「運がある」。
ものすごく不思議な言葉です。
モハメド・アリや、マニー・パッキャオはあまりにも運が良すぎます。
何がどうなったら、あれほど多くの強豪と拳を交える事ができるのでしょうか?
モハメド・アリや、マニー・パッキャオはあまりにも運が良すぎます。
何がどうなったら、あれほど多くの強豪と拳を交える事ができるのでしょうか?

銀座のこのビルも途轍もない幸運に恵まれた建物です。
あれほどの空爆を受けて、あたり一面焼け野原になったのに、どうしてこのビルだけが全くの無傷だったのでしょうか?
ーーー初めて掛布雅之を見たのは、小学生の頃でした。
甲子園。おそらく読売戦だったはずですが、正確には覚えていません。
プロです、試合前の守備練習を見るだけでも素晴らしい体験です。内野手は全員が魔法使いに見えました。
その中でも、サード掛布は10歳にも満たない小学生でも感じることができるそのオーラを発散していたのです。その輝きが眩し過ぎて、対戦チームの記憶がおぼろげです。
そんなオーラを、プロのスカウトにわからないはずがありません。
高校時代の掛布は周囲に埋没していた存在だったのでしょう、1974年のドラフトで6位指名を受けた全く無名の掛布は、その実〝コネ入団〟でした。
千葉・習志野高校では2年時に四番ショートで甲子園に出場しますが、1回戦敗退。3年夏は県予選で脱落。
そんな高校生でも、村上宗隆のようにスカウトの眼にとまる才能もありますが、掛布はそうではありませんでした。

「運がある」。
ものすごく不思議な言葉です。
ドラフトを目前にした高3の秋に、千葉で高校野球の監督を務めたこともある父親が知人を通じて阪神の二軍練習に参加するチャンスを与えられます。
1週間の練習で、球団から「ドラフト最下位(6位)で指名する」と約束してもらったのは、「コネで練習に参加させた子を入団させないわけにはいかない」という忖度でしかなく、「どうせ1年でクビ」と考えられていました。
「高校でほとんど実績がない、何より身長168㎝。プロで大成するには体が小さすぎる」無名の小さな高校生が生き残れるわけがない…真っ当で常識的な見立てです。

三越のキャラクターもライオンじゃなくタイガーなら良かったのに…現在、消防士の格好させられてます。
私は全盛期の長嶋茂雄を知りませんが、ミスターがプロ入り前から圧倒的なオーラをまとっていたことは間違いありません。
一方で、ミスター・タイガースのそれはプロ入りしてから醸成された、後天的なオーラであることも明らかでした。
全ての新人選手は、大きな夢を描いてプロの門をくぐります。
プロで活躍して、少しでも長く野球をやりたい、と。しかし、掛布は違いました。全く逆でした。
「僕がプロに入ったのは野球をやるためじゃなく、やめるためだった」。(読売新聞「憧球」)
体格も含めて、自分に素質がないことはわかっている。それでも、野球が大好きで、どうしようもなく好きで好きでたまらない。
父親はその灼熱の思いがわかっていたから、頭を下げて、必死でコネを探したのでしょう。
大学や社会人で野球を続ける道もあったかもしれませんが、掛布は体の芯から納得できる形で、大好きな野球をやめたかったのです。
そのためには、プロの巨大すぎる壁に跳ね返されて、クビになるのが、一番わかりやすい形でした。
全部やり切った、なんの後悔もない。それでも通用しなかったーーーそれなら納得できます。
掛布は、残酷なまでに正しい選択をしたのです。
大学や社会人で野球をやっていたら「もっとできたんじゃないか?もしかしたらプロでも?」という、勘違いや未練を引きずったかもしれません。
プロは、そんな生ぬるい勘違いができる世界ではありませんでした。
見たこともないパワーとスピード、そして技術に圧倒されてしまいます。
「自分なんかが来てはいけない世界」。そう思う一方で「なんてラッキーなんだ」と、全身全霊で練習に打ち込みました。
「これで野球をやめることができる」。
「ここで死に物狂いで頑張って、それでダメなら、納得して野球をやめることができる」。
不思議なことが、また起きます。
〝コネ〟でプロ入りした無名の高校生に、また幸運の女神が微笑むのです。幸運の女神はコネなんて大嫌いなはずなのに。
「運がある」。
ものすごく不思議な言葉です。
それにしても…運、ってなんですか?
マニー・パッキャオの前には、層が薄くビッグネームなどいないはずの軽量級でメキシカンのスター選手が3人も立ちはだかってくれました。
軽量級では、ありえない話です。
メキシカンのスターなんて贅沢は言わないのに、強豪王者との対戦もすれ違いの井上尚弥にほんの少しでいいから、分けて欲しい幸運です。
井上があと少し、ジュニアバンタム級にとどまっていたら、何人ものPFPファイターと戦うことができたのに、現実には今なお、たったの一人も巡り会うことができていません。悲しいほどの不運です。運が悪いにも程度があります。
「運」を井上の場合で英訳すると、そのままUnluckyです。
しかし、アリやパッキャオ、和光ビル、掛布雅之の場合、「運」はLuckyではなくDestinyと英訳すべき日本語です。
アリやパッキャオ、和光ビル、掛布雅之はLuckyだったのではありません。
Destinyを背負っていたのです。
それにしても…運、ってなんですか?
マニー・パッキャオの前には、層が薄くビッグネームなどいないはずの軽量級でメキシカンのスター選手が3人も立ちはだかってくれました。
軽量級では、ありえない話です。
メキシカンのスターなんて贅沢は言わないのに、強豪王者との対戦もすれ違いの井上尚弥にほんの少しでいいから、分けて欲しい幸運です。
井上があと少し、ジュニアバンタム級にとどまっていたら、何人ものPFPファイターと戦うことができたのに、現実には今なお、たったの一人も巡り会うことができていません。悲しいほどの不運です。運が悪いにも程度があります。
「運がある」。
ものすごく不思議な言葉です。
「運」を井上の場合で英訳すると、そのままUnluckyです。
しかし、アリやパッキャオ、和光ビル、掛布雅之の場合、「運」はLuckyではなくDestinyと英訳すべき日本語です。
アリやパッキャオ、和光ビル、掛布雅之はLuckyだったのではありません。
Destinyを背負っていたのです。
コメント
コメント一覧 (3)
運命は定められていますが、目的地は自分で決められるはず。
汝よ、何処にか行き給う。
フシ穴の眼
が
しました
フシ穴の眼
が
しました