はない」(言ってしまった…)ということ、「スポーツの素晴らしさ」です。

素晴らしさの中には神秘、解明されていない技術、未知の領域も含まれます。

未知の領域については、科学によってどんどん解明されています。

手元でホップするように見えるボールの秘密は回転数と回転軸によると答えが出てしまいました。

江川卓は魔法使いではなかったのです。

大谷翔平ら現代の投手はどれだけ曲げるか、曲げを犠牲にして浮力を上げるか、変化球を自在にデザインする技能を当たり前に習得しています。

それでも、最後の〝空飛ぶ円盤〟はまだ撃ち落とされていません。

ナックルボールです。


そして、ボクシングの世界にも最後の〝空飛ぶ円盤〟がいまだに飛んでいます。

ショルダーロールです。

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マーロン・タパレスが、ムロジョン・アフマダリエフと井上尚弥との試合でL字ガードとショルダーロールを使ったと陣営が語っていましたが、驚くほど拙いL字とロールしない硬直したショルダーロールは言われなければそれとはわかりませんでした。

エイドリアン・ブローナーが「メイウェザーのショルダーロールをマスターした」と口にして、バーナード・ホプキンスに一笑された、高等技術。

あのシュガーレイ・レナードですらキャリア最高の防御の使い手にフロイド・メイウェザー父を挙げ、その技術を習得しようとしたものの「あれは素質や才能ではどうしようもない」と諦めた、あらゆるスポーツの中で最も神秘的なテクニックの一つ。

〝メイウェザー族〟が完成させたといわれるL字とショルダーロールを使いこなした〝非メイウェザー族〟の代表、というか唯一のボクサーがアンドレ・ウォードでした。

なぜブローナーは笑われ、タパレスは甘噛みすら許されなかったのか?

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井上尚弥は「ワンツーだけで世界は獲れる」と豪語しましたが、もちろんそれはあまりにも深すぎる話で、基本を追求し尽くした彼のロジック。

井上のワンツーの世界ではパヤノを背中から墜落させた「ジャブクロス」、ドネア2で見せた奇妙なタイミングの「ワンを打たないワンツー」も彼の中では全部ワンツー。

基本をおろそかにせず、想像力を絶やさず、練習に打ち込めばもしかしたら井上尚弥に近づけるかもしれません。もちろん、それは一筋縄でできることではありませんが。

L字とショルダーロールは、基本から外れ、想像力というよりも感性と第六感に頼るという点では、ワンツーとは真逆の基本から最も遠い技術です。


メイウェザーの一族から辿るしかないのかもしれません…。