The Greatestは、かつて「世界最強」と和訳されていました。

モハメド・アリの時代までボクシングのヘビー級チャンピオンは、このスポーツの頂点であるというだけでなく、格闘技最強と考えられていたのです。

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もちろん、そこにはボクシングというスポーツの社会的ステイタスが、今では信じられないほどに高かったという時代背景がまずありき、でした。

世界ヘビー級タイトルマッチは、あらゆるスポーツの中で最も注目され、王者の交代が大ニュースだった、そんな時代が確かにあったのです。

ボクシングがマイナースポーツの坂道を転がり落ち続け、団体と階級が喜劇的なまでに増殖、世界ランキングは認定団体のお気に入り選手リストに堕落し、今やスポーツとしての体もなさない惨状です。

80年代のまだ世界王者が世界に30人弱しかいなかった頃は、日本の一般紙も海外で行われた世界タイトルマッチの結果を報じ、それがヘビー級ともなると写真付きで詳報していました。

The Greatestが「世界最強」と訳すことが出来なくなった最大の原因は、総合格闘技の発展ではありませんが、それが大きな原因の一つであることは間違いありません。

現在、世界最強のボクサーがタイソン・フューリーであることは、彼が精神的に不安定であることを勘案しても、誰も異論がないでしょう。

オレクサンデル・ウシクとの完全統一戦のオッズは、ジプシーキングが8/15(1.53倍)、ウクライナの英雄が6/4(2.5倍)。

このオッズが実力を正確に反映しているとするなら、フランシス・ガヌーはウシクを吹っ飛ばすはずです。

デオンティ・ワイルダーやアンソニー・ジョシュアらコンテンダーらも、37歳のカメルーン人に破壊されてしまいます。


しかし、ガヌーの〝大金星〟は、フューリーという様々な問題を抱えたThe Greatestだったからこそ起きた、事故だったと考えるなら…?

もし相手がウシクならボクシングの厳しい授業を受けてストップされていたのでしょうか?あるいは、ワイルダーが相手なら戦慄のKO負けを喫していたのでしょうか?

そして、ガヌーはもっと下のコンテンダー、ジョセフ・パーカーやジャレッド・アンダーソンらにも通用しないのでしょうか?




日本時間の昨日の朝、サウジアラビアで起きた悪夢は砂漠の蜃気楼だったのか?

それともボクシングの破滅を告げる葬送曲のイントロだったのか?



またまたまたまた、終わりのないシリーズの始まりです。